ものが語る物語
NHKのニュースウォッチ9で、飲食店の苦境を伝えるいいリポートが。
読み手がディレクターというのもあって、「おっ大作が始まるぞ」という気がしてしっかりと見た。
内容をかいつまんで言うと、コロナ禍で苦境に立たされた飲食店がどんどん閉店を余儀なくされている。(この現状はとても辛い)
その飲食店の調理器具を買いとってリサイクルする会社を取材したもの。
「やめるときの方がパワーがいる」と語る、
ことし3月にオープンしたばかりのうどん屋を閉めることになった店主。
今年オープンのため持続化給付金はもらえない。こだわりの釜をせめて映像にとってとクルーに言うのだ。
使っていた人の癖が残る調理器具たち。
「前の持ち主の分も使って欲しい」と整備の担当者は言う
攻めの姿勢で新たに店を始めようと調理器具を買い求める人たち。
人々の逞しさが垣間見られる
7年続けた居酒屋をたたみ、今は耐えてやり直そうと前を向く人。
全て処分しようと思ってがお気に入りのお皿は保管した
そして
思いを引き継いでほしいとリサイクルした調理器具を販売する業者の人。
それぞれの人の思いが詰まって響き合ういいリポートでした。
と、同時に思ったのは、ものを長く使うという行為について本質的なことが多く含まれていたのではないかなということ。
捨てたらもったいない、とかじゃなくて。
まだ使えるものは整備して使う。
少し叙情的だけど、ものが巡っていくたびに、使っていた人たちの思いが蓄積されていくような。
前の持ち主の思いや、ものに関わる人たちの思いが自然に伝わるような方法はないもんかなと。
調理器具がマーケットとして成立しているように自転車もそんな風にならないかなとか思っています。
↓見逃し。30分頃からでした。