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「貧しさ」と「家族」の濃い話「中国のはなし:―田舎町で聞いたこと」

<文学(144歩目)>
中国の田舎町の貧しい一家の話。まず資産は家族の遠心力(離散)につながらない。

中国のはなし: ――田舎町で聞いたこと
閻 連科 (著), 飯塚 容 (翻訳)
河出書房新社

「144歩目」は、閻連科さんらしい、そして閻連科さんでないと描けない、中国の地方の貧しさの話。

中国の田舎町の貧しい一家の話。殺しきれずに今の世界に踏みとどまってしまう。

この逡巡が人間であり続ける由縁でもある。

閻連科さんの作品だから身もふたもないくらいの貧困と、それに伴う狂気がある。

寓話的であるが、かなり他の作品よりもテクニカルだと思う。
細かな描写に「生きる」がまぶせてあって、貧しいながら、しかし手に手を取り合いながら、次の季節に進んでいく。最終章は圧巻です。読み心地良かったです。

発禁処分の原因は何なのだろうか?と考え込んでしまいました。
また登山好きの私としては、「はろう山脈」がどこにあるのか?常に気にかかるのですが、どこなんでしょう。

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