武田砂鉄×澤田大樹記者「森喜朗発言から1週間を振り返る」 TBSラジオ『アシタノカレッジ』(2021年2月12日)文字起こし
武田砂鉄さん(以下、砂鉄):澤田さんよろしくお願いします。
澤田大樹記者(以下、澤田):よろしくお願いします。こんばんは。
砂鉄:今週はもういろんなテレビで澤田さんの声だけ聞いたんで、あ、ちょっと本物来たぞっていう感じですよ、僕の中では。
まあ先週ね、森元総理の女性差別発言について舞台裏も含めて話をしましたけれども。結局今週も怒涛の一週間になりましたね。そして今日ね、辞任ということになりましたけれども。
澤田:先週の時点でお辞めにならないなと思ってたんですけどね。
砂鉄:その澤田さんが出た会見で、辞任するつもりはありませんというふうに言っていましたけれども、まあこの一週間どんなことがあったのかというところから振り返っていきたいと思います。
澤田:はい。先週の会見の話っていうのは先程もあったように、YouTubeにアーカイブが残ってますのでそちらをお聴きいただければなと思います。あの裏側でどういうことが起こってたかとかですね。みんな連帯して質問してたよっていう話とかをしてますので、よろしくお願いします。
で、今日行われたんですね、会見が。その前に大まかな流れを振り返って行きたいんですけども、先週の時点で森さんは謝罪を行って、IOCは「問題は終わった」とコメントしてましたよね。
砂鉄:すごく素早い反応でしたよね、IOCは。
澤田:大丈夫かって話を先週しましたよね。
で、永田町からはですね、今週も森さん擁護の声が相次いでまして、自民党の世耕参院幹事長
「森会長でなければなかなか新しい会長の下で難しい準備を短時間で進めるのは極めて困難です」という話。
萩生田文科大臣、発言自体不適切な発言とした上でなんですけれども
「今までの振る舞いでもっとも反省している時に逆にああいう態度を取るんじゃないかという思い」
これ会見についての話なんですけど。
砂鉄:これはすごいですよね。この「逆に」の使い方ってかなり斬新ですね。
澤田:これをああいう感じでやったら絶対、普通怒られると思うんですけど。すごい人だなっていうふうに改めて思いましたけどね。
砂鉄:なかなか、「言い訳力」というか擁護するかなり強引な擁護でしたね。
澤田:萩生田さん、国会答弁とかはすごい紳士であれだったんですけど、この発言はちょっといただけないなと個人的には思いました。
擁護だけじゃなくてこんな発言も出ましたというので自民党二階幹事長。ボランティアが森さんの発言以降、辞退してますよということについて問われてですね。
「落ち着いて静かになったらその人たちの考えもまた変わるでしょう」と。
「どうしてもお辞めになりたいということだったらまた新たなボランティアを募集する」と。
「追加するということにならざるを得ない」と。
砂鉄:この発言も大きく話題になりまして、この報じる写真が、マイクの持ち方がやっぱ松山千春の持ち方と完全に一緒だった。よほど夜の会合に出かけたいんだなっていう気持ちだけが伝わりましたけど。
澤田:写真いっぱい出てましたね、コラージュが。
砂鉄:石野卓球さんがTwitterで、あのデヴィッドボウイのマイクの持ち方にも似てるっていうことで。そんなことで話題になってはいけないんですけども。
澤田:一方そうなんですけれども、ドイツとか欧州連合の駐日大使館が抗議の声を上げるというTwitterを上げたんですよね。手を上げると。#genderequality というハッシュタグが付いてたりということですね。あと、#dontbesilent というハッシュタグが付いてましたけども、そういう抗議の声が上がったり、あとはスポンサーから遺憾の声がたくさん上がって来た。それから放送権を持つNBCからは、去らなければいけないという批判。これ先ほど砂鉄さんが触れられてましたけども。
国会でも野党が批判してましたし、橋本オリンピックパラリンピック大臣も批判してましたね。これ二階さんもまとめて批判してましたけども。
やっぱりボランティアとか、後は聖火のランナーが辞退したいっていう話も出てくる中で、本丸の IOC がいきなり手のひらを返したように
「森会長の最近の発言は完全に不適切であり、IOCのコミットメント改革に矛盾している」
といきなり批判をして、昨日辞任の意向を固めたと。
砂鉄:でもこのIOCが直後で「問題は終わった」ということを言っていたのに、その後でまったく真逆のことをひっくり返したってことは、多分、IOCもこんなに大きな問題になるとは思ってなかったんでしょうね。
澤田:もしくは本当に一部だけで決めたかですね、IOCの中の。あの直後の段階でやはりそのIOC委員の人が東京で問い詰める的なことを言ってたりとか。
砂鉄:朝のビュッフェで絶対問いつめますみたいなことをおっしゃってた。
澤田:コンセンサスが取れたステートメントだったかっていうのはにちょっと疑問があるなと思いました。
澤田:で、今日。組織委員会の会合があって、そこで森さんが発言するということで、森さんが何を言ったかということなんですけれども。
10分ぐらい想定してたんですね。冒頭、森会長から発言がありますということで。
「理事と評議員、そして多くの皆様に大変ご迷惑をおかけしました」
ということを言った上で
「報道されてます通り、今日を持ちまして会長を辞任致そうと思っております」
ということで。その理由の一つとして
「私がいることが妨げになるということではあってはならない」
ご自身の言ったことではなくて、私がいると邪魔になっちゃうんで辞めますよ、ということですね。
この発言自体についてもちょっと触れてまして
「これは解釈の仕方の問題だと思うんですけど」
と余計なこと申し上げたんだけどっていうことで
「意図的な報道があったんだろうと思います」
ということ言っている。
「女性蔑視だっていうことになりました」
「私は組織委員会に入ってから女性の皆さんを出来るだけ称えて来ました。男性よりもよけい女性の皆さんに発言してもらうよう絶えず努めて来ました」
ということで、私は差別する人間ではないということをおっしゃっていて、メディアが意図的に報道しただけだよということをおっしゃっている。
「誰かが、老害、老害と言いましたが、これいい言葉じゃない」
「老人も日本の国のため世界のために頑張っているので老人が悪いかのような言い方をされるのも極めて不愉快な話であります」
これ、老害って言ったのご自身なんですよね。
砂鉄:そうですよね。その一週間前の会見でそういうことをおっしゃってた。
澤田:言われてないんですけどね。
砂鉄:でも本当に、形だけ謝るべきではないと思いながらも形だけ謝ることすらしないというのが、非常に森さん的で、この『解釈の仕方』という言葉だったり『意図的な報道があったんだろう』っていうふうに、よっぽど謝るということをここまでされて来なかったんだなあということが、その10分15分でも滲み出てましたけどね。
澤田:やっぱり何が問題だったかというのが未だにお分かりになってなかったのかなっていうのは、ちょっと思いました。何ならこの間の会見よりちょっと後退してるかもしれないと思いました。
砂鉄:そうですね。でも本当に今日辞任したということからね、振り返るとやっぱり先週の会見でああいうふうに澤田さんが質問して、「面白おかしく書いてるんだろう」ってことを言って、「いやそうではないですよ。聞きたいことがあるから聞いてるんですよ」っていうあのやり取りが色んなところで報道されましたけれども、あの会見を森さんが難なく乗り越えていたら、多分IOCだって「もう終わった問題です」ってことを次にまたひっくり返しってことはなかっただろうし、そう考えたあの一週間前の会見ってのが結構、森さんにとってはキーポイントだったことは間違いないですね。
澤田:そうですね。あの20分はやっぱりいた記者たち全員がやはり元の発言おかしいですよねっていうことを、いろんな角度から問うていたと思うんですね。
砂鉄:そうですね。だから今まで通りの森さんの『会見に出てさらっとやっとけばいいんだろう』っていうのが通じなかったっていうのが、この一週間後の辞任っていうことに繋がったんでしょうね。
澤田:昨日から今日にかけてもものすごくいろんな動きがあって、いつのまにか川淵三郎さん、Jリーグ初代チェアマンですけども、あの方が後継指名と。後継指名って何だって思いましたけどね。
砂鉄:そうですよね。森さんからね。
澤田:問題があって辞める人から指名されるっていうのは何なんだっていう。それは責任を取って辞めるんじゃないのかと。
砂鉄:僕なんか急いで本を取り寄せて川淵さんの2冊読んでますから。
澤田:『独裁力』とか。
砂鉄:時間を返してほしいよ。
澤田:昨日、川渕さん3回か4回、自宅の前でぶら下りをして、ほぼ決まったかのような。
「最初は家族に反対されたんだけれども森さんの涙を見て決めたんだ」みたいな。
砂鉄:この作りが森さんとまったく一緒なんですよね。家族に聞いて賛成反対とかを聞いた。でも最後に自分が決めたんだっていう、この、何なんでしょうね。
澤田:武藤さんたちに慰留されてみたいな。職員はどうなるんですかみたいなことを言われて思い留まったんだみたいなことを1週間前に言ってましたけど、どっかで聞いた話だなと思ったらまったく同じでしたね。
砂鉄:今日ね、結果的に川渕さんは辞退したっていうことを言ってましたけれども、もう昨日僕たちは彼の家の前の囲み取材で
「これはもう人生最後の大仕事になるんだと。本当は選手村の村長だったのに、でもこれ言われとったらやるんだ」とはっきり宣言されてるんで、辞退?っていう感じですよね。
でもこの1日の間に、かつて川淵さんがどういうことを発言されてたとか、そういったことがバンと出て来て、それが結構それこそまた海外でも報道されて同じパターンになりそうだったと。
澤田:極右的な思想の持ち主だというような主旨のことが書かれたりってことがあったりだとか、あるいはやっぱり不透明さですよね。なぜ辞める人が密室で決めてしまうのか。正式なプロセス、オープンなプロセス、どんな基準でとかっていうことは一切明らかにされないまま川淵さんで決まるっていう。それおかしいよねっていう声がやっぱり挙がっていたっていうことですね。決め方のプロセスの問題として。
砂鉄:森さんを相談役に置こうっていうことも考えていたと。よくそれで乗り切ろうと思ったなというそのプランニングがそもそもかなり危ういもんでしたけれどもね。
澤田:それで今日、合同の会合の中で川淵さんから
「もし選ばれることがあっても私は辞退します」
という発言があったと。
砂鉄:でも、これもやっぱりそれだけで終わらせてはいなくて、ここまで何故そういう流れになったのかと全部透明化しないといけないですよね。
澤田:会見でもそう聞かれたんだけど、私も報道で知った的なことを会見に出た武藤事務総長はおっしゃってました。
砂鉄:だとしたらそれはもう組織としてどうかしてますよね。その事務総長が報道で知ってるっていうのはどういう流れなんだってことですからね。
澤田:会見が今日あるだろうということでですね。昨日実はクラブハウスというアプリでですね。
砂鉄:最近流行りの。
澤田:流行りの音声アプリですけども。『荻上チキSession』の放送終了後に、先週も話したと思うんですけど、前回会見前にチキさんと一緒に相談して質問を6つ位考えたっていう話だと思うんですけど、それと同じことを公開というかアプリの中でやろうということで昨日やったんですよね。1時間半ぐらいあったと思いますけども、いろんな質問を皆さんから頂き、我々もそれに継ぎ足しで大体20問くらい今日持って、よし行くぞと。
砂鉄:僕はもう何でクラブハウスなんだよと拗ねてましたよ。入れねえぞと。やる気もねえぞと。
澤田:20問くらい質問を作ったんですね。森さんが会見するかどうかまだ昨日の時点で分からなかったので、森さんがいるバージョンと、森さんじゃないバージョン、川淵さんが出て来たバージョンと色々作ってですね。今日行こうと思ったんですけど、一つとてつもないポカを私はやりまして。会見取材に申し込みが必要だということに今朝気付くっていう。ということで締め切り時間が10時だったんですけども、申し込みの。気付いたのが10時10分で。サイトがもう埋まってたんですよ。やばいと思って、事務局にかけて何とか入れてくれないですかということでお願いして、「Webならどうぞ」と。会見場、何とかダメですかと言ったら、「今もうコロナで人入れないんです」と。去年はものすごい広い会見場あったじゃないですかって言ったら、「1年延びたのでそのフロアの契約終わりました」って言われて。ああ、そういうことかと。
砂鉄:でもここで澤田大樹を入れないのはちょっとねえ。
澤田:まあそれは私のミスなのでしょうがないと。ただそこで黙ってるのも癪だなということで、中に入れる人に質問の一部を託そうという作戦にも出まして。誰かいたかというと、TBSの社会部の城島記者という女性の記者がいましてですね。後で聞いたら『Session』のリスナーだったと。これは話が早いってことで味方を付けて、こんな質問を我々は用意してますっていうので、その通りの質問をしなくていいのでちょっと見てもらっていいですかって言ったらすぐメールが返って来て、「私こういう質問しようとしてたんでこれ付け加えてします」って言ってくれてですね。ありがたい。
砂鉄:共同作業ですね。ラジオとテレビの。
澤田:ということで、会見は何があったかということなんですけども。
会見したのは事実上のナンバー2の武藤さんという元財務省の官僚の方なんですけれども、その方が会見をしたと。今日の会議で何が話されたかっていう話なんですけども、まず
「森さんの発言についていろんな人から意見が出た」と。
「厳しい意見が出て発言自体もオリンピックパラリンピック憲章に反してます」と。
「不適切で看過出来ないという話がいっぱい出た」と。
2点目が、これそもそも森さんの発言だけじゃなくて構造的な問題あるんじゃないのという話が出て、男女の比率の問題とかそういうのがあると。世界から求められてるレベルが相当低いんでそれ増やさなきゃいけないよねと。しかも幹部にも女性がいないじゃないかと。それをどうにかしましょうという話になって、ジェンダー・イコーリティ、男女平等についてのチームを立ち上げてそれを実践して行きましょうということが今日決まったと。
森さんの発言を受けてちょっと前進はしたのかなというふうに感じるようなことがあったと。
砂鉄:これ、でも具体的な数値、時期が示されてるわけではないですよね。
澤田:だからそれを積極的にやって行きましょうと。ただこれはお尻がある組織なので、要するにオリンピックまでという組織だからそこは急いでやんなきゃいけないねということはあったと。
それから問題の会長の選任なんですけども、川淵さんの例の一件があったので、やっぱり国民にとって透明性のあるプロセスじゃないと駄目ですよねと。
砂鉄:それ一回目からやれよってことですよね。
澤田:先行のメンバーを作って、そのメンバーもちゃんと男女ほぼ半々にして、アスリートをベースにした組織にしましょうと。トップは経済界からの御手洗さんという元キャノンの人を入れますけども、基本的には男女半々で先行しましょうねということが大まかに決まったということでした。
砂鉄:でも、これを組織をまた組む前にですね。次のポストっていうのが何人か候補として出て来てるわけなんで、こういった組織を作った後に誰が決まるのか分かりませんけれども誰がどうなってどういう議論があったからこういう人になったっていうのを、それこそやっぱり透明化してもらわないと困るとは思いますね。
澤田:じゃあ問題の質疑応答ということで、どんな発言があったかっていうころで、我々が託した質問に近いことをそのTBSテレビの城島記者がしてくれてですね。
先週の会見の後に出て来た話ですけども、森さん当日辞めようと思ってたけども、武藤さんたちに止められたと。何で止めたんですかっていうことを城嶋記者はもっと聞きたかったと。
それに加えてそれで森さんのこういうことが問題だから、そこについてちゃんと謝ってねっていうコミュニケーションをしたんですかという話を聞いたんですね。その追加部分はSessionチームからお願いした質問のところを引き取ってくれたんですけども。それについては武藤さんが何て答えたかって言うと
「会長があの発言をしたあの時点では、私の元には多くの関係者から会長は辞めることになると準備に非常に支障が生じるのではないか。会長の経験あるいは人脈、国際的、国内のスポーツ関係者、政治的な関係者の人脈は大事であって森会長は望ましいんだという意見が寄せられていました。そういうことを私は申し上げました」と。
ということは、その時点では問題にしてなかった人がものすごい数いたっていうことを明らかにしたんですね、武藤さん。
砂鉄:そうかそうか。だからそんな森さんの発言よりも、森さんの功績を重視しないと駄目ですよっていうことをいろんな人が言ってたってことが、武藤さんの発言によってバレてしまったと。
澤田:ということは問題にしてない人たちが組織委員会のまわりにはメチャメチャいたってことですね。
砂鉄:ましてや最初の報道の時に森さんの発言に笑う人たちがたくさんいたという報道がありましたけれども、こういった段階になっても変わってなかったんじゃないかと。
澤田:今回は1人1問に本当に最初から言われてたんですけども、城島記者は更問(さらとい)をします。
「その時点では辞任される必要はないと考えてたんですか」というふうに武藤さんに聞くと
「私の使命は大勢の皆様の意見を伝えることがその時点では私の使命。私は個人的に辞めるべきではないとかそういうことを言うのはいかがなものかというふうにはその時点で思っておりました」
ということをおっしゃっていた。
澤田:で、私たちオンラインで参加出来たのでTBSラジオも参加しました。ただここがトラップが一つあって、他の社は質問をオンラインでも社名言ってくれたんですよ。例えば〇〇通信の何とかさんみたいな。オンラインの文字打ちなんですね。打った文字を読んでくれるって言ってたんですけど、TBSラジオって一言も言われなかったんです。他の社みんな言われてるのに。我々何を聞いたかというと、
「森会長は今回の発言について解釈の問題だとさっき言っていたが、それに対して武藤事務総長は森会長のそもそもの発言でどういう点で問題だと思ってるんですか」
ということを聞きました。
組織委員会の事実上のナンバー2の人としてどう判断するか。
武藤さんはどう言ったか。
「解釈の問題ということではなくてあの趣旨は発言の内容は極めて不適切なものだというふうに認識している。会長のお気持ちというのは色々あると思うけれど、発言というのは一旦それを口にすれば、それとして理解されるべきものなので」
ということを言っていて
「その発言そのものが適切か不適切だったかというふうに考えるべきだ」
というふうに言っていると。もう1回口から出ちゃったら、もう自分の気持ちなんかどうあっても受け取られた方にその通りになるというふうに言っていると。
砂鉄:これはでも、巧妙に責任の所在をはぐらかしていますね。これを今聞くとね。
澤田:でも極めて不適切だって言ってるんですよ。それをあの時点で不適切だと言ってるにもかかわらず、あの時点でそれを森さんに伝えてないんですね。要するに引き留めたってことですからね。慰留したっていうこと。ということは武藤さんの責任って結構でかいんじゃないっていう。
砂鉄:そうですよね。だから自分の心の中では、森さんの発言はこれは問題だと思っていたが、ただ大勢の人が森さんじゃなきゃ出来ないと言っているからそういうことも申し上げたと。つまり自分の腹の中にあるけれど、それを行動に起こしませんでしたっていうことを吐露してしまっていると。これがTBSテレビとラジオの連携によって。
澤田:武藤さん何してたんだっていう話と、組織委員会周辺の人たちが本当にこのことを最初からまったく問題視してなかったってことはこの会見の2問のやり取りだけで分かるということでした。
砂鉄:でもそれを考えると、この1日2日の川淵さんを次のポストにやろうと。それは多くの国民から見たら何でそんな人なの?そういう流れなの?ってことを誰しも思いますけれど、もしかしたら中の人たちは、『これぐらいで何とかなるんじゃない?』ってもしかしたらまだ思ってたかもしれないっていうことが見えて来ますね、今のやり取りの中で。
澤田:TBSラジオは名前言われなかったので、終わった後に司会者の人、前回の森さんの会見の司会の人と同じ人だったんですけど。何でTBSラジオって言わないんですかって言ったら、「すいません忘れてた」とだけ言われました。本当かなあ。その後一言だけ他の記者の質問の時にTBSラジオの質問と同じですがって一言言ってるのでTBSラジオが質問してたということは、そこで分かっていただければと。
砂鉄:ピリピリして来ましたね、これはね。
澤田:ということでそんな会見でした。
砂鉄:でもまだ開催までにこういった機会もあるし、それこそまだ次のポストは誰になるかっていうことが重要なんでね。それもまたやっぱりもっとクリアにして行かなくちゃいけないしっていうのありますね。
澤田:メーリングリストっていうのがあるって事を今回分かって、それでちゃんとプレスリリースがあるということで、次以降、会長が新たに決まって行くというか。今日辞任表明したんですけど、辞任表明しただけだと辞任にならないらしくて、次の会長が決まらないと辞任扱いにならないのでまだ森さん会長らしいんですよ。空位っていうのが無いらしくて。
砂鉄:でもそうすると、もしかしたら何かこれからまたプラスでトラブルがあった場合は暫定の会長が対応しなくてはいけないということになるんですかね。
澤田:だからなるべく早く次の後継者を決めるという話は出ていました。
砂鉄:でも僕は本当に先ほどゲストでお話しした平尾さん(平尾剛さん)ともそういう話になりましたけれども、もちろんこの森さんの女性蔑視発言は大問題なんだけれども、ここのオリンピックに向かって来るまでにやっぱりいろんな問題がまだ宙ぶらりんになってるところがあるんで、それは一つ一つ掘り出して行かなくちゃいけないなというふうには思いますけれどもね。でも澤田さんのあの一週間前の会見からかなりの猛スピードで話が変わりましたね。
澤田:でも誤解して欲しくないのは、森さん辞めろっていうことを会見に参加してた記者は言いたかったんじゃなくて、何を問題としてるのかということ。
それから構造自体を変えなきゃいけないんじゃないかっていうことを問いたかったんですね。
そこについての答えってまだあんまり出てなくて。ただ組織委員会自体の構成比率に関してはしっかり変えて行きましょうということは今日決まったので、そこはどう実現するかっていうことは今度見て行かなきゃいけないけれども、方向性としては少しポジティブな方向に一つ動いたかなというふうには思いました。
砂鉄:一週間前の会見の後に、やっぱり森さん辞めろっていう声がすごく強くなって、その声が強くなればなるほどあの一週間前の会見がただ記者の人たちが森辞めろって言ったというふうに受け取られるところもあって、中には全文読めば違うみたいな話の中でその一週間前の会見もなぜか使われて、でも本当はそれこそ全文読めばまったく意味合いは違ってくるってことは分かるっていう。
澤田:全文読むとテレビで使ってるとこ以外が本当ひどいっていう。
砂鉄:それはもうね、今はアーカイブされてる時代でございますんで、その辺りも追ってほしいなと。それこそ先週の放送をYoutubeで聞いていただければかなり概要が分かると思いますんで是非追ってみて下さい。
澤田さん、本日もありがとうございました。
澤田:失礼しました。
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