WWWシリーズ考察!「Well Wishing Word」編
0.前書き
こんにちは。ろかです。皆さん、「INORI MINASE LIVE TOUR 2023 SCRAP ART」お疲れ様でした〜
神セトリ、そしてなんと言っても4年ぶりの声出し解禁ライブとなり、大盛り上がりでしたね!
さて、そんなSCRAP ARTですが、WWWシリーズ全3作がセトリに含まれていた事も大きなポイントの1つだったと思います。
今回はそんなWWWシリーズについての考察を書いていきたいと思います。
※以前も「いのりまち町民集会2021-おかわり-」で「Winter Wonder Wander」のアニメーションが公開された際にその内容を踏まえた考察noteを書いたのですが、今回は「While We Walk」の公開を受け、考察をアップデートしたものとなっております。
1.Winter Wonder WanderアニメーションMusic Clipについて
WWWシリーズの考察を行う上で時系列や各登場人物の関係が重要になっていきます。文字情報だけでなく映像として楽曲を捉えられるアニメーションに着目することでこの楽曲の舞台と登場人物を整理しましょう。
※以下に度々出てくる秒数の表記はYouTubeにアップされている先述アニメーションのものです。よければ該当箇所を確認してみてください。
1-1.物語の舞台
この物語の舞台は「いのりまち」です(0:49〜にも書いてありますし、後述する地図にもそのような記載が見受けられます)。
中世ヨーロッパの雰囲気が感じられるメルヘンな街並みとなっており、個人的にはフランス東部のコルマールのような建物が見られるなぁ、と感じてます。町民の皆さんなら「ご注文はうさぎですか?」の舞台のモデルとなっている地域としてご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんな「いのりまち」ですが、0:26〜、1:47〜のシーンに登場する地図を読み取ると図1のようになっています(手書きかつ縮尺はめちゃくちゃです)。
この「いのりまち」を舞台に物語は進んでいきます。
1-2.登場人物
続いて、アニメーションに登場する人物を整理していきましょう。便宜上、まとめやすいように呼び名を付けていきます。
赤ずきん:主要人物の1人である赤ずきんを被ったボブヘアの少女。
少年:主要人物の1人で、赤ずきんが水路で出会う少年。
くらり:主要くらげ…?赤ずきん達を導いてくれるGracious Jellyfish。
王女:主要人物の1人であるいのりまちの王女。床に伏している様子。
餞の言葉の王子:主要人物の1人。映像中に姿は出てこない。既に亡くなっている。
メイド:王女に仕えているメイド。
ネコ型ロボット:王女に仕えている?後述の水晶玉の少女と行動を共にしている。
水晶玉の少女:水晶玉を持つポニテの少女。ネコ型ロボットと一緒にいる。
いのり:我らが町長。度々登場する。
いのりバンド:いつも支えて下さりありがとうございます。
町民:猫や豚、トカゲにピエロ、そして天使まで色んな町民がいる。十人十色ですね。
続いて考察にあたっての前提を記述していきたいと思います。
2.考察にあたっての前提
2-1.世界観ーいのりまちに伝わる童話ー
いのりまちには古くから伝わるとある有名な童話があります。
簡潔に記すなら、死別した2人が冬のとある日に奇跡が起きて再会する、という物語です。
いのりまちでは毎年冬のとある日にこの物語の由縁となるお祭りを行っており、この日は死者が現世に帰ってくるとされています。
「Winter Wonder Wander」のアニメーションを見ると屋台が立ち並び、花火が打ち上げられていますよね。「Winter Wonder Wander」はまさにこのお祭りの日に起こる奇跡を描いた物語という訳です。
2-2.WWWシリーズの時系列
「Winter Wonder Wander」のアニメーションから考察を深めていきたいところなのですが、この物語は複数の時間軸、人物が絡み合っていると私は考えています。そのため、ここで私の思うWWWシリーズの時系列順を紹介させてください。アニメーションの映像の流れとは少しズレますがここからは基本的にはその時系列に従って考察を記述していきます。
結論から述べると、「Well Wishing Word」→「While We Walk」→「Winter Wonder Wander」という順番です。ライブツアーでの披露順と同様ですね。
もう少し詳細に言うと、「Well Wishing Word」の後時間が経ち、「While We Walk」と「Winter Wonder Wander」はほぼ同時、と考えています。理由は後述の考察を読んだいただければ分かると思うのでここでは割愛します。
※ライブツアーで町長が繰り返し伝えていたようにそれぞれが感じたものが正解であり、この順番が正しい!他は間違っている!というものでは無いと思います。この順番はあくまで私の考えであり、ほかの考えを否定するものではございません。
3.各楽曲の内容について
この章では各楽曲についてお話していこうと思います。
3-1.Well WishingWordについて
この楽曲の主人公は王女と餞の言葉の王子です。この楽曲の1番は餞の言葉の王子視点を描いたものであり、2番は王女視点を描いたもの、ラスサビが両視点が組み合わさったものになります。
それでは歌詞を見ていきましょう。
冒頭のフレーズからもわかる通り、この曲のテーマは「別れ」です。
王女と餞の言葉の王子は奇跡のように出会い、恋に落ちました。しかし、その恋は長くは続きませんでした。
ロミオとジュリエットのモンタギュー家とキャピュレット家のような対立関係だったのか、はたまた身分違いの恋だったのか。理由は分かりませんが、二人の関係は永遠に続くものでは無いと知っていた節があります。
ここでこの楽曲の題名を思い出して見ましょう。「Well Wishing Word」、つまり餞の言葉です。餞の言葉とは門出に際して送る言葉ですよね。3:00のシーンでは王女の住む「Inorimachi Castle」で別れを告げています。つまり、この曲名は去る王子に向け王女が送った餞の言葉を指すのでしょうか?恐らく違いますよね。後述の歌詞に出てきますが、「君と僕とに幸よあれ」と餞の言葉を送っているのは王子です。また、アニメーション2:11のシーンに注目すると「Inorimachi Abbey-Here lies the Prince of "Well Wishing Word"」と書かれています。「いのりまち大修道院ー”餞の言葉の王子”ここに眠る」と訳せますね。餞の言葉を送られた側がこのように形容されることはないでしょう。やはり、餞の言葉を送ったのは王子だと考えられます。去る王子が残る王女に向けて送る餞の言葉とは…?それは王女の婚姻ではないでしょうか?
親に決められた相手と結婚をしなくてはならなかった王女は王子と結ばれることが叶わなかったのだと考えられ、それでも互いを運命の相手だと信じ、いつか必ずまた出会える、と言っているのかもしれません。
「ティアラを外して!」という言葉からティアラ(≒冠)を脱ぐということで、本当は家の縛りから解き放たれ結ばれたい、という王子の思いが感じられるフレーズだとも考えられます。
別れを惜しみつつもふたりは再会を誓います。
王子は「絶対君を見つけるから」と約束をしていますが、何故王子は「見つける」という表現をしたのでしょうか?顔も名前も居場所も知っているであろう王女に対して「見つける」という表現をする王子。この言葉は今生で再会する事はできないことを悟っているからこそ発せられたものなのではないか、と思います。「生まれ変わってもまた君を見つける」と言ってるわけですね。
奇跡、つまり神様の気まぐれで出会い、恋に落ちたふたり。このフレーズからもふたりが永遠に添い遂げる保証など無く、必然的な終わりを予感している事が伺えます。
幸せな時間ほど短く感じられるもの。彼らの共に過ごした時間は時計の針が重なる時間のように短いものに感じられたのでしょう。別れの時がどんどん近づいていきます。
王女もまた会えることを信じて寂しさを抱えつつも別れの言葉を告げています。
いよいよ別れの時がやってきます。アニメーション2:58〜3:00で描かれているのがこのシーンです。
王子と王女は再会を確信し、別れを告げます。
ここまでが「Well WishingWord」の歌詞から読み解ける部分です。
続いてアニメーションで明らかになったところを見ていきましょう。
まず、書くのが遅れましたが、アニメーションで「Well Wishing Word」を描いている部分にはピンク色の欠片が散っています。
0:30の「Well Wishing Word」と書かれた絵本の中にも同様の表現が見られる事からこれは間違いないでしょう。
2:58〜3:00のシーンは前述の通り楽曲中に描かれた別れのシーンですね。
王女が王子からネクタイを渡されています。余談ですが、このネクタイを渡すという行為には「あなたに夢中・束縛させて」といった意味があるそうです。
話が逸れました。ピンク色の欠片が舞うシーンは「Well Wishing Word」が描かれていますが、3:00〜3:04の王女が悲しみ、メイドと猫型ロボットが寄り添っているシーンがあります。このようなシーンは元の歌詞には存在しません。ここは「Well Wishing Word」の後日談が描かれたシーンだと思われます。
先述したように今生の別れと考えている王子と約束の日までの暫しの別れと考えている王女との間でこの別れには認識の差異があります。
そして王子の予感していた通り、生前にふたりの再会は叶いませんでした。一方王女は王子との再開の約束が叶わず、悲しみに暮れます。「必ずまた出会うさ」と言ったあの言葉は嘘になってしまうのでしょうか。
そんな中、失意の底に沈む王女を見てティアラからくらりが出現し…?
4.あとがき
本当は全3部作についてまとめようと思っていたのですが、全て書いていたらとんでもなく長くなってしまう事を確信しました(もう少し考察詰めたい部分もあるし…)。なので今回は考察の前提条件の確認と「Well Wishing Word」の考察までで一旦筆を置かせていただいて、続きはまた後日アップしようと思います。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれた方々ありがとうございました!
感想・意見など待ってます!