【黄河源流シリーズ#054】敦煌に向けて。現在地は大柴旦。
2011年08月20日 青海省 /
砂漠の砂の上のテントは快適だった!
夜中に寝袋から脱ぎ出るほど熱かったが、
地面が柔らかいのでフカフカのベッドで寝ているようだった。
明け方から近くの高速道路工事が始まり、重機の音で目が覚めた。
テントを開けてみると工事の人たちがニコニコと手を振ってくれる。
・・・・寝起きを人に見られるのはどうも・・・。ね。
昨日の夜の暑い雲は強風で吹き飛ばされたようだ。快晴!
サクッとテントを撤収して走りだす。
上り坂からスタートだ!ついでに向かい風も。
なぁに、上り坂はいつかは下りになるし、
風はいつか止む・・・・・・・と、信じよう(笑)
・・・・3時間後。
上り坂は上り坂のまま。
向かい風は向かい風のまま・・・・。
キッツイなぁ・・・。
民家も店も何もないが、チベットと違って
舗装路だからそれでも前に進みやすい。
4時間後に峠に到着!
おっ!下り坂が見えるぞ!
で、下り坂になったはずなのに、
必死に漕がないと下れない程の向かい風・・・。押すよりましだな。
下を向いて必死に下っていると、
「Hey!」と道路の反対側から声を掛けられた。
お互いに不慣れな英語で情報交換。
彼曰く、
「次の町以降は公安がいて、自転車をバスに乗せられてしまうよ」と。
・・・・ここもか。
どうやらミサイル発射基地があるらしい。
彼は僕が向かう「敦煌」の町を出たとたんに公安に捕まり
強制的にバスに乗せられてしまったらしい。
そして「大柴旦」という村まで来て一泊したそうだ。
「大紫旦」はまだ40km先だ・・・。
うぅぅぅ。何とかならんかな?
因みに彼は、昆明に向かい、その後マレーシア半島を
縦走してから最後はオーストラリアに行くそうだ。
西安から暫く一緒に走った「李じぃさん」と言い彼と言い・・・
本当に健脚だわな。
この風と上り坂では、40kmに5時間はかかりそうだ。
今日は彼の泊まった「大柴旦」までだな。
で、きっちり5時間後に到着。
村の入り口。敦煌まで335km!
頼む!公安行かせてくれ!
村に着くと、何やら新しいニオイが?
どうやら、出来たばかりの新しい村のようだ。
マンションもレストランも全部新しい。
国道沿いには、トラックが100台くらい止まっている。
聞いてみたら、敦煌からこの村まで修理する場所がないらしい。
何はともあれ腹ごしらえだ。
新しいレストランに入る。幸い隣には旅館がある。
レストランの主人にこの先の情報を聞いてみるが、
彼は全く知らないそうだ。
隣の旅館は出来たばかりで綺麗だという事だけ分った。
食べるものを食べて、旅館へ入ってみた。
なかなか綺麗そうだし、24時間温水が出る?!
そりゃぁ素晴らしい!
しかし、安心してはならない。部屋を見るまでは!と、
部屋を見せてもらったら確かに新品!しかも安い!という事で
今夜はここで・・・・・・と、うまく行くはずが・・・・。
パスポートを見せた瞬間に「外国人はダメです!」
・・・・・ホラね。
やっぱりこう言うオチがあるんだよね。
そんな事ではメゲなくなりました。
次、行きましょう!
教えてもらった外国人OKの旅館へ行ってみた。
受付に行って外国人OKかどうかを確認したら、
あからさまに「面倒くさい」と一言。
「お前も面倒くさいだろうけれど、俺も面倒くさいんだ!」と、
言ってやったらニヤリとして公安に電話をかけて手続きをしてくれた。
外国人宿泊許可が下りたのは1時間後。
公安が来て、これまで走った道を聞かれて、この先の道を話した・・・・。
しまった・・・・。
つい、正直に話してしまった・・・・。
公安曰く「あ~。明日はバスに乗ってね」と一言。
ついでに「この先に検問所があるから、自転車で行っても戻されるよ」と。
あちゃー。やっぱり駄目なの?
どーしてもダメ?と食い下がったが、キッパリと「ダメ!」
理由を聞いてみたが「教えられない」とのこと。
ふぅん。つまり軍事施設って事ね。
あぁあ・・・。
ま、正直に話しても話さなくても、検問所があるならば同じ事か。
はぁ・・・・。
敦煌をゆっくり見る時間ができたという事で、ヨシとしますかね。
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飯高直人 著
『自由の教科書 夢を叶えた人だけが知っている8つの「捨てる技術」』
編集代行:DK.S