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住宅対象侵入窃盗が多い?
近年住宅などに侵入してくる窃盗犯が多くなっているというが・・・その実態はどうなんだろう・・。
|侵入犯罪とは
侵入犯罪とは、住宅などの建物に侵入して行われる犯罪。
そのなかで、
〇 凶器等を使うなどして家の人を脅してお金や品物などを強奪すると「侵入強盗」
〇 凶器等を使用せずにお金や品物を盗むと「侵入窃盗」
〇 正当な理由がないのに家などに侵入した場合は「住居侵入」
をいう罪になる。
|住宅対象の侵入窃盗
住宅を対象とする侵入窃盗には大別すると、次の3つの手口があります。
「空き巣」:家人などが不在の住宅の屋内に侵入し、金品を盗む手口をいう。
「忍び込み」:夜間、家人などの就寝した頃を見はからって住宅内に侵入し、金品を盗む手口をいう。
「居空き」:家人などが昼寝や食事をしているすきに住宅内に侵入し、金品を盗む手口をいう。
この三つをまとめて「住宅対象侵入窃盗」といいます。
|住宅対象侵入窃盗の例
● 現金、預金通帳、貴金属、カード、パスポートなどの大切な金品を盗む。
● パソコンや電化製品などの窃盗。パソコンの場合、住所録や家計簿などの個人情報もいっしょに盗まれる。
● 犯人と鉢合わせになると強盗に変身。とっさに家の中にある包丁などを使って強盗に変身することもある。
● 留守宅での待ち伏せ。帰宅するのを待ち伏せして、キャッシュカードを奪って暗証番号を聞き出して現金を引き出す。時には女性への暴行に及ぶこともある。
● 侵入されたことで、その先も「部屋を荒らされた恐怖感」、「再び誰かが侵入してくるという不安感」が残る。
|認知件数
刑法犯認知件数は、平成14年には約285万件だったが、その後、平成15年からは減少に転じ、令和3年まで減少しつづけ戦後最少となった。
しかし令和3年からは連続して増加し令和5年は70万3,351件と前年比17%増加している。
このうち、住宅を対象とした侵入窃盗(住宅対象侵入窃盗)の認知件数については令和5年は1万7,469件と増加(前年比11.3%増加)に転じた。
特徴的な点をあげると
〇 一日当たり約48件発生、未だ多くの住宅が被害に遭っている。
〇 侵入窃盗の発生場所別では、一戸建住宅が30.5%と最も多い。
次いで一般事務所が9.7%で生活環境営業が8.1%となっている。
〇 侵入窃盗の手口別の認知件数では、空き巣が最も多く、約1/4を占めて
いる。
という状況が見られる。
また、近年、宅配業者を装う、窓ガラスなどを破壊して住宅に押し入るなど悪質な手口による侵入強盗事件が発生している状況にある。
|侵入窃盗の検挙状況
侵入窃盗の検挙件数と検挙人員は、平成15年以降、認知件数と同様に令和4年まで減少してきたが、令和5年の検挙件数は2万3,182件と前年比+4.7%、検挙人員は5,381件で前年比+9.9%とそれぞれ増加している。
|おわりに
住宅対象侵入窃盗は、バールやドライバー、金槌などの窓などを破損するための侵入用具を持っていることが多いことから、強盗などの凶悪犯罪に至ることもある。
戸締まりはもちろんだが、あらかじめ窓ガラスを強化ガラスにしたり、シャッターを付けたり、破損防止のシールの貼付、防犯ブザーなどの防犯装置などを設置するなどの対策を講じることも大切です。
参考資料