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最初の感動はこの作品「トリフィド時代 (食人植物の恐怖)」

<SF(25歩目)>
自らの原点となるSF作品に、最初の感動を思い出させてもらう。

トリフィド時代 (食人植物の恐怖)
ジョン・ウィンダム (著), 中村 融 (翻訳)
東京創元社

「25歩目」は私の中学時代、そして大学山岳部時代、そして先日と3回読んだ作品となります。

既に、古典の域のSF作品ですが、押さえるとこが押さえられていて、バランスの良いSF作品だなとあらためて感じました。

世紀の天文ショーである、緑色に輝く大流星群を皆が見ていたら、翌日には人類の殆どが「失明」していた。。。いきなり、大技で始まります。(笑)

このプロットは、結構有名でなんか聞いたことある人も多いと思います。

ここからの展開は、今も色あせない押さえるべきとこがきちんと押さえられている上質な作品に仕上がっています。まるで、日本の作品だと小松左京さんの「日本沈没」の様に、古くてもオモシロイ作品です。

著者のジョン・ウィンダムさんは、イギリスのパニックSFの偉人です。
とはいえ、同じ作者の作品を一気に読むをしたら、現代のSF者の目から見たら、「呪われた村 (ハヤカワ文庫)」しかガツーンと来るものなかったです。残りはちょっと古くて凡庸でした。では、この「トリフィド」が何故イカしているのか?

「トリフィド」がありそうで、且つ想像できる姿であったことに尽きると感じました。

この「トリフィド」のSF界への影響は大きく、その後のファーストコンタクトもののSF作品の多くは「わかりやすい異星人」(必ず、頭があって、手が2本で直立歩行。指があり、眼も耳もある)が多く出てきています。

しかし、前世紀末くらいから、異星人が人類にとって「わかりやすいはず」はないじゃないか!?とのSF者の意見が強くなり、「わかりにくい異星人」が現在主流になっています。

この「わかりにくい異星人」によるファーストコンタクトSFの読者のハードルが高くなると、読者の心に残りづらい(異形の生物って、映画・動画向きであり、テキストだと弱い)。

そこで、従来以上に現代のSFでは「愛(love)」が大切になっているのだと感じています。すると、異星に向かう宇宙飛行士は必ず男女でないといけない(従来思考だと「男女」でないと愛は育まれない)が、そこをクリアするために最近では同一ジェンダーでの「愛(love)」もわりと普通になっている。。。

SF作品だけでも、ジェンダー論が語れるようになったきっかけの一つがこの作品だと思います。

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