人をおもう歌あつめ
これまでに会った人たちのことを書いておきたくてnoteを始めたような気がします。忘れないためと、誰かにその人の存在を知ってほしいために。
ところが先日、自分の足元が揺らぐような感覚をおぼえる文章を、同じnoteという媒体で何度か読むことがありました。あるときはホームレスの人たちの生活の様子を、またあるときは関西の労働者の町のことを。どちらも、邪気が無いといえばそうなのですが、あたかも異世界に紛れ込んだ自分を楽しんでレポートするような、描いている対象への気づかいに欠けた表現方法で、読んでいてなんともいえない気分になりました。
そしてここ数年の間に見聞きした、自分と異なると見なした人たちを容赦なく排除しようとする動きや事件の数々(いくつかの悲しい殺人事件を含む)についても考えました。それらの冷たさや無自覚な差別は私の中にも根深くあることを、意識していたいと思ったのです。
そんなことを考えていた折、『ジュリーの世界』(増山実 著・ポプラ社)という小説が刊行されたことを知りました。京都の河原町周辺で60年代頃から知られるようになった人物をモデルに書かれた作品だそうです。高校生の頃、ローザ・ルクセンブルグの「だけどジュリー」という曲が気になっていたのですが、つい数年前に、歌われているジュリーとその方が同一人物だったことを知りました。ぜひ読んでみたいと思います。
「だけどジュリー」を聴き返しながら、ほかにもこのように、アウトサイダーのような存在の人物についての友情や愛情をうたった歌でどんなものがあるのだろうと考えました。私の乏しい知識ではなかなか浮かびません。Twitterで呼びかけたところ、たくさんの方にいろいろな歌を挙げていただいたので、こちらにまずはタイトルとアーティスト名を載せていきます。1~3は私がまず思い出した曲です。
1.だけどジュリー/ローザ・ルクセンブルグ
2.Blind Moon/さかな
3.ハッピー/カステラ
4.ハイサイおじさん/喜納昌吉
5.Everybody’s talkin’ / Nilsson
6.エンジェル・フライ/佐野元春
7.地下室のエミリー/ジャック達
8.ニットキャップマン/ムーンライダーズ
9.教会へ行く/ペドロ&カプリシャス
10.ヘヴン/ふちがみとふなと
11.マ・ベーカー/ボニーМ
12.ベイビ-ボ-イ、レディボ-イ/ムーンライダーズ
13.The Fool On The Hill / The Beatles
14.I Know Where Syd Barrett Lives / The Television Personalities
15.こだぬきポンタ/下條アトム
16.アジアの汗 (Uncontrolled Version)、
家なき人(Uncontrolled Version)/寺尾紗穂
17.鴨川/前野健太
18.Thick As Thieves / THE JAM
19.ルーレット/真島昌利
20.クレイジークレーマー/andymori
21.ハック/ザ・カスタネッツ
22.ウキウキルーキー/THE BOOM
23.エレーン/中島みゆき
24.「地下室のメロディー」のテーマ/O.S.T
25.惡名/鉄砲光三郎
26.鼠小曽次郎吉/初代桜川梅勇
27.Underdog/アリシア・キーズ
28.ホームレスのラブソング/オラン
まだ聴いたことのない歌、歌詞を知らずに聴いていたものばかりです。これらの歌に込められた気持ち、うたわれた人々の気持ちを想像しながら聴いて、誰かが誰かに少しでも優しくなれたら、世の中に広がっていったら、と願わずにはいられません。これからもまた更新していけたらと思います。
先ほどTwitterに投稿したものを再掲します。
”子供の頃、童話「ないたあかおに」に出てくる、あおおにが気になってしょうがありませんでした。彼の残した手紙と空っぽの家とその後を想像すると、いてもたってもいられない気持ちになりました。こうした歌を聴いていると思い出しますし、いつもどこかで覚えておきたいと思います。”
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