細菌叢からの新たな気付きを通じて、新ビジョンを策定しました!
2023年11月にサイキンソーは10期目に入りました。高齢化社会による社会保障への不安が募る現在、病気を未然に防ぐ0次予防の重要性が高まっています。「細菌叢で人々を健康に」というミッションに向けて、サイキンソーは新たなビジョンを制定しました。
新しいビジョンについて
ービジョン変更で具体的にどの個所が変更したかをまずご紹介します。
こちらがサイキンソーのミッション(MISSION)、ビジョン(VISION)、バリュー(VALUE)になります。
私たちが目指し続ける「細菌叢で人々を健康に」というミッションはそのままに、ビジョンを新しく変更致しました。
<これまでのビジョン>
菌叢データから「次世代のライフスタイル」を提供するプラットフォームになる
<新しいビジョン>
細菌叢からの新たな気付きを通じて
ヒト、社会、地球環境を健康にするエコシステムを実現する
新しいビジョンでは、サイキンソーが影響を与えていきたい範囲もこれまでよりさらに大きくなったことが分かります。
今回のビジョン変更を通して、サイキンソーがどんな価値発揮を目指していくのか、それに伴い事業面ではどんな挑戦をしていくのかを、代表取締役CEOの沢井さんに聞いてきました!
noteリニューアル後、満を持して沢井さんが登場いたします!
サイキンソーのこれまでの歩み
ービジョンの変更は、かなり大きな転換だと思うのですが、サイキンソーの目指してきた歩みについて、改めて歴史を伺ってもよろしいでしょうか。
サイキンソーは2014年に創業をし、今年で10年目を迎えます。
最初に私と副社長の竹田さんで創業をしたときには、一般の方が腸内フローラを見るという文化自体がない状態でしたが、現在では「腸活」という言葉が広く浸透するようになりましたね。最近ではカルビーさんのBody Granola のように、腸内フローラの検査後にパーソナライズされたグラノーラがレコメンドされる商品の登場など、人々の腸への興味関心もかなり高くなりました。
創業前から、サイエンスやテクノロジーを事業化することに興味があり、バイオベンチャーなどで経験を積んできました。サイキンソーの創業前は、ちょうど少しずつ「腸内フローラが持つ力」に注目が集まり始め、腸には人の一生の健康を左右する力があるのではないか? 多くの人の健康に役立つ力があるのではないか? と思い、創業に至りました。
創業時から掲げている「細菌叢で人々を健康に」というミッションはこの時から変わらない思いとして、社員のみんなと共有し、目指してきました。
ビジョン変更の背景
ーこのタイミングで、ビジョンを変更した理由について伺ってもよろしいでしょうか。
創業から10期目に入り、メイン事業である腸内フローラ検査事業も軌道に乗ってきました。次は検査で蓄積した知見や経験を活かして、この技術をどう応用していくべきか?という段階にきています。そうなったときに、2019年に作成したビジョンでは私たちがチャレンジしていきたいことや世の中に発揮していきたい価値を包括できないと感じました。
具体的には、これまでのビジョンの【 菌叢データから「次世代のライフスタイル」を提供するプラットフォームになる 】の中の「ライフスタイル」という文言がフィットしないのではないかと感じ始めていました。
ライフスタイルは、直訳すると「生き方」のことで、価値観や人生観・生活習慣を含めた「個人の生き方」を意味するワードです。
10年間、ヘルスケアの業界にいて感じていることは、健康は個人の責任だけに帰着できるものではないということです。個人の健康意識を高めるといっても、実際には一人一人のヘルスリテラシーに依存するため、病気の予防まで繋げていくことは全ての人で可能な訳ではありません。
だからこそ、個人を取り巻く周辺環境全てを含めて、予防に繋がる環境をどう作るか?を大切にしていく必要があるのではないかと感じました。
思いだけでなく、私たちのビジネス全体も個人を取り巻く周辺環境全体を健康にできるよう、進化してきました。
ーサイキンソーが目指す未来についてビジネスモデルとビジョンの面から改めて教えてください。
腸内フローラ検査の検査屋さんという考えに留まらず、私たちが持つ国内最大規模の腸内フローラデータを活用して、生態系全部を健康にしていく存在になることが理想です。
具体的には、サイキンソーが腸内フローラのデータを大量に持つプラットフォームとしての役割を果たし、個人や病院の健診を通して利用してくださるユーザー様と、データを活用する食品・飲料メーカーさんなどを中心とした企業やアカデミアなどを繋げる存在になっていきたいと考えています。
データプラットフォームとして、腸内フローラデータを活用することを中心にお話しましたが、腸内細菌の解析技術は人体以外にも応用ができると考えています。今後は解析技術を応用して、土壌環境を見える化したり、家畜などから出るメタンガスの削減などに活用できたらと考えています。
個人が存在している社会はもちろん、個人や社会が存在する生態系を指す “ エコシステム “ 全体を健康にしていけるようなアクションを取っていきたいと思います。
ービジョンの中で一番こだわったポイントはどこですか?
新しいビジョンのワードひとつひとつに意味がありますが、特にこだわった部分は 3 つあります。まず一つ目が【細菌叢からの新たな気付きを通じてヒト、社会、地球環境を健康にするエコシステムを実現する】の中の「気付き」というワードです。私たちのメインのプロダクトである検査キットは、腸の状態を可視化し健康になるための行動を変えるきっかけになるものです。行動を変えて健康になってもらうための第一歩としても「認知」は非常に重要です。そのため、「気付き」というワードはこだわって入れています。
二つ目が、【細菌叢からの新たな気付きを通じてヒト、社会、地球環境を健康にするエコシステムを実現する】の中の「社会、地球環境」というワードです。サイキンソーが目指す世界でもお伝えしたように、今後は腸内フローラの解析知見を活かし、個人の健康のみにフォーカスするのではなく、個人を取り巻く社会や生態系全体の健康に貢献できるようなビジネスにも挑戦をしていきます。「個人が存在する生態系全体を健康にしていく」という決意を表明するうえで、外せない表現でした。そのため、「社会、地球環境」というワードは非常に大切な意味を持っています。
三つ目が、【細菌叢からの新たな気付きを通じてヒト、社会、地球環境を健康にするエコシステムを実現する】の中の「エコシステム」というワードです。これまでのビジョン【菌叢データから「次世代のライフスタイル」を提供するプラットフォームになる】では、「プラットフォーム」というワードがエコシステムに近い役割を担っていたのですが、サイキンソーが作るサイキンソーらしいプラットフォームは何か?と考えたところ、生態系という意味の「エコシステム」というワードが出てきました。サイキンソーが作りたい世界やこれから世の中に発揮していきたい価値は、まさにサイキンソーがあらゆるエコシステムに秘かに貢献しており、多くの人を健康にしていく未来ですね。
これからのサイキンソー
ーサイキンソーが世の中に発揮していきたい価値について改めて伺わせてください。
ビジネスの面では、これまでの知見を活かしてデータを活用していきたいとお伝えしましたが、一番は「多くの人の役に立つもの」を残していきたいですよね。どんなに画期的な技術でも、人々の役に立ち活用されないと残っていきません。
これからビジネスを加速させていくことで、多くの人の様々な意思決定の場面で、サイキンソーが秘かに背中を押せるようなサービスを展開していきたいと思います。
ー事業面では、どんなところを注力していきたいですか。
サイキンソーは腸内フローラ検査会社なので、検査事業がベースにあるということは変わりませんが、新しいビジョンでは、個人だけでなく社会や生態系全体に好影響を及ぼす存在を目指しています。
そのため、事業も合わせてアップデートしていきたいと考えています。個人を取り巻く社会や、生態系の中のひとつに企業がありますよね。既に多くの企業が、社員が持続可能な環境で仕事に集中ができるようにと、「健康経営」に取り組み始めていますが、サイキンソーが持つ知見は、健康経営の文脈でも非常に役に立つと感じています。企業が主体的に個人の健康を支援できるようになると、エコシステムの実現に一歩近づくと感じています。
また、サイキンソーが持つ腸内フローラのデータを多くの企業やアカデミアに活用してもらうことも目標ですね。サイキンソーが目指す未来の部分で、腸内フローラのデータを大量に持つプラットフォームとしての役割を果たしていきたいとお伝えしましたが、具体的には、食品メーカーさんやアカデミアなどが臨床試験を行う際や、マーケティングでのデータ利用などで活用いただけるのではないかと考えています。
例えば、腸内フローラの状態に合わせておすすめのヨーグルトがレコメンドされたり、いま摂取したほうがよい食材が提示されたり、こういった世界が実現されていくと、私たちらしく人々を健康にするエコシステムを作っていけるのではないかと感じています。
最後に、ビジョンに加えた「地球環境」に貢献していくビジネスにも注力をしていきます。具体的には、腸内フローラの解析技術を「土壌の地力の見える化」技術として応用することで、有機農法普及へ役立てるなど貢献ができないか考えています。
生態系の中のあらゆるところにサイキンソーが関わり、あらゆるものを健康にしていきたいですね。
ー社員に期待することについて改めて伺わせてください。
行動とマインド面でそれぞれ期待したいことがあります。
まずは、固定観念にとらわれずいろんなことにチャレンジをしてほしいということです。新しいビジョンを掲げるにあたり、検査事業だけでなくこれまでの知見を応用した新しい領域にもどんどん挑戦をしていくことになります。これまでの知見を活かして、人と社会をどう繋いでいくか、考えて挑戦をしてほしいと思います。
挑戦には、変化を楽しむことが不可欠です。自然界や生物学の世界でも、常に環境に対応して変化をしていく生物の方が生存可能性が高いです。これから会社のフェーズもどんどん変わっていくため、社員全員で変化を楽しみ切磋琢磨しながら前に進んでいきましょう。