サシ飲み日記 vol.12 ラスボス2
かみはら山水農園代表(日本の米の大会1位受賞) トシオス(自動車整備 販売店)元代表 元門和佐区長
登志雄さん(下呂市上原)
出身:下呂市上原 門和佐
口癖:米 筋 優しさは優しさじゃない
性格:自慢 瞬発力 短気(長所)
登志雄さんは何年か前、日本ナンバー1のお米を決める大会で優勝した人。
すごいよね。本当にすごいんだよ。
「古米やったらいくら使ってもええ!いろんな人に食べてもらえるんやったらどんどん使え!余ったら中村くんの家族で食え!新米はやらんぞ。」
来たときからこんな感じ。
5㎏使います!って連絡しても毎回10升(15㎏)くれる。
甘えて料理つくる機会、結構米もらいに行った。
今考えたら日本で一番うまい米=恐ろしい値段の米、当たり前のように食う生活してた☆
チビは安い米、食えん舌になってもた。
正直、カレーで食うのもったいないくらいうまい。
だけど野菜と牛骨や鶏ガラとスパイスベースの出汁で炊くと、ルーかけて食うと超贅沢やけどむっちゃうまい!
米で米が食えるレベルの米。
塩もいらん。
純米大吟醸のような、そんな米。
アテなんて要らない。
酒がもったいない。
それだけで飲むのが至上の幸福。
贅沢な時間。
純米大吟醸のような、そんな米。
そんな印象。
そんな米を研究に研究を重ね、こだわり抜いてつくった人。
しかも元技術職、車のスペシャリスト。
そら、うるさくなる、圧が強くなるのも当然☆
理論的な思考に基づく短気。
わかる気がする。
しかも頭の回転も早い。
感情を理論と知性が上回り、それを伝えるためのコミュニケーションは感情が先行。
声がでかくなる、圧がすごいことになる。
とにかく声がでかい。よく喋る。
違った考えでも、そーですね。って言わざるおえない空気になる。
回転が早すぎる頭脳についていけないから戸惑う。
特に下呂生活1年経ってないオレにとって、あるタイミングから超おっかねー人!って認識になってた。
一方的にガーって話してくる。
反論は通用しない。
感情抑え理論的に説明しても聞く耳持たない。
『参ったな、ちょっと距離置こうかな?』
なんて考えてた。
昨日までは。
サシ飲みじゃなく久し振りのサシ語り(ノンアル)。
登志雄さんは稲刈りシーズン、朝5時起きでぶっ通し仕事、昼飯あんぱん2個、晩飯まだ食ってない。からの19時30分。
オレはタケノコト市というマルシェ出店。前日仕込み1時過ぎ就寝からの4時起き。16時ごろイベントから帰宅、洗い物等片付け、事務作業終了。からの19時30分。
お互い無理して時間つくった。
ビール我慢した。
目的は互いの考えにズレが生じてきたから。
ガチで話し合おう、お互いの考え、主張を理解した上で、これからより良い関係で付き合っていこう。
そんな機会を、一昨日の電話で偶然つくることになった。
結果、時間無理やりつくって良かった☆
『登志雄さん、おっかないっすよ!いつもガーッて一方的に喋るから☆』
「試しとるんや、愛情や。想いがあるならドンと伝えろ!」
『そー言っても、人の話聞かないじゃないですか!いつも遮って。今はオレの話を聞け!って。自慢話いきなり始まるし☆』
「なにを言ってるんだ。それを遮ってまで話することに想いがあるんだろうが。わかるか?わかるよな?試してるんだ。」
「ありがたいなぁ、光栄だなぁ、まだまだ俺も現役。話しにくいと思われること、それはまだまだ俺に威厳があるという証拠。すごい米をつくる人って思われとる証拠。ありがたいなぁ、光栄だなぁ。」
「だけど中村くん、君のような人間が俺に気を使う必要はない。時間の人生の無駄。それより事業を始めることを最優先に考えるべき。定住する気あるんだろ?」
「一時期は地域のためって言ってたけど、そんなことはあとでいい。まずは自分、定住できる、生活しお金を生むための拠点をつくる、それから時間あるとき特産品開発とかやればいい。」
『全く同じ考えです。優先順位って必ず存在しますもんね。そこ間違えると全て崩れる。地域おこし協力隊ってただの定住支援、起業支援制度なんだから。』
「そんなことは当たり前、当たり前のことを偉そうに話すな!」
『そらそーだ☆』
下呂市上原公民館の調理室を拠点とし、料理をいつでもつくり販売できる場にしてもらって、地域として中村くんを受け入れよう。
そんな想いで地域おこし協力隊という制度を活用し招いたんだけど、保健所のこととか知れば知るほど公の場で営業許可を取ることは不可能ということを現実を知り。
「俺たちの認識が甘かった。知らんかった。その点はすまなかった。料理はどこでつくって販売していいものと思い込んでた。」
「中村くんにはまだ活動拠点、秘密基地、調理場がない。それを準備、サポートするのは地域の役目。当然のこと。」
『最初は戸惑いましたよ。拠点ないんだもん。公民館使っていいって言われたから使ったら怒られたことあるし。後片付け雑だったからなんだけど。でもそれも伝えて欲しかった。使う前に。知らないんだから。人生で初めて公民館使用したんだから。」
「来た当初、保健所何回も行ってて。毎回違った切り口で提案して相談したんだけど、営業許可が下りることは絶対不可能って知らされた。』
『どーなってんだ?って。だけど、拠点がないからフリーに1年動けた訳で。あちこち料理つくりに。』
『最近、究極の人脈づくり『サシ飲み』を思いついたのも拠点がないからで。ある意味良かったのかも?なんて思ってるくらい。周りの地域おこし協力隊見ると、当たり前だけどみんな拠点あって、サポート体制整ってて。今でも羨ましいなぁって思うけど。当たり前のものがまだないからね。オレ。かなりおかしな状況なんですよ。正直。』
「なんでも前向きに捉えたらえーんや。あとは自分にとって不利益、関係を築く必要がないと思った人は距離を置くこと。自分の発言に覚悟、責任を伴わない人間の言うことは無視すればいい。これは大切。」
「ただ、田舎の噂は光通信より速い。特に悪い噂は一気に広まる。それは気をつけた方がいい。来て1年経ってない中村くんは特に。慎重に生きろと言ってるわけじゃない。自分は貫かなきゃダメだ。その上でやりたいことをやる、無視するとこは無視する。筋を通すところは通す。そこさえ間違わなければ問題ない。」
「こだわるとはそういうこと、経営者とはそういう生き方。いちいち気を使うな。もったいないぞ、時間が。自分のやりたいように生きろ。」
「俺はもう歳だから、いちいちうるさいこと言わんくなったけど、そーか、中村くんは俺に気を使って自分の意見言えなかったのか。ありがたいなぁ、光栄だなぁ。俺に威厳がある証拠。(頷きながら)」
『・・・(おもしろいこと何回も言う人だなぁ)』
*ちなみに、上原公民館を料理人としての活動拠点にすることは如何なる理由があろうとも絶対に不可能!と知ったのは、今年の1〜2月くらい。何人にも言ったけど、この件に対してこんなに素直に「すまなかった。」って言ってくれる人、1人もいなかった。驚いた。器あるなぁって。地域おこし協力隊という制度、理解してるなぁって。
そんな登志雄さんの米を勉強するために、宮崎県のある村から14人が来月中旬訪問する。
「俺は米業界では有名人なんや!知っとるか?知っとるよな?」
『知ってます。』
「だけど中村くん、俺が中村くんやったらもう店やっとるぞ!遅い!瞬発力ないなぁ。」
『だからそれは言ったでしょ、さっき。』
『知らない土地の生活慣れるの、すげー時間かかるんですよ。認識の違いから生じる意味のない板挟みあるし。この立場。』
『その上で、今すぐ店じゃなく、まずは人脈もっとつくらなきゃダメって思ってるんです。商売の基本ですよね?』
『上原だけで商売成り立たないの、見えてるし。人口的な問題ね。外から人どんどん呼ばなきゃ成り立たない。』
『やる前からリスク高い事業、起こす必要ないでしょ?』
『だから、これからは下呂全域を活動拠点として動いていこうと思ってる。そもそも活動拠点ないんだし。』
『この前、市民活動推進課の佐々木さん(サシ飲み日記 vol.11参照)と話したんですけど、下呂市だけでいいのか?岐阜県巻き込めよ!って話になりました。上原で呼んでるけど、宙くんの場合は下呂全域を活動地域にして、今後の生活の拠点を門和佐にする。それがベストだね☆いいね!下呂市の地域おこし協力隊のイレギュラー、スラムダンクで言ったら桜木花道。それでいい。』
「佐々木くんがそんなこと言っとんたんか!えーよ、それで。それくらいの野望を持っとる方がいい。」
「上原だけで日本一のうまい俺の米があるんや。下呂市全域巻き込んでやったらもっとうまいのつくれる。」
『ですね。』
オレ、信念ある短気好きなんだなぁって思った☆
信念あるからこそ短気になる理由、いっぱいあるもんね。
これからもっと深く、登志雄さんと繋がっていきたいなって思った。
めんどくせーって思うこと、たくさんあると思うけど。
前向きすぎて毎回文句言っても、ありがたいなぁ、光栄だなぁって返されるの、目に見えてるけど。
米農家の凄さ、登志雄さんの優しさ、思い知らされた☆
「優しさは優しさじゃない。」
「俺は俺の道を行く!」
今回は飲んでないけどお互いかなり疲れ切った状態でサシ語りスタート。
威圧感あるからケータイ出してメモ取れんかった☆
いつも以上に脚色してるとこあるけど、だいたいこんな感じ。
みんな!
時代は『サシ飲み』だね☆
ということでvol.13へ。
to be continued
*参考資料*
『サシ飲み』
https://note.mu/cyu/m/m77de18d4b3db
『かみはら山水農園』
http://kamihara-sansuinouen.com