頭上の敵機「管理職必見のリーダーシップを学ぶ映画」
と言われますが、まあ70年前に作られた(設定は1942年と49年)戦争映画でリーダーシップを学ぶとか、経営者は三国志で学べとか言う類でしょう。
さて、それは別として映画はよくできています。映画は1949年のロンドンの帽子店から紳士が出てくるところから始まります(会話の内容や発音で彼はアメリカ人だと想像が付く)。通りがかった店のショーウインドウを鏡代わりに新しい帽子が似合うか確認をしていて、店の骨董品に目を留める。迷わずその品を買い求めた紳士は、列車でスタッフォードシャーへ向かい、さらに自転車で長閑の郊外にやってくる。飛行場の跡地らしき場所、どこからともなく聞こえてくる気がする『 Don't Sit Under The Apple Tree(リンゴの木陰で)』、飛行機のエンジン音、風になびく草…。この序盤の一連の演出は映画の教科書的で見事。
実機での胴体着陸シーンは伝説のスタント・パイロット、ポール・マンツによるもの。使用したB-17はマンツ自身が所有していた大量の払い下げ軍用機の一つかもしれません。映画撮影にとどまらずレースや救難活動でも数々の伝説を残したマンツだが『飛べ!フェニックス』を撮影中の1965年に死亡しました。2019年7月19日に日本でレビュー済み
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