スフォリアテッラ風のタルティーネとボ活その2
ほとんど呪文のような表題で恐縮至極に存じ奉りますです、って二度目、二度あることは三度あるかも、ってたぶん(笑)。なんで?と思し召しのあなた。いえ、わたしもこうやって覚えようとしてるんでお許しくださいませ。でもなんとなくイタリア語の響きって素敵でありませんこと?ちゃんとちゃんとの説明は後ほどに。
で、いつものように今日の御宣託
”今日は浅蜊のトマトソースがいいな”
ア〜レ〜、キュイジーヌ、じゃ料理開始!になってまう、じゃなくて、あれれれ〜、またですか〜、ってまたなんです。とはいえ、進化を止めることは種の絶滅に向かうこと。せめてアウストラロピテクスぐらいにはなりたいな、と。目標はネアンデルタール人、ってまだホモ・サピエンスにもなっとらんのかいね、ですね。猿人が円陣組んでマンモス喰ろうてマンモスうれぴーっ、て、なに時代遅れやってんだか(笑)。いえ、作らねばならない定めなら、極めて見しょう、敢えて進むは荊の道、って大上段に振りかぶるようなお話ではございませんが。ほとんど大冗談っていう噂も。
ボ活
もう完全に定番のボンゴレロッソで。うちのは、世間のとだいぶ違ってて、濃厚なトマトポタージュに浅蜊さんのお出汁が入った感じで。たぶん、いえ、きっと常連の方でもどこが違うん、な微妙なところですが、変えてます。わかったら偉いです。嬉しくなって、もう生パスタ一年分お送りしたくなっちゃいます、なんて(笑)。
パスタを作る
今回は薄めでシコっとした感触を出したかったので、卵黄多めで。デュラムセモリナ100%、加水率55%、岩塩1%で。食感や味わいを自由に変えられるのが生パスタのいいところ。卵黄多めの時は少し加水率高めにしないと生地が硬くてわたしでも手首が負けそうになります、って一度死ぬかと思うほど硬い生地になったことがあって。力ずくでなんとかしましたが、綿棒じゃなくて麺棒折れるかと思いましてん。そうそう、常連の方々からリクエストがあった、パスタマシーンの使い方含めてパスタの作り方、今まとめてますんで、もうしばらくお待ちくださいませ。
水回し。粉が残らないようにほぐしながら。
まとめて、捏ね捏ね。いつものように15分くらい、伸ばして畳んでを繰り返して。まだお肌があれてますね。ちょっと保湿が足りなかったかしらん?、なんてことはありませんが。
30分以上休ませて、また捏ねて、を3回繰り返し。以前はここまでやらなかったんですが、薄めに伸ばしてもしっかりコシが残るんでやるようになりました。つるっともちっとがお好きならやらなくてOK。
5mmくらいの厚みになるよう麺棒で伸ばして、マシーンにかけて、畳んで麺棒で伸ばしてマシーンにかけて、を3回繰り返して。これ、言葉で書くと超めんどくせ〜、って感じになりますが、パイ生地作るのに比べたら全然楽ですねん。
最後に薄く伸ばす時、生地の長さがどんどん長くなっていって、切ってからやると回数必要なのと、端がよれよれした感じになるんで、端と端、くっつけてループ状にしてくるくるしてます、ってこれも言葉じゃわかりませんね。パスタづくりで生地を薄く伸ばしたあたりが結構鬼門で、薄くすると場所を取る、くっつきやすくなる、ヨレやすくなる、の三重苦で、ここで挫折する人結構います。ちなみに慣れてないころこれで、はい、やり直し〜となったこと二度三度。これも後日もそっとわかりやすいようにまとめますね。
少し薄めのフェットチーネの幅に切って。
ソースを作る
玉ねぎみじん切り。目標3mm角。聞くも泪、語るも泪の物語、になりたくないんで、玉さま冷蔵庫で冷え冷えにしておいて、包丁研いで臨んでます。って砥石じゃなくて、包丁研ぎでシュッシュしてるだけですが。
セロリもみじん切り。なんかセロリは縦に包丁入れて綺麗に切れるようにするの難しくて未だにすったもんだ試行錯誤してます。みなさんどうされてるんでしょうかね。
オリーブオイルでクチュクチュと水分飛ばしながら炒めて、途中でセロリの葉も刻んで加えて。玉ねぎの甘さが出るまで。世間のボンゴレ・ロッソは玉ねぎもセロリも加えないことの方が多いですね。うちは野菜の味ぎゅ〜っとしているのが好みなので、入れてますが。
トマト缶どぶっと加えて。もともと濃厚なの使ってるんで普通のトマト缶2缶分くらい濃いです。水煮じゃなくて、トマトジュース煮で、煮詰める手間がかからない優れもの。ボンゴレの時は浅蜊さんから塩気が出るんで、味見て塩は入れない時も。30分くらいくつくつしてから休ませて味を馴染ませて。
増量材(?)の茄子。ソース吸って美味しいので良く入れます。
オリーブオイルまぶしてからグリルで焼いて。全部皮が下になるように並べてます。この方が水分が良く飛んで、焦げ目もいい感じでついていいアクセントになります。この一手間がおいしくなる魔法、なんて言ってみたいなあ。
大蒜のみじん切りと鷹の爪をオリーブオイルでくちゅくちゅとトロ火で。うっすらと狐色になるくらいまで。
殻をよくあらった浅蜊さまじゃらっと入れて、白ワインどぶどぶっと加えたら強火でぶぉわ〜っと。蓋をして、口が開いてきたら、火を止めて。
アクセントのオリーブの実。今回グリーンの方で。
殻を取った浅蜊さんの身と一緒にオリーブオイルでマリネ。しばしおやすみいただいて。
浅蜊さんのお出汁、今回はあまり煮詰めないで、トマトソースに加えて、ブレンダーでぎゅい〜んと。今回は少し丁寧に滑らか〜になるくらいまで。ふだんよりすこしヤバいじゃなくてシャバい感じで。ダバ、シャバダバダ♪、なんて歌ってる場合ではございませんが。
焼いたお茄子加えて、トロ火で15分くらい。火を止めて、味を馴染ませながらスタンバイ。冷めるときにお茄子に味が浸みるのでございます。夏草や、岩に滲み入る蝉の声、なんて。ほんと、暑くなってまいりましたね。
スフォリアテッラの生地を作る
時々爆発する創作意欲、ん?時々でないという噂も(笑)。
料理は爆発だ〜、ってほんまに爆発させてはいけませんが、ってレンチンで時々やってます。あとのお掃除大変なんですよね。
以前から気になっていたスフォリアテッラ。イタリアはカンパーニャ州生まれのスゥイーツで、パイの原型のような作り方してて。もう作り方から面白いっていうか、小麦粉とラードと水を練り練りした生地を極限まで薄く伸ばして、ラードを塗って、くるくると巻いてから焼くという、もう、パスタ狂いのわたしのためにあるような作り方で。
いきなりおっきいの作るとツボった時に地獄見るんで、まずはちっちゃくタルティーネ(イタリア版カナッペのようなもの)っぽく仕上げて前菜にすることに。作り方は時々お世話になっている辻調のサイトを参考にしながら。ちなみに、スフォリアテッラは”小さく薄い葉の層”という意味らしく。
00粉にするかセモリナ粉にするか迷って、南イタリアだからセモリナ粉にすることに。
ラードと粉をすりすりして全体が均一になるまで。
水を加えて、まとめて。パスタほどは練らなくて良さそうなので、ほどほどに。
パスタマシーンで限界まで薄く伸ばして、ってこの薄さだと扱い変態、はわたしで、大変。伸びやすくてヨレやすくて。で、形がこんなに。なんせ、手で持っただけで伸びてくれるんで。のび太くん、そんなにだらだらしてると大人になった時こまるよ、なんてドラえもんに叱ってほしいですわん。ラードを塗り塗りして。ちなみにこの写真はラード出し過ぎです。この1/3で十分だったのでスケッパーで取ってます。
指で塗り塗り。なんか、おくさま〜、これでお肌すべすべですのよ〜、って感じ、って危ない通販みたいな(笑)。
クルクルと巻いて。今ひとつ美しくない。もそっとひっぱりながらきつめに巻いた方がよかったような。まさに覆水盆に帰らず、It is no use crying over spilt milk.英語だとミルクなんですね。今回お試しなんでかなり小さめ。本物はもう二周りおっきい感じ。
冷蔵庫でしばし寝かせてから、薄めに切って。うっすらと年輪のような渦渦がみえますでしょうか。で、円錐状になるように真ん中に向かって優しく押し出して。って両手塞がってて写真撮れなかったんですがちょうど陶芸で、手捻りで器つくるような感じ。う〜、なんかご幼少の砌、粘土で遊んだのを思い出す感触。。。嗜好が変わっていない。。。精神年齢6歳で止まったのかしらん(泣)。
180度のオーブンで焼いて、、、、なんかうまく均一にやけてない。巻きが甘い。生地ももう少し薄くした方がよさそうな。っていいとこなんにもないやん(泣)。
お勤め品の激安のそら豆くん。ホイルに包んでグリルで焼いて。ほんま、空豆、結構いいお値段するのに、鞘剥くと、”こんだけ〜”なくらいしかなくて。なかなかご登場願えない貴重品。茹でるより蒸し焼きにした方がほくほくで味がぎゅ〜っとするんで好きです。。。なんでもぎゅ〜、って、牛も好きですが何か。
薄皮剥いて。
空豆といえば羊さんのお乳で作ったペコリーノチーズ。うす〜く切って、軽く砕いて。あ、うちスライサーないんで、人間スライサーでさ〜。
イタリアでは生で食べられる空豆があって、ペコリーノと一緒に食べるってシェフに教わってて。ちなみに豆類、普通は生だとタンパク質を分解するトリプシンっていう消化酵素を阻害する物質が入ってて、お腹壊してしまいますねん、って生物の先生が言ってたような。加熱しないとお腹がぴー(pea)、って豆だけに。。。下品ですんません。
卵黄とオリーブオイルと塩とワインビネガーでマヨもどき。(オイルと卵黄先に混ぜといて、あとからビネガー)
しゃかしゃかともったりとして乳化するまで。
タルティーネにマヨ載せて空豆載せて、ペコリーノぱらっと。。。なんかエスカルゴのパセリバターのような感じ。。。ってほど高級ではございませんが、、、相変わらずの美的せんす無い〜、ってうちわは持ってます。なんでそないなことしはりますん、うちわしりまへん、なんて(笑)。
残った空豆くんたちはペコリーノまぶして。
ちょっといいトマトが手に入ったので、そのまんまでオリーブオイルたら〜っと。
パスタは海水くらいの海塩入れた湯で茹でて、湯切りしてから茹で汁ちょろっととソースに入れて、和えて。マリネした浅蜊の身とオリーブの実も加えて、ざざっと煽って、お皿に盛って、パセリをぱらっと。
パスタソースはすこししゃぶくして、限界まで滑らかにすると薄めのパスタと相性がよくなる気がします。ほとんどトマトポタージュですが(笑)。ソースのとろみがあるので、パスタはふつっと歯切れをよくした方がいい感じ。
スフォリアテッラのタルテイーネは味はそこそこいけてましたが焼きが甘かったようで食感が今ひとつ。もっとしっかり焼いてパリサクッとさせないといけなさそう。ま、少し感覚が掴めたんで次はもそっとまともに、、、なるかなあ。
今日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございます。
明日からも素敵でありますように。
夕焼け。だんだん夏空の雰囲気。
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