
鏡開きが開く部内トーク
「そういえば、今年ザイゼンまだですね?」
私は前の座席のTさんに言ってみた。
Tさんはいつも察しが良いので、私の突然な話題の振りかけにも快く答えてくださることが多い。しかし、
「. . . え?」
とよく分かってない感じだったので、さすがに
「あ〜 ぜんざいまだですね?」
と解説を加えた。私の会社では毎年鏡開きの日にぜんざいが振る舞われる。
「あー!そうですね、まだじゃないですか?」と答えてくださった。
私「ん〜でも、一昨日くらいが『鏡開き』だったと聞いたような気がするんですけど…」(アレクサから聞いたがアレクサとは言わなかった)
T先輩「えー、いや、まだだと思いますよーー」
私「ん〜、じゃあ間違いだったんですかねー、じゃあ鏡ナントカとか別の行事ってありますかね?確かに一昨日くらいがなんかだと聞いた気がするんですけど」(だって、アレクサが言ってたはずだもん!と食い下がる)
T先輩「ん〜、鏡ナントカって言ったら鏡開きしか無いと思いますけど…」
私「ん〜そうですかあ」
そう言って、私たちはしばし、業務に戻った。
カタカタ
カタカタ
…
「あ!そういえば、鏡開きって地域によって日が違うんですよー」
とT先輩。
おお!
「まあ、でもこの辺の神社さんはまだですけどね〜」
「なるほど!」(アレクサはウソついてなかったね!!)と爽快感。
地域によって日が異なる、ということ。勉強になった。
スッキリしたので、しばらくT先輩と話を続けていた。T先輩は鏡餅を家で飾っているらしい。
私「お〜じゃあやっぱり一番上にミカン?載せるんですか?」
T先輩「のせますヨ、でもあれは、普通のミカンじゃないの。もっと甘くて美味しいの、名前が思い出せないな〜」
私「え、そうなんですか?特別なんですね〜」
またしばらくして戻ってきた
T先輩が嬉しそうに私に言ってきた。
「思い出した!!ハツキミカンですヨ!!」
と嬉しそうに3回くらいハツキミカンと言いながらルンルンされているので、
「もしかして、ハツキミカンじゃなくてシンプルに葉付きミカンですか??普通のミカンに葉っぱが付いている、、、みたいな」
と言った瞬間、T先輩のルンルンの動きが止まった
「え・・・、え〜〜〜〜!!」
と焦って、課長の方を見る。課長は微笑んでいる。「そやで、知らんかったん、葉付きミカンやで(笑)」
「え〜〜〜、私ずっとハツキミカンっていう種類のミカンがあるんだと思ってた〜、でも甘いですよね、ね??」とTさん。
「普通より小ぶりで熟するように育てているから、甘いんやろな」と課長のフォロー。
夕方になって、社内メールが来た。
「17日(月)にぜんざいをご用意します。是非食堂にお越しください」
良かった。今年もある。