終着駅 プライム・ヴィデオで視聴

後からレヴューが統合されそうだが、プライム・ヴィデオで視聴。著作権切れパブリック・ドメイン作品。以前はプライム・ヴィデオでIndiscretion of an American Wifeという、くだらないメロドラマみたいなタイトル(いや、実際メロドラマではあるのだが)の64分ヴァージョンの日本語字幕無しのものが視聴可能だった。本作品のアメリカでの評価が低いのは多くの人が、この短縮ヴァージョンで観賞したからではないかとも推測できる(私は実際に観たが、つまらなかった)。ハリウッドの大物プロデューサー、セルズニックが妻でもあるジェニファー・ジョーンズをヒロインに、イタリアのデ・シーカに演出を依頼して、ラヴ・アフェア映画をせっかく作ったのに、勝手に再編集して再公開とか、ハリウッドらしい余計なことをしたものだ。現在プライム・ヴィデオで配信しているものは89分近いので、本編はノーカットだろう。
デ・シーカにとっても大人のロマンスを撮る転機になったといえるだろう。しかし、映画ファンや評論家の中にも「ネオレアリズモの旗手デ・シーカともあろうものが、通俗的な恋愛ものを撮ったものだ」という人もいるかもしれない。しかし『靴みがき』も『昨日・今日・明日』も『ひまわり』も、本作品『終着駅』もデ・シーカなのだ。
パブリック・ドメイン作品供給会社の人は、まったく意識していないだろうけれども、映画の神様デ・シーカの誕生日7月7日直前にリリースしてくれたのも良かった。2019年7月5日に日本でレビュー済み

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