いぬは何にだってなれる
朗読劇
執筆:cyxalis
*犬になって読んでね
いっぬいぬいぬ。こいぬいぬ。いぬいぬいぬいぬ。いっぬこいぬ。こいぬいっぬ。こいぬいっぬ。いぬいぬいぬいぬ。
ねぇ、なにぼぉぅとしてるの?
いっしょにいぬいぬいいなよ!
ばかばかしいからイヤだって?
へそまげないでよ。こんなことで。
いいじゃんか。
いっぬいぬいぬ。こいぬいぬ。いぬいぬいぬいぬ。いっぬこいぬ。こいぬいっぬ。
なんだよ。
え?うるさい? イジワルだなぁ。ぼくイジワルしないよ。イジメたこともない。
ちょっとアマガミしてトビハネたけど、だれもけがしてないよ。みんなといっしょにねたし、ごはんもたべた。
かなしませたらそばにいるよ。おもわず、ごめんねっていっちゃうんだ。
ねぇ、ソクバクしないでよ。ぼくをみてほしいだけ。
こいぬいぬいっ……え、じゃま?
なんだよ。なんでそんなこというんだよ。ぼくそんなことはじめていわれたよ。こんなにかなしいのはじめてだ。あぁむねがはりさけそう。いまにしんでしまいそうだよ。
きみって。きみって、ひとのきもちがわからないんだね。
ひとのきもちがわかったら、そんなことはいえないよ。
ぼく、やさしく そだったの。やさしくして。
いぬいぬこ……なあに。
ひとじゃなくていぬ?
なんだよ、おっかないやつだなぁ。いじわるばっかりだ。
ぼくがしんじまう。うわぁぁあ。ころされちゃうぅ。
しんじゃうよお。たすけて……たすけてぇ。おとうさあん!おかあさあん!
しんじゃうよお。
わおーん!
……ねぇ、もっとじゆうにいきてよ。いきさしてよ。
いぬってなんでもめざすんだ。かぞくがいればなんでもできちゃう。かみさまにだってなれちゃう。
とぶし、およぐし、わらうんだ。
あれ?……きみもいぬじゃんか。