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32歳独身女の戯言
わたしは32年間 人とお付き合いしたことがない。
人間失格の冒頭
「恥の多い生涯を送って来ました。」
がある意味しっくりくる。
主人公は複数の女性と関係を持ち、その関係も複雑で
まったくもって似たような生き方ではない。
が、わたしの人生の中では「恥」が多い。
初めて恥をかいたことを思い出す。
雪の多く降る場所で育った。
小学校では雪が積もればスキー授業がはじまる。
アルペンスキー、クロスカントリーなどやらされた。
スキー授業が好きじゃなくて列になって溝を歩く?滑る?時はいつも一番後ろをついて行っていた。
その日は一段と寒くて、寒さのせいもあり無性におしっこがしたくなった。
行きたいけど行けない。
授業中であるし、なんといってもとにかく装備が大変なのだ!
まずスキーの板を外し、ごつくてものすっごい歩きにくい靴、さらに厚手のごわごわしたスキー用のジャンパー。ズボンは腰から肩までを繋ぐゴムバンドを外して更にその中に着ている服も脱いでようやく用が出せるのだ。
しかしわたしにはそんなスローモーションのような時間や猶予はなかった。モジモジしたり内股になったり。
あーー、漏れる、、、漏r
シャーーー……(実際には無音、いやジョボジョボ〜だったかもしれない)
もう中のズボンはビジョビジョ。靴もビジョビジョ。
幸いスキー用のジャンパーで外見は何事もなく。
何も無かったような顔でやり過ごした記憶はある。
しかしそのあとどう処理したのか全く覚えてないくらい消し去りたい過去だったことは違いない。
今考えれば冬が嫌いなのも雪が好きじゃないのも
これが原因なのかもしれない。
過去を振り返ったらこれが最初の恥だった。
たしか小学4年か5年かそれくらいの時。
小説の「恥」とは意味合いが違うかもしれないが
リアルの「恥」誰にも言えない「恥」
わたしはこのあともたくさんの恥をかいていくこととなるのであった。
つづく