キャリアがあることが駐妻のゴールなの?働く駐妻も働かない駐妻も経験してわかったこと
コンゴ民主共和国からぼんじゅーる!
アフリカ駐妻8年目のてんやわんやママです。
まずはじめに
タイトルからいきなり「駐妻」という言葉を使ってしまいましたが、このnoteで書いている内容は、駐妻だけでなく駐夫にも当てはまると思います。
本当は「配偶者の海外駐在に同行しているパートナー」と書きたいのですが、そうするとタイトルもこの記事も膨大な長さになってしまうので、この記事では女性である自分のことを指すために「駐妻」という表現を使っています。
「駐夫」「駐妻」に関する言葉について素敵な記事を見つけたので、こちらをシェア⬇︎
それでは、さっそく本題に入ります。
「キャリア」という言葉から遠ざかっていた7年間
私はこれまで駐妻として、ベナン、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国というアフリカの国に7年間暮らしてきました。
これまで暮らしてきた国は、現地の人でさえ雇用機会を見つけることが難しいこと、駐在家族が就労した前例があまりなく情報が圧倒的に少ないこと、非英語圏などという理由があり、仕事を見つけられる機会がほとんどありませんでした。
こんな風に書くと言い訳がましいですが、まさにその通り。いろんなことに理由をつけて、「キャリア」という言葉に壁をつくり、ずっと遠ざけてきました。
最近は「駐妻の再就職」や「駐妻の現地就労」などが話題にのぼることが多いですが、「現地就労」「海外でリモートワーク」なんていう言葉は見ないふり。ネットでそういった記事を見つければそっと「閉じる」ボタンを押し、海外で仕事を見つけて働いている駐妻の話を聞いても、ずっと自分には関係のない別世界のことだと思っていました。
7年間そうやって過ごしてきた私に、思いがけないチャンスが巡ってきました。
そう思って、思いきって飛び込んでみること数カ月———。
そこにいろんな気づきや葛藤があったので、今回は
キャリアのない駐妻(7年間)
現地で働く駐妻(まだ数カ月)
という両方を経験して感じたことを書いてみたいと思います。
海外生活を通して学んだこと
まず、これまでの海外生活で学んだ……いうよりも、人生においてようやく理解できた2つのことを書かせてください。
この2つを理解できるようになってから、荒ぶるホルモンバランスの影響をもろに受けやすいネガティブな私でも少し生きやすくなった気がします。
不便なことや苦労の方が圧倒的に多いけれど、私はアフリカが好き。
でもアフリカにいるとお寿司もラーメンも食べたくなるし、時間通りに来る電車や日本の手厚いサービス、100円均一、ドンキ、ふわふわの食パンと甘さ控えめのショートケーキ、とにかく日本の生活すべてが恋しくなります。
夜道を安全に歩きたい。コンゴで見るタキマキのインスタがまぶし過ぎてよく見えないのはどうしてだろう。笑
そんな私も日本に戻ると、現地での些細な日常が恋しくなります。「海外ってやっぱり遠い存在で、戻りたくても簡単には戻れないんだなぁ」と強く感じます。
キャリアも同じだった
仕事に関しても、そうでした。
ずっと収入のない自分が後ろめたくて、「キャリアのない自分をどうにかしたい」と漠然と思いながら、語学力のない自分を責め、専門的なキャリアや社会人経験がない自分に自信がありませんでした。
7年間ずっと、「仕事を始めたらもっと自信が持てるのに」と思っていました。
ところが実際に仕事を始めてみたら、子どものケアをする時間が減って、今度は子どもたちに対する罪悪感が(これはきっと日本のワーママも同じ?)。
仕事を始めたら自信が持ててキラキラした生活を送れると思っていたけれど、仕事のストレスやプレッシャーはそれなりに大きいし、ブランクがありすぎて何にもできない自分に落ち込み、おまけに海外にいて不安であろう子どものケア、学校行事にすら手が回らず、ますます自分の不甲斐なさに落ち込みました。
そう悟ったのは、つい最近のこと。
(ただ「わずかでも収入がある」という心の安定はあります。)
話が少しそれてしまいましたが、キャリアのない駐妻も現地で働く駐妻もどちらも経験した私がわかったことは⬇︎
「働けたらハッピーになって、すべての悩みが解決される」と思っていましたが、働き始めても悩みは次から次へと出てきました。
「え、絶望的じゃん。なんか解決策ないの?」と思う人が多いと思いますが、それもそのはず。
あれだけ美人な女優さんにコンプレックスや悩みがあるなら、別に美人でも秀でたスキルがあるわけでもない私が悩まないわけがありません。
じゃあ、悩んでばっかりの私(たち?)にできることは?
悩んでばっかりの自分にできること
これに尽きると思います。
悩んでいるのは、一生懸命生きている証拠(あかし)。
家族については、異国の地で自分と家族の心もカラダも死なないように最低限守っているだけで立派、合格ライン。
日本語が通じず、頼りになる家族や気の許せる友人がおらず、驚くほど日本の常識が通用しない環境で日常生活を整えているだけで、むしろ偏差値70レベルではないでしょうか。
(余談ですが、私は日常生活すら整えられていないことが多々あります、はい。)
悶々と黙って一人落ち込むんじゃなくて、パートナーに自分が悩んでいること、考えていることを言葉にして伝えてみたり、パートナーのことが大切なら、大切に思っていることを伝えてみたり。
子どもがいる人は、子どもの自主性を信じてみるとか、気持ちに余裕のあるときにハグしてみるとか、できるときにできることをやって、自分の愛情や感謝の気持ちを伝えてみる。
語学ができなくてツラい思いをしている人、まわりの人にうまく溶け込めなくて悩んでいる人、リモートワークでなんでもこなせる人が羨ましくなっちゃう人、仕事をしたくても働けない人は、その悔しい気持ちを(たとえこの先日本に帰ったとしても/再就職できたとしても/語学が上達したとしても)死ぬまで絶対に忘れないってくらい思いっきりもがいてみる。
環境が変わったときに動けるようバネにしておく。
ただ、
「語学ができない自分はダメ」
「キャリアのない自分はダメ」
「友達ができない自分はダメ」
と責めるんじゃなくて、悩んでもがいている自分を認めてあげてみてください。できれば、海外という場でこんなに真剣に自分と向き合っていることをほめてあげてみてください。
悩んだ分だけ、もがいた分だけ、人生に深みが出るし、何よりそれがバネになると信じています。そう考えると、海外で悩んでいる私たちの経験値と伸びしろ、すごくないですか?
これって、キャリアがある・ないは関係なくて、いかに現在(いま)を必死に生きるかだと思うんです。
人生は
「キャリア」だけを切り取ったものでもなく、
「家族」だけを切り取ったものでもなく、
生まれてから死ぬまでの経験ぜーーーんぶをひっくるめたものだから。
駐在家族である私たちにとって、「再就職」や「現地就労」だけがゴールというわけではないと思います。
(ちなみに、私はアフリカの僻地で日本人の少ない人間関係に、育児に、生活水準に、医療水準に、語学に、断水・停電・虫とヤモリと雨漏りに悩んできたから、自分の人生はめちゃめちゃ深みが出ていると思っています。)←ちょっとちがうw
ないものを羨ましがってしまうのが私たちだし、仕事をしたって、お金持ちになったって、たとえ菅田将暉と結婚できたって、今暮らしている国が変わったって、どうせ悩むんだから、悩んだりうまくいかないこの駐在生活を必死にもがいてみよう。
限りのある駐在生活だから、せっかくなら思いっきり悩んでもがいて、次のステップで大きく飛べるようにいっぱいいっぱい助走をためておこう。
きっとそれが私たちの人生の糧やバネになるはず。
そう信じながら、今日も私は悩むのです。
生き方はひとつではありません。
海外生活は、新しい経験ができる貴重な機会でもあります。
あなたの不安がひとつでも消え、前向きに生活できるよう、駐妻カフェメンバー一同願っています。
一緒に海外生活を楽しみましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?