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『リッパー・ストリート』シリーズ4 (2016) ミステリー版『オリヴァー・ツイスト』
〈結末や核心に関する記述あり〉
同じ2016年に映画『切り裂き魔ゴーレム』が公開されている。時代は同じヴィクトリア朝時代、場所はホワイトチャペルのお隣ライムハウス。「ゴーレム」とはユダヤの伝承の泥や粘土でつくられた人形のようなもので、本来は主人を守るはずが凶暴化したり巨大化して制御できなくなるというような話が多い。
2012年放送のシリーズ1が1889年設定、2013年放送のシリーズ2が1890年設、2013年放送のシリーズ3は1894年設定。2016年放送のシリーズ4は1897年設定となっている。
第1話には、『ヴィクトリア女王 最期の秘密』(2017)の主人公でもあった、ムンシことアブドゥル・カリムが登場。彼も実在した人物である。
第4話で輸血の話が出てくるので、ゴーレムの正体はコナン・ドイルの『這う男』的なものを予想したが、ミス・ディレクションであった。
第5話のテムズ鉄工所FCは実在したフットボール・クラブで現在のウェストハム・ユナイテッドである。
第6話の死んだはずの人物を見かけたというのは『第三の男』の影響だろうか。
ところでシリーズ4に限らないのだが、現在、日本のプライム・ヴィデオで視聴できる『リッパー・ストリート』は各エピソードが本国UK版より10分程度短い。前回までのあらすじの有無やエンド・クレディットのスピード等を考えても10分の差は大きいので、本編の短縮もあるのだろう。
若い頃に『オリヴァー・ツイスト』や『大いなる遺産』等のディケンズ作品に親しんだ者なら楽しめるシーズン4。