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【黄河源流シリーズ#066】新疆ウイグルにてテント壊れる
2011年09月02日 新疆ウイグル /
一晩中風は止まなかった。
ものすごい風でテントが歪んでいたのは知っていたが、
朝起きると支柱の一か所が裂けるように折れてしまっていた。
かろうじてテントの形は留めているが、
この先これでは使い物になりそうもない・・・。
この2ヶ月間、随分酷使したので仕方無いかな。
いくつか問題もあったのでこれを機会に買い替えるか・・・な。
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恐るべし自然の力。
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それにしても昨日の続きで追い風だ!
しかも風速15m/s!普通に漕いでも時速40kmになる。
気合いを入れると時速60km。
相変わらずの砂漠地帯だが、
それでも少しずつ民家が見え始めた。
ハミ市に近付いている証拠だ。
気分よく進んでいたのだが、
午後になると風は横風に変わってしまった。
ボーナスステージ終了・・だ。
しかし毎度のことだが
今夜はシャワーを浴びられるかと思うと、
風も苦にならない。
ブドウ畑を横目に見ながらハミ市を目指す。
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彼らは向かい風の中を進む。
昨日は35kmしか進めなかったそうだ。
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トラック野郎達は賑やかで明るい!
見事な腹まわり・・・だ。
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午後から風向きが変わってしまい・・・。
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ハミ市まであと30km地点。
葡萄畑が広がる。
17:00頃にハミ市に到着。
緑が多く今までのどの都市よりも爽やかな町。
町自体は大きくないがとにかく綺麗だ。
中心地まで走り旅館を探す。
皆が勧める方向に向かうと、ある道を境に雰囲気が変わった。
そこは中国ではなくイスラムの町の風景だった。
言葉も文字も全部。
そこにいる人たちも中国語は第二言語だ。
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女性は全員「ヒジャブ」で頭を隠す。
因みに良くテレビで見る黒い服装は「アバヤ」という。
無事に旅館(というよりもホテル!)に入り、お決まりのシャワー♪
いつも以上に砂が足もとに溜まっていた。
そしてお決まりの洗濯タイム。
これまた見事なドロ・・・。
5度洗いでようやく透明な水になるほどだった。
サッパリすると今度は腹が減る。
すぐに夕暮れの町に出て屋台を探す。
この町では普通の中華料理よりも、新疆料理が多いらしい。
ブラブラ歩きながら屋台を探した。
いくつかある屋台の中で、穏やかそうな
イスラムおじさんのいる店に決めて席に着く。
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炒め御飯と羊肉の串焼きを2本頼んだ。
辺りは週末の賑わい。賑やかに食事をしている風景が見える。
こう言う時ふと寂しくなることがある。
一人でいる事は苦ではないのだが、
なんとなく胸の奥がギューとしてくる。
出来た食事に驚いた。
これほど美味い炒め御飯はいつ以来だ?
そして羊肉!
これが羊肉か?と思わずマスターに確認するほど
ジューシーで臭みがなく、柔らかいのだ。
噂には聞いていたが、西に来るほど
これほどまでに羊肉が美味いとは思わなかった。
久しぶりに食事に感動した。
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涙が出るほど美味い!これが羊肉とは・・・。
帰り道でブドウと桃を買ってホテルに戻る。
帰った途端、睡魔に襲われた。
3日間で400km強。
未舗装路が約100kmあったので、なかなかシンドイ区間だった。
しかもあまり良く眠れなかったし。
さぁ、次はトルファン!かな?
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飯高直人 著
『自由の教科書 夢を叶えた人だけが知っている8つの「捨てる技術」』
編集代行:DK.S