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女優逮捕:組対五課の筋ヨミvol.1

2019年11月、超大物女優の「S」さんが
合成麻薬MDMAの所持で逮捕された事件、
覚えている方も多いと思います。

逮捕の報道を見て、皆さんどう思いました?
「あぁ、やっぱりか。。」
「まさか!」
「別に。」
と皆さん色々な思いでニュースを見られてるかと
思います。

この事件について、ニュースとは
ちょっと違った角度でDEKAチャンネルで
語らせていただきました。
10分程度ですのでぜひ、ご覧ください!

↓↓↓

https://www.youtube.com/watch?v=GIYFMqmrq-E&feature=youtu.be&fbclid=IwAR2aOXGwUmq_IQFNWaFmdhrWt99rIdPQ9CN5MUQly6pPjkCJqAVfaH5VB-I

そして、このメルマガでは、読者の方限定で
もう少し補足して、私の思うところを
書かせていただきます。

DEKAチャンネル見て頂いたことを
前提で書きますので、
ぜひ見てから読んでください!

私が考えるに、今回の事件、
おそらく警視庁組対五課が着手前に描いていた
筋ヨミが外れてます。

それは何か。

ズバリ、簡易鑑定(尿検査)で「陰性」が
出てしまったことです。
組対五課は、絶対に「陽性」がでるはず、と
踏んでいたと思います。

薬物事件は、「所持」と「使用」ダブルで立件し
起訴に持ち込むのが捜査の常道です。

簡易鑑定で「陰性」と出てしまうと「使用」での
立件はだいぶ厳しい状況であることが窺われます。

今回の事件、薬物捜査を経験してきた身からすると
結構現場捜査の状況が推測できます。

以下にSさん逮捕に至るまでの経過を
経験から予測して書かせていただきます。
(あくまで推測、フィクションです。)

=====================

警視庁組対五課では数年前から
女優Sさんが薬物を使用している
という情報はあったものの、
具体的な状況が取れず
なかなか捜査に着手できずにいた。

そして今から数か月前、Sさんを知る
第三者の情報提供者から、タレコミが組対五課に入る。
刑事は「タレコミ」のことを「投げ」と言います。

芸能人の薬物使用に関する投げは、
組対五課では日常茶飯事。
だが、今回の投げは、いつもと違い
Sさんと近しい関係の者からの投げで
薬物使用状況や薬物の入手状況など
すべての内容が具体的かつ詳細なもので
かなり信ぴょう性のある内容の投げだった。

「いける。」

情報内容からそう判断した組対五課では、
情報提供者から沢尻さんの薬物使用に関する
アゴ(供述調書)
を取る。

「渋谷のクラブ「W」で違法薬物を入手している」

そして、組対五課はSさんの
行動確認(コウカク)
を開始する。

24時間のコウカク。
捜査員は交代でSさんの行動を
尾行・張込みし、その行動に薬物使用の
痕跡を探します。

ちなみに、組対五課など、内偵捜査を
する部署には、茶髪や金髪にピアスなど
到底捜査員に見えない風体の捜査員や
軽自動車や高級外車など、一見して
捜査用車両に見えない車など、
徹底した人員と装備資器材を使って
内偵捜査をします。

数か月にわたるコウカクの結果、Sさんは
頻繁に渋谷にある「クラブ「W」」
に通っている。クラブ内では、多幸感に
包まれた様子で踊るSさんを何度も確認。
しっかり画像で押さえている。

さらに、この「クラブ「W」」は、数日前、
渋谷署が、有名トレーダーのKを
違法薬物MDMAの所持で逮捕した場所だ。

「間違いない。Sはやっている。」

組対五課の自信が確信に変わった。
情報提供者の供述調書と行動確認結果を
疎明資料として、裁判所に
Sさんの、身体、所持品、使用車両、
そして居宅の「捜索差押許可状」を請求した。

「次にSが「クラブ「W」」に
   入った時がXデー(着手日)だ。」

違法薬物を入手、使用した直後である可能性
が高い、クラブを出て帰宅するタイミングで勝負を
かける捜査方針を立てた。

薬物事件の捜索(ガサ)はギャンブルだ。
所持、使用の蓋然性が認められても、事前に
逮捕状を取得するのは難しい。

捜索差押許可状(ガサ状)を取得して、
強制捜査により薬物を押収、又は尿検査で
陽性反応を出して、所持又は使用の裏付けを
取ってから逮捕するのが薬物捜査の鉄則だ。

すなわち、ガサで薬物が出ない、陽性反応がでないと
「空振り」に終わってしまう。

そうなると、警察のメンツは丸潰れである。
ましてや相手が芸能人ともなると
世間からバッシングされる可能性もあるし、
本人から警察が訴えられる可能性もある。
きわめてリスクが高い。

リスクを承知で着手する確信が組対五課にはあった。
そして、警視庁幹部もGOサインを出した。

11月15日(金)夜、コウカク中の捜査員から
連絡が入る

「対象(S)が居宅を出てタクシーで
渋谷方面に移動中。」

ガサ要員が一斉に現場へ向かう・・・

〈次回:職質、ガサ、逮捕編へつづく〉

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って、書いてたら現場を思い出して興奮してしまい
小説みたいになってしまいました。

しかも超長文。笑

長すぎるので、続きは次回書きます!
またお付き合いください!

ここまで読んでくれて、ありがとうございます!!
ではまた!!

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森 雅人(防犯法人ケイジケン代表理事)
ゆくゆくは元刑事が運営するシェルター、リアル「メゾン・ド・ポリス」を運営したいと思ってます!