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32歳独身女の戯言 #2

小さい頃から少女漫画を読むのが好きだったわたしは、
主人公が運命的な出会いをして、どんな展開になったとしても必ず結ばれる恋愛に憧れ、それは未だに「運命の人」に会えるのではないか、という淡い期待をほんの少し抱いたまま32歳を迎えている。
これは話したら馬鹿馬鹿しく、幻想を夢見るんじゃないよと呆れられそうで口に出したことはない。

覚えている初恋は中学1年の時だった。
周りの友達も誰かに恋をしていた。
みんながピュアだった。
今考えればなぜその子が好きだったのか、
優しかったのは確かだが見た目がタイプではない
冷静に考えたら恋じゃなかったか?とも思う。
その子の顔は今でも覚えているがほんとに謎だ。

これを初恋と呼んでいいのか分からないが、
ただ、当時は、キャーキャー言っていた。
多分周りに吊られて好きと思い込んでいただけかもしれない。

だけれど、初恋はすぐに終わりを迎えた。
わたしは中学1年の終業式後に転校した。
同じ県内だけど車で2時間半はかかるところ。

せっかくの中学の新しい友達も初恋と思ってた彼も
小学校の頃からの友達も文通友達もご近所さんも
全部が疎遠のものになっていった。

よく「離れても友達だよ!」とか「忘れないよ!」
とか散々言われたが、同じ時間を共有していないと
わたしだけ取り残されたみたいで
毎日お別れの時に貰ったメッセージを読んでは
泣いて、辛いと思って、
そこから人を信じることが怖くなっていった。

わたしは中学1年までは比較的明るい性格だと思っていたが、転校を期に思考が180度変わっていった。

転校先にて、初日の挨拶の時、同学年全員の前で紹介され、わたしだけ履いてる上履きが前の学校のもので(新しいのが間に合わなくて)何だか恥ずかしい思いをしたことから学校生活がはじまった。

新しい友達ができたものの、わたしだけ小学校も違うし、どこか違う惑星にきたような、常に輪の外にいるようなそんな感覚だった。
みんなは仲良くしてくれているようだったが、わたしは心から仲良くなれたとは思えなかった。

治安もあまり良くなくて暴れる男子もいた。
男子って怖い存在なんだってその頃は
男子があまり好きではなくなっていた。
だから誰かを好きになることはなかった。

すごく頭が悪かったが、周りが勉強出来る子が多かったから輪を外れないようにいつも話を合わせるようになった。

本当のわたしはどこにいる?
わたしの心はどうしたい?
誰を愛し、誰を信じたい?

今なら疑問を投げかけられるのに
14、15才のわたしは感情に蓋をするようになっていた。
悲しいとか寂しいとか好きとか心から笑いたいとか。

今でも中学の頃は悔いが残ったなと思う。
人生やり直せるならあの頃に戻りたいとさえ。


つづく

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