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【短歌】会うたびに「死にたいわけじゃないけれど、次は私」と母がほほえむ

 三十年以上も子供から離れて長崎に一人移り住んでいた母は、十年以上前から介護が必要な状態となった。まだ元気に頑張っていたころ、
「早くお父さん(私の父)が迎えに来ないかな。」
と母は常々言っていた。と言ったって、別に本人は自死なんてまるで考えていなかったし、息子の立場としても、いつまでも元気でいて欲しいと思っていた。
 長崎へ越してから付き合いが深くなったご近所の老人会の親しい方々も徐々に減っていく。知人たちが亡くなるにつれて母は弱気な発言が多くなっていった。
 それでも母は悠々自適に楽しく元気に生きていた。

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鳴島立雄
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