海外で活かせる!日本人にありがちな特徴。
ものごとには人により「向き不向きがある」と言われています。
海外移住にも、向き不向きがあるのでしょうか。
私は米国ロサンゼルスに17年暮らしており、アメリカに移住してきた日本人を400人近くインタビューしてきました。
その中で「向き不向き」というか「海外移住すると活かせる特徴」のようなものがあると感じるようになりました。
いきなりテーマがちょっと変わっとるがな。
今日は私が「移住したからこそ活かせた」と感じている自分自身の特徴を紹介したいと思います。
ちなみにですが、移住初期にのみ有効でした。
当てはまる方がいたら、もしかして海外移住に向いているのかもしれません(私調べ)。
【移住初期に活きた自分の特徴】
☑️ NOを言うのが苦手である。
☑️ めんどくさい性格である。
☑️ 英語は得意と言えるほどではない。
NOと言えない日本人で得したこと。
家族や近しい仲間たち、また私と一緒に働いたことのある皆さまはよくご存知だと思いますが、私はNOを言うことに極度の苦手意識を持っています。
フリーマガジンの広告営業をしていた頃は、私のNOの言えなさを見かねたデキる営業くんが、
私が営業の席で「なるほど」と言ったら、「やりたくない」「NO」と思っているサインで、
「なるほど、なるほど」と繰り返したら、同行の彼が代わりにその場で案件を断ってくれるという神ルールを作ってくれたほど。
社長は私なのに、です(涙)。
採用のシーンでもNOを言えずにだれでも採用してしまうため、メンバーたちには「面接入らないでください」と言われていました。
社長は私なのに、です(涙)。
なぜそんなに、人にNOが言えないのでしょうか。
その答えはずっと「嫌われたくないから」だと信じていました。
子どもの頃からとにかく「嫌われたくない」願望が強く、
それは「好かれたい」願望とはまったく異なるものだと感じていました。
女子あるあるですが、モテると嫌われることがあるので「嫌われたくないけど好かれたくはない」なんなら「モテたくない」とすら願っていました。
まるでモテて困ったことがあるみたいな言い方になりましたが、そんな経験は一切ございません。
「好かれなくていい」でも「嫌われたくない」
めんどくせぇー。
と自分でも認識しつつ、「誰にも嫌われたくない」→「NOはできるだけ誰にも言わない」というループに自ら勝手にハマっていました。
NOを言えないために人に頼まれることも多く、やりたくない仕事もたくさん回ってきて、すぐにキャパ越えし、たいていいつもテンパっていました。
そんな私は、アメリカに暮らし始めてすぐに、自分がNOと言えなかった本当の原因に気がつくことになります。
「嫌われたくないから、NOと言えない」と長らく信じていたけれど、
本当は、、、
「ただの自意識過剰だった」という衝撃の事実。
(てか、日本でも気がつけたよね、それ。)
NOを言えない私は、アメリカに来てから(特に子育てが始まってから)1日が頼まれごとでパンパンになるくらい「頼まれ女王」に君臨することになります。
考えてみたら当然のこと。だってニコニコ系チビ(私)が、どんなことをお願いしても「おーいえい、オーケイオーケイ!喜んで♡」と連呼していたら、人は頼み倒してくるものです。
私の本にも書いておりますが、屈折3年くらいでNOを言えるコツを掴んだ(大袈裟!)NEWカナ(私)は、まだまだグローバルスタンダードにはおよびませんが、無理なときにはNOを言えるようになりました。
でも、人間関係はまーーーったく何も変わらないし、
だーーーーーーーれも気にしていないのです。
悲しいかな、ほんと私の答えなんてYESでもNOでも、誰も気にしていないのですよ。
ときどき悩んだ末に断ると、頼んだほうが忘れちゃってることすらある!!
え?待ってまって。
じゃぁ、NOと言える人のほうが海外に向いてるという話になりませんか?
それが!!私の場合は逆だったのです!
確かにYESとNOをきちんと言えたほうが、世界中どこでもシンプルに生きられると思います。
私も東京で生活していた時代は、NOと言えずに困ったことはたくさんあったけれど、良かったことなんてほとんどありませんでした。
でも、ロサンゼルスで私の英語力が伸びた一番の理由は「NOと言えずにいろいろ頼まれごとをこなしたから」だし、
素晴らしい人間関係を築けたのも、
素敵なママ友グループに入れてもらえたのも、
苦手な営業で成果を出せるようになったのも、
NOを言えずに頼まれごとをこなすうちに、成長のチャンスをもらえたことにあったのです。
NOを言えないと、人に頼まれたり、誘われたりする機会が増えます。
英語だって仕事だって、移住直後のネットワークゼロな状態から始めるわけなので、頼まれたり誘われたりすることは、とりあえずバッターボックスに入ることを意味します。
しかも、誰もホームランなんて期待していない状態で、何度もトライできるので、超お得な状態で経験値を上げられるという仕組みです。
「NOを言えない」という私の特徴は、東京ではいいことなんてひとつもなかったけれど、移住直後のアメリカではたくさんあったというお話でした。
例がわかりづらすぎたので、次にいきます。
めんどくさい性格は、LAで活かせる(私調べ)。
私には「こじらせ系」や「めんどくさい性格」の人は、東京よりロサンゼルスで生活するほうが向いているという持論があります。
ちなみにこの理論は「こじらせ系」×「英語が苦手」のかけ算で初めて成り立つのですが、私のケースではどハマりしました。
私は自他ともに認めるめんどくさい性格で、人見知りでもあるため、新しい人間関係を構築するのもまったく得意ではありません。
特に新規営業なんて、行きたくない気持ちが強すぎて、出発前によく蕁麻疹を出していたほど。
社長は私なのに、です(涙)。
そういえば高校生のとき、彼氏に「カナは、めんどくさい女になりたくないと思いすぎててめんどくさい」と言われたこともありました。
名言だな、と思いました。
その頃から自分を客観視したり、物事を深掘りして考えたりすることが好きだったため、めんどくさい思考法を自分なりに言語化すると、余計にこじれっぷりが強化するというドツボにハマっていました。
自分も含めこじらせ系というかめんどくさい性格の人って、言語化が得意というか文章にするのが好きなイメージがあります(スーパー私調べ)。
でも、私のめんどくさい性格は、ロサンゼルス生活を始めた直後にアッサリ改善することになります。
だって、
英語よくわかんない。
⬇︎
リスニングはまだしも、スピーキングがまったく伸びない。
⬇︎
自分の複雑な(つまりめんどくさい)感情について、詳しく説明できない。
⬇︎
もうダメ、シンプルに要点だけ説明するしかない。
⬇︎
あら?大事なことは伝わったみたい。
⬇︎
残りはフィーリングでわかってね。
⬇︎
あれ?残りは伝わらなくても結果は同じみたい。
このループにより、考え方というかまず伝え方がめちゃくちゃシンプルになったのです。
結果、新しい人間関係で悩むことがほぼなくなりました。
この現象を言い換えると「人間関係で悩むほどの英語力がありません」ということなのですが、まぁいいじゃないか。
せっかくなので、よいところを見ようではありませんか。
でもこれも、こじらせ系なめんどくさい性格が東京ではいいことなんてひとつも生み出さなかったけれど、アメリカではシンプルな性格になり、いいことが増えたというお話でした。
めんどくさい思考法も劇的にシンプルになる。
これは人間関係にかぎってだけでなく、めんどくさい性格のせいで足踏みしていたことが、自然にトライできるようになるという効果も生み出しました。
わかりづらいので図式化してみます。
日本にいた頃、なにか「やってみよう」と思いついたときの、私のめんどくさい思考回路はだいたいこんな感じでした。
ロサンゼルスで暮らすようになってから、英語ができないがゆえにまず伝え方がシンプルになり、伝えるための考え方がシンプルになりました。
この図はちょっと大げさすぎたかもしれませんが、基本的に「やるかやらないか」の二択しかないので、思考回路の糸がこんがらがることがありません。
さらに私の場合は、YESに進んでも失敗しまくりましたが、失敗という貴重な経験がたまっていき、成長することができたのだと思います。
黒歴史もだいぶたまったけど、まぁいいじゃないか。
この現象を言い換えると、
英語ができないため、自分の複雑な感情やめんどくさい考え方を言語化することができなかった私が、
自分のわかる英語だけで暮らしてみたら①伝え方、②考え方、そして③生き方の順にシンプルになった。
ということだと思います。
これをさらに言い換えると、
失敗によってたまった貴重な経験は、めんどくさい考え方で分析し、日本語でnoteに書いたらいいじゃないか。
ということだと思うのです。
補足:誤解しちゃいやよ。
英語について補足すると、私は「海外移住に英語力は要らない」とはまったく思っていません。
このブログでもときどき触れていますが、自分の意思で海外の国に来て、その国の言葉を話すこと、最低でも話す努力をすることは、スキルではなく、マナーに近いと考えています。
ただ「英語ができないこと」が海外移住を諦める理由にはならないし、最初は英語ができないことで得をしたこともたくさんあったよというお話でした。