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ヨーロッパ的な本

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私の主観なのですが、ヨーロッパ的な本を集めました。
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#文芸

予想を完全に覆す結末に衝撃を受ける「NSA」

<SF(7歩目)> 予定調和型のアメリカ・日本的でなく、ヨーロッパ的な結末に衝撃を受ける…

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戦間期の恋愛から愛を学ぶイレーヌ・ネミロフスキーの「二人」

<文学(236歩目)> 「愛(Love)」は戦間期の不安定な状態であっても、心に刺さるものが…

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手塚治虫さんテイストの名作「トンネル」

<SF(234歩目)> 100年以上前の作品ですが、エンターテインメント性に優れていて、…

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とても素晴らしい読後感。愛を考えられる「TOUCH/タッチ」

<文学(232歩目)> ノーガードで読んだのですが、とてもよい時間を過ごせたと思う恋愛小…

読書ノーツ
11日前
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コロナ禍で私たちは狂信的な潔癖が社会に感染することを知った「メトーデ 健康監視国…

<文学(230歩目)> この作品は、2009年に刊行されたそうですが、コロナ禍を経た今こ…

読書ノーツ
2週間前
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新人作家とは思えない超高度で重厚なテクニック「人類の深奥に秘められた記憶」

<文学(229歩目)> この作品は、アフリカ系作家というバイアスをかけずに、そのまま現代…

読書ノーツ
2週間前
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ピュアな文体で理不尽を描く「その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか」

<文学(228歩目)> この物語はピュアだから、とても心に切り込む言葉がある。 その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか アグラヤ・ヴェテラニー (著), 松永 美穂 (翻訳) 河出書房新社 「228歩目」はアグラヤ・ヴェテラニーさんの自伝的なデビュー作品。 詩的な文体は、少女の不安からくる。 亡命しておびえながらの半生に、ルーマニアを巡る理不尽がある。 サーカス一家の描写自体がとても詩的なのですが、散文的な描写を思い描いてみると、とても重たい。 表題の「その子

重く心に刺さる自由がない世界「クルーゾー」

<文学(220歩目)> 東ドイツという、今は存在しない国の本質。 クルーゾー ルッツ・ザイ…

読書ノーツ
1か月前
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素晴らしい紀行文「ブーヴィエの世界」

<文学(219歩目)> 素晴らしい紀行文で魅了されました。 ブーヴィエの世界 ニコラ ブー…

読書ノーツ
1か月前
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描き方がとても先鋭的な作品「その国の奥で」

<文学(214歩目)> かなり実験的。でも、その後の作品につながる。 その国の奥で J・M・…

読書ノーツ
1か月前
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「約束を果たす」とは?「約束」

<文学(213歩目)> 時間があるときに集中して読みたい作品です。 約束 デイモン・ガルガ…

読書ノーツ
1か月前
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戦闘という業務は何を変えるのか?「兵士たちの肉体」

<文学(212歩目)> 「イエロー・バード 早川書房」よりも、淡々としていて、心を突く作…

読書ノーツ
1か月前
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恋人同士で語り合いたい「生き急ぐ」

<文学(210歩目)> 現代フランスの社会環境と愛する人を強く考えさせられる作品です。 …

読書ノーツ
2か月前
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階級社会の息苦しさ「窒息の街」

<文学(209歩目)> 現代フランスの鬼っ子の作品。 窒息の街 マリオン・メッシーナ (著), 手束 紀子 (翻訳) 早川書房 「209歩目」は、マリオン・メッシーナさんのデビュー作。 描きたいものを書いて、自らの考えを表明する。すごくパワーありました。 作家はデビュー作に、好きなこと、自らが関心を持つ問題を書ける。 まさに、メッシーナさんの経験が描かれている。 こぎれいで、生活しやすい集合住宅。欠けているものはチャンス。 ひどく貧しいのではない。それこそ、貧しい環境か