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戦間期の恋愛から愛を学ぶイレーヌ・ネミロフスキーの「二人」

<文学(236歩目)>
「愛(Love)」は戦間期の不安定な状態であっても、心に刺さるものが描ける。素晴らしい。

二人
イレーヌ・ネミロフスキー (著), 芝盛行 (翻訳)
未知谷

「236歩目」はイレーヌ・ネミロフスキーさんの恋愛の世界。

イレーヌ・ネミロフスキーさんの作品で、先に読んだ作品がアウシュビッツのホロコーストの犠牲者であったことが端々から伝わる作品。
対して、この作品集は今も昔も変わらない男女の切ない恋心と心境の変化を丁寧に描いている。

戦争が迫る不安定な状況で執筆されたことを差し引いても、「死」を感じて刹那に生きる男女の気持ちが繊細に描かれている。

私は次男のジルベールに感情移入してしまったけど、どの登場人物も考えさせられる生きざま。

未来なんか、誰にも見通せないのだけども、彼女の結末を知る私にはつかの間の幸せな時代に執筆されたこの作品が愛おしい。

身近に迫る戦争の足音、でもなるべく考えないようにして執筆活動を続けるが、この作品でも周辺風景として色々と取り上げられている。

不安定な主人公アントワーヌが戦間期の不安定さを反映していると感じたが、ちょっと読みすぎかもしれない。

なんとなく、「生きること」の美しさではない部分も抉り出している。

戦間期に登場した恋愛小説ですが、21世紀の今でも刺さる。こんな作品を残してくれたイレーヌ・ネミロフスキーさんに感謝したい。

またイレーヌ・ネミロフスキーさんの作品は深堀していこうと思った。

この作品がたどってきた道のりに敬意を表します「血の熱」

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