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アナリストになるための条件

現在サッカーアナリストという言葉が日本でも普及していき、年々Jリーグでもこの肩書をもつスタッフが増加しています。今年では、5人ものアナリストを抱えるクラブも出てきました。アナリストという言葉がサッカー界で浸透してきた中でアナリストになりたいと思う人も多くなっていくでしょうし、このような傾向が続けばアナリストを雇用する需要も今まで以上に高くなっていくでしょう。私もアナリストになりたいと思った一人として、日々分析スキルをあげようと努力しています。しかし、”分析”といってもたくさんの種類がありますしアナリストの仕事は、分析だけではありません。では、アナリストになるにはどのようなスキルが必要なのでしょうか?このような疑問を答える方法として、相手側の視点を持つ事は重要です。実際に雇用する側のクラブはどのような人材、スキルを求めているのかを考えることによってアナリストに対する理解も深まりますし、アナリストになりたいを思う方にとっても具体的な努力の仕方が見えてくるのではないでしょうか。本記事では、イギリスのアナリストの求人(Jobs in Footballを使用)に基づいて、募集要項の中から必須条件や歓迎条件を見ていきながら必要なスキルまたは資格を紐解いていきましょう。


分析ソフトウェア

アナリストのタスクとして大きい割合を占めるのは分析ソフトウェアを使い対戦相手または自チームを分析することです。そのため、クラブが使っている分析ソフトウェアを理解していることが非常に重要です。特に、プロクラブの大半がHudlスポーツコードを使用しているため、スポーツコードを使用した経験を持っている人は重宝されます。求人の中でも、分析ツールの説明欄に”Hudlスポーツコードが使える、または使った経験がある人”のように名指しで書かれていることが多く需要の高さがうかがえます。また、2つ目に記載が多かったのがChyronhego Coach Paintでした。こちらは、映像にエフェクトを入れるのに特化したソフトウェアのようでミーティングなどで使用されることもあります。

しかし、このようなソフトウェアは個人での契約はほとんどできないためこれらを扱えるクラブに所属し使用する経験を得ることが必要になってきます。

データソフトウェア

プロのクラブはそれぞれデータ会社と契約をしており、そのプラットフォームを理解している必要があります。特に有名な3社は、ワイスカウト、Opta(スタッツパフォーム)、スタッツボムです。この中でも、種類がありイベントデータに基づいて実際の映像に紐づけているデータ会社の例が、ワイスカウトです。またそれに加え膨大なデータやトラッキングデータを抱えるスタッツボムがあります。特にスタッツボムは、膨大な生データを扱い処理しなければいけないためより知識が必要になってきます。しかし、スタッツボムの需要も高くなってきておりこれを扱えるアナリストは需要が高いでしょう。また、データスタッツボムは、データを無料開示しているので、試したい方がいれば今からでもデータを扱う練習ができます。


BI ツール

BIツールとは、企業が持っているビックデータを分析し可視化できるツールのことで一般的にビジネスで使われるものです。しかし、サッカーも同じように大量のデータが存在します。アナリストはこのようなツールを使い、データを可視化しコーチや選手に理解しやすいかたちで情報を提供しなければなりません。データ会社から取得したデータをどのように加工するかもアナリストの能力の一つです。サッカー界で使われるBIツールは主にTableauやPower BIでありこの二つが特に求人に書かれていることが多かったです。Tableauは、認定されている学校の学生であれば無料で使用することができます。


プログラミング

現在、サッカーアナリストの要項にプログラミングの要項が入ってきています。前述したスタッツボムなどのデータを扱うためにも必要になってくるプログラミング言語 Python または Rの知識を認識し使いこなさなければいけません。プログラミングは、上記の知識に比べ得ると優先度は落ちますが、今後アナリストがより専門化された職業になっていくことを予測するとプログラミングが必須条件になっていくかもしれません。


ドローン操縦

現在、練習風景をドローンで撮影するクラブが多くなっています。練習や試合の撮影は基本的にアナリストの仕事ですので、ドローンの操縦はアナリストのタスクになります。そのため、ドローンの操縦ができるかどうかは考慮される点の一つのです。実際に、いくつかの求人には "ドローンを操縦できる" という項目がありました。イギリスではドローンの操縦に免許が必要になるので、取得する必要があります。


プレゼンテーションソフトウェア

基本的な、コーチまたは選手へのフィードバックやミーティングは映像よりもスライドで行われることが多いです。ですので、パワーポイントやキーノートをなどの機能を理解し適切に使用する必要があります。何を見せるかも重要ですが、どう見せるかは過小評価されているのではないでしょうか。スライド一つでも、どのように見せるのかアニメーションは使うのかなど相手側に立って理解してもらいやすいようなスライドの作成方法とそれに伴う知識が必要になってきます。


指導者ライセンス

アナリストでも、指導者ライセンスを持っていることを必要事項に入れている求人が多くあります。指導者ライセンスを求められた場合、最低でもUEFA Cライセンスを持っていることが必要です。現場では、現場を知らないアナリストを好まない傾向にあるようなので、このように現場のニーズを汲み取れる人材であるかをここで評価しているのかもしれません。


運転免許

サッカーという仕事の性質上、移動が多くなります。そのため、車の免許を持っていることが採用する際の考慮される点であり、必須条件に設定するクラブも多くあります。

箇条書きのようになってしまいましたが、アナリストに何が求められてるのか、どうすればプロのアナリストになれるのかを理解できたのではないでしょうか。この記事が、アナリストになりたい方の手助けになればと思います。

岸田隼之介

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