『ロスト・エモーション』(2015)
(核心や結末に関する記述あり)
全体としてはエヴゲーニイ・ザミャーチンの長編ディストピア小説『われら』やオルダス・ハクスリーによる『すばらしい新世界』の影響を受けており1年先に公開された『ロスト・エモーション』を少し大人向けにした作品といったところ。
ルーカスの『THX 1138』を美男美女で描いたと言ってしまえばそれまでだが(ディストピアもの映画に高確率で出てくるトンネルはもちろんTHX 1138のオマージュ)、ロマンス色の強い映像の美しいディストピアもの映画として十分に観る価値はあるだろう。
既視感が強すぎるのか、批評家ウケしなかったようだが、私のようなディストピアものとオマージュ探しが好きな者に悪くない映画である。