マガジンのカバー画像

犯罪白書【2021年6月号第1特集】

15
¥500
運営しているクリエイター

2021年6月の記事一覧

宮崎勤、宅間守、植松聖の写真がフォトライブラリーにない! 行き過ぎた自主規制か人権意識か――死刑囚たちの写真が消えていく理由

――テレビやネットニュースなどで死刑囚の名前が匿名やイニシャルになっていたり、またメディアで死刑囚の写真が載ることが少なくなった。さらに、さまざまな媒体が利用しているフォトライブラリーなどでも、死刑囚の写真の取り扱いはほとんどない。一体、何が起きているのか?

『増補版 ドキュメント死刑囚』(筑摩書房)

 雑誌やテレビ、ウェブメディアはアフロやGetty Imagesといったフォトライブラリーの

もっとみる

刑務所内で上映されるドキュメンタリー映画も! 再犯者率は48.8%――正解なき更生プログラムの今

――本特集では、“犯罪”をめぐるさまざまな問題や最新事情を取り上げてきた。では、実際に犯罪を犯した人物は、どのような更生プログラムを経てシャバに戻るのだろうか? そもそも更生プログラムに効果はあるのか? その現在進行形を見ていきたい。

日本の刑務所に初めてカメラを入れ、話題となった映画『プリズン・サークル』。

 明るいホールの中で椅子に座って円座になる若者たち。ひとりが過去に行った犯罪を告白

もっとみる

クラスターの発生源なのか?――コロナ禍の日本の刑務所



 昨年、新型コロナウイルスが世界で感染爆発した当初、中国、イラン、アメリカ、フィリピン、ブラジルなど、さまざまな国で感染抑止策として刑務所に収容されている受刑者の多くが釈放された。

 確かに「密」な空間ではあり、日本でも今年の2月には千葉刑務所や横浜刑務所でクラスターが発生したが、他方で河合氏によると「日本の刑務所は安全地帯」とのこと。以下、河合氏の談。

「昨年、各国で受刑者の釈放や一時釈

もっとみる

【河合幹雄×土井隆義】路上犯罪は減ったが虐待は増加――パンデミック時における犯罪事情

――外出自粛のおかげで路上犯罪が減っているという。だからといって、DVや詐欺などは減らないため、コロナ禍で特に治安がよくなった気もしないし、至るところに自粛警察もいる。なぜ、犯罪は減っているのに不安はなくならないのだろうか? 犯罪研究の大家2人にその背景を語り合ってもらった。

『現代 刑務所の作法』(ジー・ビー)

 緊急事態宣言が出された2020年の4月以降、刑法犯の件数は61万4000件と、

もっとみる

現役NBA選手の85%が大麻を使用!?――米国スポーツ界で進む大麻解禁と使用罪創設を目指す日本の未来

――井岡一翔のドーピング疑惑で注目を浴びた大麻とCBD。近年の日本では、プロ野球選手やBリーグ選手も大麻所持で逮捕されており、「スポーツと大麻」の距離は着実に縮まっている。なおアメリカでは四大スポーツでの大麻解禁が急速に進行。アスリートのケア用品として拡大中で、使用罪創設を目指す日本とは真逆の道を進んでいる。

『お医者さんがする大麻とCBDの話』(お医者さんがする大麻とCBDの話)

 世を騒が

もっとみる

プロミュージシャンたちが審判を下す!――警察音楽隊の犯罪抑止力チェック

――プロピアニストである前山宏彰氏に協力を仰ぎ、若手からベテラン・ミュージシャンに集まっていただき、警察音楽隊のスキルをジャッジ! 独自性や演奏力をポイントに100を満点とし、独断と偏見で“犯罪抑止力”として採点してみました。

[参加メンバー]
前山先生(43歳・プロピアニスト)
熊田先生(35歳・プロホルニスト)
田中さん(33歳・横浜マリノス好き)
シンくん(18歳・プロミュージシャン)

もっとみる

プロを唸らすスキルで犯罪を抑止する――警察音楽隊の実情と技術を問う!

――「音楽活動を通じ、犯罪被害防止や交通安全を呼びかける」ことを理念に掲げる警察音楽隊。「そもそも警察音楽隊って?」と思われる読者も多いだろう。本稿では音楽隊の広報や楽長の話をはじめ、元警察音楽隊経験者によるリアルな本音、さらにはプロのミュージシャンたちが警察音楽隊の演奏スキルをジャッジしつつ、音楽による犯罪抑止力の底力を検証する。

(絵/ぱいせん)

 さかのぼること約90年前、神奈川県警察部

もっとみる