
フルリモートでの社内ハッカソンの参加者にインタビューしてみました
CyberZ CTO室のメンバーの 小川 (@ryosebach) です。
前回の記事 で、フルリモートの社内ハッカソンを開催した話について取り上げました。実際にハッカソンに参加したチームメンバーのインタビューを通じて、うまくいったところや、苦労した点などを紹介しようと思います。
インタビューを行うのは、参加者投票で選ばれた優勝チームと、社内の別プロダクトのメンバーが集まったチームの2チームです。
優勝チーム
森
Androidアプリエンジニア。ポートレート撮影が趣味でCanon ROS RとSIGMAのレンズを愛用する。
松尾
iOSアプリチームリーダーを務める。今回はAndroid開発に挑戦。2児のパパ。アクションサスペンス映画が好き。
石田
SREチームで開発チームを支える。普段はインフラ寄りの業務を行っているが、今回はデザインにチャレンジ。坐骨神経痛が最近の悩み。
森さんのチームは、OPENREC.tv の視聴体験をアップデートするような機能のプロトタイプを開発しました。機能の完成度や体験の高さから満場一致で優勝となりました。
森さんと松尾さんがAndroidの実装を、石田さんがデザインを進められていました。
--- 優勝おめでとうございました。
--- チームのまとめ方、進め方はどのようになさっていたのでしょうか?
松尾
森くんがリーダー的な形で議論のファシリテーションをしてくれました。
森
そうですね、厳密にリーダを決めていたわけではありませんが、自分が提案したアイディアだったため、積極的にコミュニケーションを行いました。
石田
その時その時に気付いたことや議論を、Slackに随時書き出しておき、朝昼夕方に行っていた定期Zoom meetingで認識を合わせていきました。
--- ハッカソンだとデザイナーが主導して議論をリードするようなイメージもありますが、どのような進み方だったのでしょうか?
石田
デザインモックなどは先行していましたが、皆で議論をしながら進められたと思います。
松尾
作ってもらったデザインに対して、コメントをし合いながら進められました。森くんが作りたい機能のイメージを強くもっていたので、それを元にすることも多かったです。
--- 事前の準備はどのようなことを行われましたか?普段と異なる技術領域の方もいらっしゃったと思ういますが環境構築と言った箇所で詰まったりはしませんでしたか?
森
アイディア出しは予め行っていました。この機能なら作れそう/難しそうというのを中心に議論していましたね。
石田
AndroidStudioが環境構築しやすく、難しかった印象はなかったです。
--- 松尾さんは普段 iOS の開発をされている中で、Android をやってみてどのように感じられましたか?
松尾
Android開発されている方だと常識かもしれませんが、最初ライブラリのダウンロードが終わる前に作業を始めようとして、ビルドが出来ないということがありました。
他にも、同じようなことをやりたくても、iOSとAndroidで少しずつ違うので、既存のコードを見ながらやり方を探してみたいなことが多かったです。
--- 石田さんは普段インフラエンジニアというなか、デザインを進めてみるというところで、難しさや面白さと言ったところはどこにありましたか?
石田
イラレやフォトショに触れることは今までもありましたが、Sketch に初めて触れました。UIに特化したツールの使い心地がカルチャーショックでした。良い意味でできることが少ないツールなのでインターフェースづくりに専念できて良いですね。
--- 普段と異なるチームで進める中で、なにか壁は有りましたか?
松尾
特に壁はなかったと思います。普段だと同じ立場で話ししながら一緒に作ることはないので。それが新鮮で良かったです。
今回のハッカソンがチームだったので技術的チャレンジがしやすくなっていてよかったなと思います。
森
自分のやりたいことなど、好き勝手言わせて頂いた気もするのですが、暖かく見守ってくれていたので感謝です。
石田
クオリティを担保するために、ここを譲れないという想いを持っていてくれていたのはデザインする上でもやりやすかったです。
森
普段以上に、全員でデザインを考えてブラッシュアップして進めていけたのは良かったと思います。
--- 今回の小さなチームでの開発経験が今後に生きそうな瞬間はありますか?
石田
プロトタイピングはしやすくなったかもしれないと思いました。気軽に作ってフィードバックしあってという流れが作れそうですね。実装面での実現可能性とデザインの検証を両方同時にできたというのは、有りだなと思います。
森
今回は交流がメインのハッカソンでしたが、こういったハッカソンを通じて機能提案を行うことも有効かもしれないと感じました。
--- iOSの開発を普段する中、Androidのプロダクトのコードを見る時間が作れたことによる、知見の広がりのようなものが今後生きることはありそうでしょうか?
松尾
iOSでも取り入れられそうな設計の工夫を知ることができ、積極的に反映していきたいと思いました。良い刺激になりました。
森
私も今後、iOSのプロジェクトからAndroidで活かせそうなところを学んでいきたいです。
--- アーキテクチャレベルでの議論が積極的に生まれるようになったのはチームを超えた技術挑戦が生んだ結果かもしれないですね。本日はありがとうございました。
別プロダクトのメンバーが集ったチーム
玉川
データサイエンティストやディレクターの役割を務める。ドラクエ10にハマり社内メンバーと良く冒険の旅に出ている。
添田
動画配信基盤チームに所属。ゲームが大好きで年末年始も7 days to die にどハマリしていた。
篠原
サーバーサイドで長期開発に携わる。任天堂公式の抽選会でSwitchがあたり、その後リングフィットアドベンチャーを日課に。
玉川さんのチームは、RustとWasmを使った技術チャレンジのある内容でハッカソンを進められていました。
--- お疲れ様でした。玉川さんは普段は「OPENREC.tv」のプロダクト開発には関わられていないと思うのですが、異なるプロジェクトに触れてみて如何でしたか?
玉川
動画周りは初めて触ってみたので、面白かったです。
最近はマネージメント等の仕事が多く、コードを書いていないのもあり、intelliJを起動するのがどれくらいぶりかって感じで、いい刺激になりました。
また、Rustを始め最近のことを知れて良かったです。
異なるプロダクトがというより、エンジニアの勘所みたいなのがだいぶ薄れていたことに苦労しました。エラーになったり動かなくなったときに、勘所をつけて調べるのが弱くなってると感じましたね。
チームのメンバーとも初めて絡んだのですが、良い経験になりました。
--- 全体的な進め方はどのように進めていかれましたか?
玉川
初期の段階で添田さんに主導してもらうのが良さそうとなり、リーダーをお願いしました。
添田
自分のやりたい機能だったため、自分が中心となって進めました。
Zoomで朝と昼と夜と定期的に集まり進捗確認をし、あとはチャットベースで疑問点を潰してきました。
メンバーがどの領域が得意なのか、どの技術に興味があるのかがヒアリングができておらず、結構雑にタスクを振るような形になってしまい、そこは反省点です。
--- 部署間の壁みたいのは感じましたか?また、普段関わらないメンバーとやる上で大変だったこと、面白かったことはありますか?
添田
部署間の壁は特にそこまで感じませんでした。
玉川
むしろ、そのほうが自然にできて良かったかもしれませんね。
篠原
部署をまたぐことによる大変さは無かったです。Rustとか新技術をキャッチアップすることが大変でしたが、学ぶ良いきっかけとなりました。
玉川
技術チャレンジの要素が強くOPENRECの既存の機能の理解が求められる内容ではなかったのでやりやすかった部分もあるなと思いました。
--- 事前の準備はどの程度進められましたか?
玉川
リモートでMTGを数回行いました。事前にランチ等も実施しておけば良かったなと思っています。時期的に難しいですが、本当であればお疲れ会もしたいですね!
--- 今回やってみて一番良かったことは?
添田
一年目の新卒でしたが、思い切ってファシリテータに挑戦できていい経験になりました。
玉川
プロダクトが異なるメンバーがいたり、新卒とベテランエンジニアという一見壁が多そうなチームでしたが、添田さんが新卒ながらしっかりと引っ張っていってくれたと思います。
「交流」と「やったことがないことをやる」という目的も達成されて良かったです。
インタビューを終えて
2つのチームをインタビューさせていただきましたが、リモート環境下でもハッカソンを通じてチームの連携を強化したり技術的挑戦をすることによる新しい気づきを得られているなと思いました。
社内のコミュニケーションが減っている / 新しいアイデアが中々生み出しづらくなっているといった閉塞感を感じる際に、リモートでのハッカソンを実施してみるのは如何でしょうか?
今後も社内活性の取り組みの事例の紹介などを更新していきたいと思います。