大槌秀樹|分断と祈り 開催中です。
Cyg art galleryでは、7月26日(日)まで 大槌秀樹「分断と祈り」 を開催中です。
また、特別企画として実店舗展示のほかにライブサイトを同時開催しております。こちらでも作品をご覧いただくことができます。今後も更新して行きますので、ぜひ併せてご覧ください。
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大槌は1981年生まれ、東北芸術工科大学大学院修士課程実験芸術領域を修了し、現在は山形県を拠点に活動を続けています。空洞化した中心市街地や、東北に存在する消滅集落や廃村を舞台に、その中に身を投じた行為を記録。行為から生まれる事象を映像や写真、パフォーマンスなどで表現しています。
今回の展示作品は、宮城県石巻市に位置する廃道が舞台になっています。曲がりくねったその廃道は、新たな真っ直ぐに伸びる道の開発によって分断されてしまった道でした。
分断された道は基が同じ道とは思えないほど、それぞれに違う様子を見せ、自然と人工物の未分化状態にあった。それは過去になっていくさまではなく、分断されたモノと自然との未来のありようにも思えた。
展覧会に寄せて・大槌秀樹の言葉
その石巻の廃道で撮影された写真を見ると、神を自己に投影した大槌の姿がまず目に入ります。大槌の足元には車や人が通らなくなったことで苔や雑草が生えたアスファルトがあり、三角コーンの破片やブルーシート、ポイといった人工物が散乱しています。人工物が自然に浸食したのか、自然が人工物に浸食したのか、その関係性や時間軸が混乱してみえるのは私だけでしょうか。
大槌秀樹《分断された廃道とヘパイストス》(2020) より部分
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大槌は今回、「祈りとしての競技」というシリーズの映像を4点展示しています。石巻の分断された廃道にて行った、古代オリンピック競技をモチーフとしたパフォーマンスの様子を記録した映像です。
映像の中で大槌は、分断を超えて走り、狼煙を上げて自身の存在を知らせ、空に向かってシャドーボクシングをし、地球と共に回っています。
闇雲に戦う姿、祈りとしての競技を行う姿は、私にははじめ不思議に映りました。なぜ?と。
大槌秀樹「分断と祈り」展示風景
古代オリンピックは神々を崇めるための祭典でありました。そのはじまりは、戦争と感染症の流行という危機に際し、「争いをやめて、以前行っていた競技会を復活せよ」と神託を受けたこととされています。
古代オリンピックのはじまりを知って、改めて作品を見ると、私の中で闇雲さが切実さへと繋がっていきました。
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大槌が今回の展示に寄せた言葉の最後は、こう締め括られています。
現在の分断と廃道、かつての競技と祈り、近代の終わりと未来。
今、僕ができる事を行なう。
ぜひ会場にいらして、大槌の作品をご覧いただきたいと思います。
スタッフO
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大槌秀樹|分断と祈り
2020年7月11日(土)-7月26日(日)
11:00-19:00/水曜定休/来場予約制
Cyg art gallery にて
現在入場人数を一度に4名様までに制限しております。
事前にご予約をいただけますと、スムーズにご入場いただけます。
お気軽にお問い合わせください。
予約フォーム:https://cyg-morioka.com/reserve.html
お電話:019-681-8089
特別企画として実店舗展示の他にライブサイトを同時開催しております。
こちらもぜひ併せてご覧ください。
http://20200711.cyg-morioka.com
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