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運動後の呼吸を整えるには? 口すぼめ呼吸、腹式呼吸、通常呼吸を比較してみた!

皆さん、運動後に息が切れて「ハァハァ…」と苦しくなることってありますよね?特に激しい運動の後は、息がなかなか整わずにしんどい思いをすることも。そんなとき、どんな呼吸法を使うと一番早く楽になれるのでしょうか?

今回、長崎大学の研究では、**「通常呼吸」「腹式呼吸」「口すぼめ呼吸」**の3つを比較し、運動後の呼吸の回復にどのような影響を与えるのかを調べました。

そもそも呼吸法って何?

呼吸法は、運動後の回復だけでなく、日常生活やスポーツのパフォーマンスにも関わる重要な要素です。呼吸を上手にコントロールすることで、心肺機能を向上させたり、リラックスしたりすることができます。

通常呼吸とは?

普段意識せずに行っている自然な呼吸法です。特に意識して深く吸ったり吐いたりせず、無意識のうちに行われます。

腹式呼吸とは?

お腹を膨らませながら吸い、ゆっくりと吐く呼吸法。副交感神経を刺激し、リラックス効果があるとされています。

口すぼめ呼吸とは?

唇をすぼめて、息をゆっくりと吐き出す呼吸法。肺の圧を高め、呼吸の効率を向上させることが期待されます。

実験の内容

この研究では、健康な人を対象に自転車エルゴメーター(エアロバイクのようなもの)を使って運動負荷をかけた後、3つの異なる呼吸法を5分間実践してもらいました。その後、呼吸の回復具合を測定しました。

研究の具体的な流れは以下の通りです。

被験者が一定時間、自転車エルゴメーターで運動を行う。

運動後、それぞれの呼吸法を5分間実践。

呼吸の回復スピードや換気量、呼吸数を測定。

結果は意外にも…

「これが一番いい!」という決定的な違いは見られなかったとのこと。つまり、どの呼吸法を行っても呼吸の回復スピード自体には大きな差がなかったのです。

ただし、口すぼめ呼吸(息をゆっくり吐き出す呼吸法)を行った場合、呼吸の回数が減り、1回あたりの換気量が増える傾向が見られました。

これはどういうことかというと、口すぼめ呼吸をすることで、呼吸が深くなり、1回の吸気と呼気の質が向上する可能性があるということです。短時間で回復するわけではないものの、呼吸の効率が良くなることが考えられます。

呼吸法のメリットとデメリット

それぞれの呼吸法には特徴があります。

通常呼吸は特に意識せずにできるので簡単ですが、呼吸の効率を高めるには向いていません。一方、腹式呼吸はリラックス効果があり、ストレスを軽減するのに役立ちます。ただし、慣れるまでに時間がかかる場合があります。口すぼめ呼吸は、呼吸数を減らしてより深い呼吸を促す効果が期待できますが、こちらも最初は意識して行う必要があります。

じゃあ、どの呼吸法を選ぶべき?

結論として、運動後の呼吸困難を早く回復させるために特定の呼吸法が有利というわけではないようですが、口すぼめ呼吸は呼吸パターンを整えるのに役立つ可能性があります。

特に、運動後に息が乱れやすい人や、呼吸を落ち着けたい人には、口すぼめ呼吸が有効かもしれません。

また、腹式呼吸はリラックス効果があるため、運動後のストレス軽減にもつながる可能性があります。通常呼吸のままでも問題はありませんが、少し意識することでより効果的に呼吸を整えられるでしょう。

実際に試してみよう!

それでは、簡単に実践できる呼吸法のやり方をご紹介します。

口すぼめ呼吸の方法

鼻からゆっくり息を吸う。

唇をすぼめて、ストローを吹くようにゆっくり息を吐く。

吐く時間を吸う時間の2倍にする(例:4秒吸って8秒吐く)。

これを数分間繰り返す。

腹式呼吸の方法

お腹に手を当て、鼻から深く息を吸い、お腹を膨らませる。

ゆっくりと口から息を吐きながら、お腹をへこませる。

肺ではなく、お腹の動きを意識する。

これを5分程度続ける。

まとめ

✅ どの呼吸法でも、呼吸回復スピードには大差なし。
✅ 口すぼめ呼吸は、呼吸数を減らし、深い呼吸を促す可能性あり。
✅ 腹式呼吸はリラックス効果が期待できる。
✅ 自分に合った呼吸法で、楽に呼吸を整えよう!

次回、運動後に息が苦しくなったときは、ぜひ口すぼめ呼吸や腹式呼吸を試してみてくださいね!

引用元

「呼吸法の違いが運動後の呼吸困難の回復に及ぼす影響」
渥美美有、中田裕人、和田七海

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