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恋人同士で語り合いたい「生き急ぐ」
<文学(210歩目)>
現代フランスの社会環境と愛する人を強く考えさせられる作品です。
生き急ぐ
ブリジット・ジロー (著), 加藤 かおり (翻訳)
早川書房
「210歩目」は、ブリジット・ジローさんの切ない作品。
「愛(Love)」の大切さと、過去に逡巡する人間の気持ちが抑えられた文体の中で美しく紡がれる。
そして、一昨日の「窒息の街 マリオン・メッシーナ 早川書房」と同様に、閉塞した社会階層の違い。そしてその階層による窒息してしまうような閉塞感を強く感じた。
フランスの植民地と本国の問題点。
労働者階級と都市生活者の問題点。
向上心が強く、文壇を目指す主人公(ブリジット・ジローさん)の心の動きが強く伝わる。
非常に短い作品ながら、振り絞るような作品で、読後にとても考えさせられる。
大切な人と読後語り合いました。
早川さんのチョイスは私にとってとてもいい出会いです。
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