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ある日オージーガールと出会った話


ワーキングホリデー(ワーホリ)で、親友と呼べるような友人を作るのは簡単なことではありません。自分から積極的に動かなければ、友人を作るのは難しいものです。職場で友人を作れれば素晴らしいですが、日本のような飲み会文化もなく、仕事は仕事と割り切る文化のあるオーストラリアでは、なかなかハードルが高いと感じます。

長期間語学学校に通えば話は別ですが、オーストラリアではワーホリで語学学校に通う期間は最長でも4ヶ月。多くの人は1–2ヶ月しか通いません。通学中は一緒にランチを食べたり放課後を共に過ごしたりしますが、卒業後はぱったり会わなくなるケースがほとんどです。

これに比べて、海外大学への留学ではクラスやクラブ活動を通じて長期間交流できる友人が身近におり、一緒に勉強や活動をする中で、深い関係性を築きやすいと感じます。

さて、タイトルにもある通り、どうやってオージーガールと出会ったのかというと、それは Bumble というアプリを通じてでした。日本ではあまり馴染みのないこのアプリ、言ってしまえば Tinder のような出会い系アプリです。しかし大きく異なるのは、恋人を探したいのか友人を探したいのかを選択できる点です。

このアプリの存在は、マルタに語学留学経験のある友人から日本にいた頃に教えてもらいました。その友人から“友人モードを選ぶならゲイに注意”と言われたのを鮮明に覚えています。実際、オーストラリアに来てみて、同性のパートナーを持つという文化は当たり前のものになりましたが、日本にいた頃の自分にとっては、馴染みのないものでした。実際にアプリを利用してみても、明らかにそれっぽい人は多く見かけました。

海外ではこのアプリが非常に馴染み深く、恋人を探すだけでなく友達を探したい人が多く利用していると聞きました。また、Tinderが海外でも主にワンナイト目的で使われているという話には驚きました。


メルボルンに来て1ヶ月が経った頃は主に語学学校で出会った友人たちと過ごしていました。彼らの国籍は日本、韓国、台湾、タイ、コロンビア、トルコといった感じで、いわゆる“語学学校メンツ”です。非ネイティブ同士での会話に慣れてきた一方で、英語力の向上に限界を感じ始めていました。非ネイティブ同士では、どうしても表現がシンプルになりがちだからです。まれに、なぜ語学学校に通っているのかわからないくらい英語が上手な人もいますが、そのような人はヨーロッパ出身か、あるいは特に優秀な韓国人が多い印象でした。

これは語学学校や生徒たちを非難しているわけではありません。初めての海外生活の最初に語学学校で出会った友人にはたくさん助けられましたし、日本人の友人も含めて貴重な出会いでした。ただ、一番の目的である英語力向上の観点から言うと、限界を感じ始めていたのが事実です。

そんな中、Bumbleを使ってみることにしました。
アプリを開いてみて、ひたすら左スワイプを続けていた時、ある写真が目に留まりました。その瞬間、勢いで左スワイプしそうになった手を止めました。写真からもわかるスタイルの良さと高身長(プロフィールには“5'10”、約180cmと記載)が別格でした。その人が私の初めての右スワイプでした。

数分後、マッチの通知が来たときは驚きました。自分がマッチするとは思っておらず、したらいいなくらいの感じでした。
それからアプリ内でメッセージをやり取りし、次の休日に会うことになりました。


駅で待ち合わせをし、カフェのテラス席で話しました。その日はまだ寒かったのを覚えています。実際に会ってみて話してみると、共通の関心や興味が多く、あっという間に3時間くらい経っていました。
また、来て1ヶ月ほどの私の拙い英語でも真剣に聞いてくれる彼女の姿勢に、とても嬉しく感じたのも覚えています。

それから週に1回のペースで会うようになりました。一緒にお酒を飲んだり、公園やマーケット、ビーチなど色々な場所に行きました。
彼女との会話ほど英語学習に役立つものはありません。彼女が使うフレーズやメッセージでの表現は全てが勉強になります。もっと深い話をしたいという思いが、私の英語学習へのモチベーションをさらに高めてくれました。


結局、彼女との出会って以来。Bumble は使わなくなりました。彼女が私にとって最初で最後の右スワイプ相手でした笑

クリスマスには彼女の親戚のパーティーにも招待してもらいました。家族や親戚みんなが優しく迎えてくれ、とても貴重な経験でした。
また、彼女の姉妹や従兄弟たちと会話する中で、英語のテンポ感やフレーズを浴びて、なんというかネイティブ感に浸っている嬉しさを感じていました。


海外での友人の作り方は他にも、Meet upというコミュニティや現地のスポーツクラブに参加してみたり、バーで出会った人と仲良くなったり色々あるとは思いますが、ぜひこのような友人の作り方もあるんだと知ってもらえると幸いです。

この見ず知らずの土地で、数ヶ月前には想像もしていなかったような、かけがえのない友人に出会えたことが、このワーホリ生活で一番嬉しいことかもしれません。





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