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【黄河源流シリーズ#014】甘粛省は蘭州&江蘇省は蘇州一時帰省

2011年06月21日 蘇州 /
6/11-21 甘粛省は蘭州&江蘇省は蘇州一時帰省

蘭州が思いがけず大都会だったのは幸いだった。
西安から蘭州に車での間、東から西に向かう
旅チャリダーやバイカーの話を聞くうちに、
装備の充実と軽量化をしないと駄目だとつくづく感じた。
西安でもずいぶん軽量化をしたけれどまだまだ絞り込めそうだ。

特に衣類については徹底的に軽量化できそうだが、
これから先の寒さ対策にはある程度
良いものを持たなくてはならない。

軽量化すればその分水や食料を積み込める。
この先の道を考えれば1gでも装備を軽くして水を持ちたいくらいだ。

更に蘇州で大変お世話になった方が日本に帰任される事になり、
どうしても最後にお会いしたいという思いと、
個人的な用事もあるので蘇州へ一時帰省することにした。

蘇州に戻る為に空港に向かい、そこでちょっとした発見があった。
あいにくフライトが1時間ほど遅れてしまい、
その間ロビーにいた時のこと。

気がつけば欧米人がチラホラ。
ターバン巻いた人もいる。

市内では外国人など全く見かけなかったが、空港には意外と多い。
時間もあったので一人の恰幅のいい(要はこれすれロール?)
おじさんに声をかけてみた。

彼はドイツ人で蘭州にある特殊ポンプメーカーの責任者だった。
彼が蘭州に来るのは年に30日ほど。

一年のうち9カ月はアジアを飛び回り、2ヶ月は本国で仕事だそうだ。
素朴な疑問として聞いてみた。なんで蘭州に?

答えを聞いてなるほど。納得。

「極東にいる日本や上海からすれば蘭州は西の果ての片田舎だが、
 欧州から見たら中国の玄関口だ」と。

思わず笑ってしまった。そうだ。地球は丸かった(笑)

そこへアメリカ人も登場し3人で談義した。
アメリカの彼も経営者。
興味があったので、彼らの社員の給与を聞いてびっくり。

なんと、上海や蘇州の2倍以上なのだ!

何度も聞きなおしたが、ワーカーレベルでも4000元以上だと。
彼ら曰く「労働力不足?なんだそりゃ?捨てるほど人材は集まる」
とのこと。いやはや・・・参りました。

更に日本式の経営についても随分研究しているようで、
散々痛いところを突かれてしまった。

耳にたこができるほど言われている現地化が
どうして日本人にはできないのか?
なんで中国人に任せようとしないのか?
彼らには不思議で仕方無いらしい。
それから経営の意思決定スピードのトロさも指摘された。
「首相の意思決定だけは早いよね!」と彼らは言ってニヤリとした。
あぁ。。。。辞めるのが早いってことね(大笑)

彼らと一時間ほどの会話で、中国という国をはさんで
対極に位置する彼らの考え方を垣間見ることができた。

彼らは中国をとても尊重していたのがとても印象的だった。
日本ではどうなのだろう・・・。人間関係も国際関係も同じだな。
価値観なんてなかなか合うものではない。
合わないからこそ尊重するべきなのだ。

そんなかんやで飛行機に乗り込む。
1.5か月かけて走った距離を、わずか4時間で戻ってしまった。
蘇州は雨。ジメついた湿度がまとわりつく。

久しぶりの家庭料理。

あぁ・・・・・美味い!

とにかく食べまくる。

2合の御飯でも足りないほど食べた。
それからお世話になった師匠の送別会。
友人のイタリアンレストランで開催。あぁ・・洋食なんて久しぶり♪
ここでも食べまくる。

別れは悲しいが、また日本で必ず会う事を約束した。
師匠は帰任後大変な責任を負う仕事をされるのだが、
生涯をその会社で過ごし、会社のためを第一に考えてきたからこそ
責任を負う立場になるのだと話してくれた。

その中でも「責任をとるということ」については諸論ある中で、
ひときわ自分に響いた言葉だった。

それは「認める」という事。

責任の取り方にはいろいろあるあると思うが、
「過ちを認めること」無くして責任はとれないのだと。

一経営者として、今までもこれからも
それなりに意思決定をしているわけだが、
自分で決めた事の過ちを認めるというのは少なからず勇気のいること。

師匠とは3年ほどいろいろな機会にお話をさせて頂いたが、
懐深く私のような小僧をバカにせず真面目に話をしてくれる方だった。

ご夫婦ともに親しみやすい方で、
自分もあのように歳を重ねたいとつくづく思う。

40歳を超える今、会社を辞めてしまうと、
目指すべき人物というのを見失ってしまうのではないか?と不安になる。

不安だから勉強するが、果たしてそれで正しいのかどうかは分らない。
どうせ正解などないだろうけれど・・・。

だからこそこの旅の中でも沢山の人に会って話を聞きたいと思う。

中国にきて5年。
良い友人に恵まれたとつくづく思う。

自分には何ができるのだろうな。
親しくさせていただいている大阪出身の
大らかな総経理と工場長のお二方とも会食した。

底抜けの明るさの中に大変な苦労を重ねているのだと感じるが、
私の旅をとても応援していただいている。
仲間との食事はこんなにも楽しいものだったのかと思えた。

普段が楽しくないわけではないが、
旅をしていると色々なことにありがたいと感じることが多くなる。
食事ひとつ、言葉一つ、何でも一人ではできない事ばかり。

あぁ・・・幸せだなぁって思える。

ところで、前述の師匠にお願いして「スタンガン」を調達してもらった。
旅の途中に住む住人が言うには、
この先にオオカミ地帯があるそうだ。

ちょうど・・・野宿するあたり。
重いものは持てないし・・・という事でスタンガン!でもこれ、
刺し違えて当てないと効果ないからなぁ・・・。

これを使うということは、
オオカミさんとつかみ合っているということだよな・・・。

大丈夫かな?俺。。 

とりあえずオオカミと出会ったら・・・・
「優しく話しかけてみたら?」とヨメ。

ま、やれることは何でもやってみますけど・・・(汗)
因みにスタンガンは120元でした。

それから某日系ガラスメーカーの友人から「太陽充電器」をもらった。
電源がない場所を走るのでGPSや
カメラの充電は課題だったのだが、これで解消!
これで電池10本分を削減! さらに防寒着や靴を新調した。

蘇州にいる間はずーーーと雨!蘭州に戻る日になって晴れた(笑)
蘭州に戻り、預けておいた自転車を取りに行った。
完璧にメンテナンスされていて気持ちがいい!

蘇州で買ったものと、蘇州に送り返すものを別して
最後のパッキングが終了!

ここから先はネット環境も不安定なので、
締め切りのある記事を書き溜めして送る。

PCを入れ替えたので、ソフトを全部確認して・・・。
あっという間の一週間。いよいよ明日から第三ステージの960km。

この間に4500mを超える。
黄河の源流も見る。
オオカミにも・・・会いたくないなぁ(汗)

それにしても蘭州は気に入ったな。
旅が終わったらまた遊びに来ようっと。
観光する場所はあまりなさそうだけど。

【番外編】

※「ヘン顔」・・・あ、どっちもヘン?

※お見苦しいところを・・・。ガチガチに硬くなった太もも。

  ・・・なんでこんな写真を(笑) これで許してもらえますか?Tさん!

--
飯高直人 著
『自由の教科書 夢を叶えた人だけが知っている8つの「捨てる技術」』

編集代行:DK.S

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