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【黄河源流シリーズ#019】西寧市出発!「タール寺」(塔尔寺)も見学。走行距離60.6km
2011年06月27日 青海省 / 晴れ 最高気温24℃
よし!晴れた!
結局急きょ決めた裏ルートで青海湖に向かう事に決定!
ここまで来れば、観光名所の一つくらいはちゃんと見ておきたいし。
という訳で、「タール寺」(塔尔寺)に向かう。
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兎の上にキジ・・? 微妙に桃太郎・・?
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それぞれのマニ車には干支が刻まれていた。
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お土産を売る人たちが殆ど。
後ろの門は売人で埋め尽くされている。
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この周りを手を合わせ、お経を唱えながら回る人や・・・・
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周囲にあるこの「石」に一つずつオデコを当てて回る人がいる。
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仏教は日本では暗いイメージがある。
それは江戸時代に宗教を守るために葬式仏教にして忌た為である。
元来宗教とは暗いものではない・・・と思う。
信仰であり、魂。
乾いたチベットの中で、ひときわ明るい宗教を見た。
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日本の「ワビ・サビ」とは対照的な色彩。
人を惹きつける何かがある。
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因みに、寺の中を自転車で拝観していいということ自体、大らかでしょ?
広い敷地の中に、幾つもの寺が点在している。
僕にはどれが何なのか・・・・
分らなかったが、ここが一番高い場所だったので、来てみた。
すごい上り坂だった・・。
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マニ車は主にチベット仏教で使われている宗教道具。
チベット仏教の場合は時計回りに回転させると、
回転させた分だけ経を唱えたことと同じ意味となるそうだ。
思わずグールグル廻したくなる。。
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・・・美女に見つめられて・・・
というのは冗談で、写真を撮ってくれた方の彼女さんです。
見つめているというか、汚いものを蔑んでいるような気がする・・・。
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見学を終えて、腹ごしらえ。
それにしても観光地は何でも高いが・・・・
明らかに外国人の場合は2倍取られる。
まさかボラれるほどヌケてはいないので、しっかり現地価格で頂きます♪
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見えますかね?
「感謝西寧市交通投資建設会社援建我村新農村建設」
・・・・大体の意味は分りますね?
中国のスゴイ(素晴らしい)ところの一つ。
この村では、古い農家の修復が進んでいました。
勿論、色々な思惑や柵はあるのだろうけれど(裏金も?)、
政府と企業と地域の一体性はあらゆるところで見かけます。
「共同体」という言葉がシックリきます。
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そんなカンヤで標高3000mに到着。
因みに一番上は、総移動距離で4074km。 左上から順に・・・
*速度表示(止まっているのでゼロ)
*標高(3000m)
*時計(15:26)
*本日の走行距離(47.7km)
*平均速度(10.8km 遅っ!=終日上り坂なのでね)
*緯度経度
これは測量用に使われるGPSです。
超高精度ですよ。1m動いただけでも衛星が捉えてくれます。
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これに発信機能があれば助かるんだけどなぁ。
さぁてあと一息!という所で、チェーンが切れてしまった。
うううう・・・ついてない。
この前雨の中走った後のメンテをさぼったからだな。自業自得。
チェーン切りと予備のコマで修理。
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時間は夕方の18:30頃。道路を渡る羊ちゃん。
今日はこの辺で時間切れ。
山の北側斜面なので夜は相当寒いはず。・・・仕方無いな。
すると、そこに一人の男が!
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彼はこの辺りの羊&牛(毛牛)飼い。
彼の家(テント)は彼の後ろに見える山の麓だ。
この辺りは狼が”少ない”そうなので、泊まることにした。
彼のテントは平気なの?と聞いたら、
家には狼よりも強い犬がいるから大丈夫だってサ。
因みに彼は僕の一つ年下。
一年中ここに住み、羊と牛を育て、食べ、売って生活しているそうだ。
奥様もテント生活。
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本日のキャンプサイト。
日本に居た頃には、休みのたびにこうしてキャンプしていたけれど、
中国に来てからは初めてか・・・。
微妙に傾斜になっているけれど、ま、いっか。
傾斜を下ると川があって、濾過すれば飲めるそうだ。
それにしても・・・羊と牛のフンだらけ!
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おっ。真新しいテント! 一人用テントは初めてだ。
今回の荷物で一番重いのだ。使わなきゃ損だね。
前室付きなので雨でも自転車を守れる。
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日が山に隠れた途端、気温が一気に下がる。
すでに気温は10℃。 インスタントラーメンを食べて、コーヒー中。
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優雅に見えるけど、実際は寒くて寒くて・・・。
あぁ・・・でも至福・・・。
ん?頭が痛くなってきたかな?と感じたのはちょうどこの時からだった。
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放牧していた羊たちを、呼び戻して戻ってきた彼のシルエット。
あれー?さっきはメタボ君だったのに・・・。こうしてみるとカッコイイ。
このムチと口笛と声を使って、上手に羊や牛を誘導してくる。
全部で300頭以上いる。
21:30頃に完全に暗くなったので目を閉じるが、頭の奥が痛む。
寒さのせいかな?と思っていたが、
結局朝までほとんど眠ることができなくなった。
呼吸が苦しい。
吐き気もひどい。
うわぁ・・・完全に高山病だ。
夜中にテントの中でのたうち回る羽目に。
薬は自転車のカバンの中。
悩んだけれど取りに外へ出た。気温2℃。
テントから出たがまっすぐ歩けない。
薬を取り出し水で飲み込む。飲み込んで天を仰いだ瞬間!
「満天の星空」を見た。
空じゅう天の川。
あまりの星の多さと近さに眩暈がする。高山病のせいか?
寒さも忘れて・・・と言いたいが、
忘れられないほど寒くてテントにひきこもる。
結局ウトウトしたのは、日が出てからだった。
--
飯高直人 著
『自由の教科書 夢を叶えた人だけが知っている8つの「捨てる技術」』
編集代行:DK.S