今読んでみて、完成度の高さを感じる「地底のエリート」
<SF(113歩目)>
60年近く前の作品なのですが、完成度の高さを感じました。
地底のエリート
英語版 K.H.シェール (著)
東京創元社
「113歩目」は、K.H.シェールさんの古典作品。
「統制」されすぎた世界の怖さはまさにこの時代の作品ならでは。
米ソ対立時代の作品ですが、同様の国家は2024年にもいくつもある。
核戦争の危機、強権的国家の存在。これは書かれた1966年も、2024年も変わらない。
ここが怖い。すると、ここで描かれる地下都市の雰囲気も他人ごとではない。
核戦争のきっかけが、ちょっとあり得ないでしょう。とは思うが、それ以外はとても引き込まれる作品です。
良質な古典作品でした。