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娘のバレエと阿夫利ラーメン
先週から今週にかけて、我が家は節目のときを迎えました。
娘が6歳の頃から所属してきたダンススタジオを卒業し、よりバレエ専門のスタジオに移籍することになったのです。
そもそもバレエは、「私が子どもの頃にやってみたかった」「姿勢がよくなりそう」という薄っぺらい理由で始めさせたのですが、本人がどハマりし、かれこれ同じスタジオで8年以上踊り続けてきました。
昨日まで通った近所のスタジオは、とてもアットホームで、お友だちもたくさんいて、先生たちにもかわいがってもらい、ディズニーランドのパレードに出してもらったこともありました。
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昨年末のリサイタルでは主役のひとりとしてステージに立たせてもらえるまでに成長しました。
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せっかくスターダンサーになれたのに、スタジオを去るなんて!と、私は涙。このスタジオには感謝しかありません。
何がすごいって、経営がおきあがりこぼしスタイル。
「おきあがりこぼし」という人形をご存知でしょうか?
英語だとRoly Polly Dollと呼ばれる、あの倒しても倒しても起き上がってくるお人形のこと。
お顔は可愛らしいのだけど、そりゃもう不死身のタフなあの子ね。
私がこのスタジオに感謝してやまないのは、コロナ禍でロックダウンしていたとき、1回のレッスンも休むことなく、不屈の精神で運営し続けてくれたことです。
世界がパニックに陥っていたあの頃、アメリカも例外ではなく、スーパーマーケット以外のお店がほぼ全てクローズになったり(もちろんダンススタジオなんて真っ先にクローズ)、再開したと思えばビニールのカーテンだらけになったり、マスクと手袋着用になったり、その後屋外経営はOKになったりと目まぐるしくルールが変わっていきました。
そんなときもこのスタジオは、まさにおきあがりこぼしのごとく、次々変わるルールにその都度対応し、Zoomでのレッスンはもちろんのこと、ひとりずつベランダに呼んでレッスンしてくれたり、学校の校庭や、スタジオのパーキング、自宅の庭などなど、ありとあらゆる方法で、「うちのダンサーたちは意地でも踊らせます」という姿勢で守り続けてくれました。
学校もオンライン、お友だちにも会えない、遊びに行くこともできない、というなかなかシビれる状況において、娘が心身ともに健康でいられたのは、このダンススタジオの存在がとても大きかったと思います。
そんな感謝しかないスタジオで、主役のひとりとして踊るまでになったのに、お月謝だって倍になるし、何もまた下積みからやり直さなくても!!!
と、どうしても思ってしまったのです。
阿夫利ラーメンが教えてくれたこと
娘自身も大好きなスタジオを離れることをとても悩んでいた様子でしたが、より本格的なバレエ専門スタジオを見学に行ったとき、
「私はここに移らなきゃいけない」と感じたのだそう。
もう”秒で”。
バレエを始めたころは「とりあえずトウシューズ履いて立つところまでいけば”バレエやった感”が出るから、そこまで続けてくれたらいいなー」と、ぼんやり思っていました。
それがこんなに恵まれた環境を捨てて、「より本格的なスタジオに移る」と言い出すようなバレリーナになるとは。
本人が決めたあとも母はまだメソメソしていたのですが、週末初詣帰りに寄ったラーメン屋さんが答えを教えてくれました。
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「より、高みへ。」
実は私、ラーメンがあまり得意ではないため、AFURI RAMENはオープンからずっと気になっていたのに、来るのがこんなに遅くなってしまいました。
でももしかしたら、今だったからこそ、この言葉がこんなに刺さったのかもしれません。
当たり前のことですが、習いごとだって、勉強だって、仕事だって、
高みを目指さなければやってる意味がない。
「プロになるの?」とかじゃない。
「所詮習いごとなんだし」とかでもない。
対象がなんであれ
やるからには、より高みを目指す。
というシンプルなことだったのかと、ラーメンをすすりながらちょっと涙したよね。
私は何かがうまく行くと、すぐに現状維持を目指してしまう。
居心地のよいところに居続けようとしてしまいます。
娘は私のお腹から産まれたはずなのに、全然ちがってかっこいいな。
子育てって、やっぱり子どもに育てられるということですね。
私も今年は、高みを目指して、居心地のよさを捨ててみようと思います。
娘とラーメンに負けないようにしなくては。