“関わる誰もが幸せになる”サイボウズが大事にする、年に一度の社内イベント「サイボウズオブザイヤー」とは
あっという間に2022年も終わりに近づいていますね。年末といえば、今年一年の頑張りを表彰するイベントを開催する会社様もあるのではないでしょうか。
サイボウズにも似たようなイベント、「サイボウズオブザイヤー」があるのですが、実はこれが社内のチームワーク強化に一役も二役もかっているのです。
今回は、このイベントをつくりあげているサイボウズ感動課(※)の福西さんにお話を聞きました。
活躍した人を表彰する場ではなく、「ありがとう」をキーワードに感謝を伝える場
ーー「サイボウズオブザイヤー」とは、どういうイベントなんでしょうか?
簡単にいうとMVPを選ぶイベントなんですが、サイボウズでは“すごく売り上げをあげた人”とか“すごい開発をした人”では選ばず、 “「ありがとう」をいっぱい集めた人”で受賞者を決めています。
ただ、このイベントは、日頃お世話になっている人に感謝を伝えるきっかけになればいいなと思って企画しているので「ありがとう」を伝え合うことを一番大切にしていて、正直表彰はおまけです。笑
ーーイベントの名前は「サイボウズオブザイヤー」ですが、年末に行うこともあって社内では「年賀状」と表現することも多いですよね。
在宅ワークが進んで直接顔を見合わせないことも増えたと思うんですが、「ありがとう」のメッセージをつくっているときって、その人の顔を思い浮かべて、こんなことがあったな~って1年を振り返ることができるんです。人に感謝の気持ちを直接伝える機会もなかなかないですし、年末にお世話になった人に送る年賀状に似た機会になっていると思います。
kintoneアプリに登録する形式(※)なのも、ネット弁慶に優しい設計だといわれることもあります。笑
社内イベントで一番参加人数が多い!盛り上がる最大の秘訣は“自分起点”
ーーサイボウズオブザイヤーを企画する上で福西さんが大事にしていることは何ですか?
投票率100%を目指さないことですかね。「これは仕事です。やってください!」と言われて仕方なく書かれたメッセージは感謝とは違うと思うんです。感謝は強制するものではないので、一人一人のモチベーションを大事にしていて、それを感動課でそっと手助けしているイメージです。
このイベント、10年以上行っているんですけど、社内で行う他のイベントより盛り上がるんですよね。これは、起点が自分の行動からはじまることにあると思うんです。
何かイベントに参加するとき「よし、楽しませてもらうぞ」という受け手の気持ちが生まれることはありませんか?でも、このイベントは自分がメッセージを書くことによって、自分自身がイベントを楽しいものにする材料を出しているんですよ。
自分の行動からはじめることで勝手に自分ゴト化されるので、結果どうなったのかな~と気にするようになると思うんです。
ーー確かに、自分の行動からはじめるのとそうでないのとでは、イベントに対する心構えが違ってくる気がします。
価値観の根底にあるのは「楽しく働いてほしい」という想い
ーーこういったイベントを企画するにあたって福西さんを動かすモチベーションは何ですか?
「楽しく働いてほしい」という想いが根底にありますね。これってチームワークのど真ん中にあるようなことだと思っています。
Cybozu Days 2018のテーマにもあったと思うんですけど、「楽しいは正義」という言葉が好きなんです。もちろん、しんどい時に感動が生まれることもあるし、僕も昔は「感動=泣く」だったんですけど、今は「楽しい」は必ず入れたい要素です。まぁ年々変わっていくと思うので数年後どうなっているかはわかりませんが。笑
最近、社長の青野さんも新人さんと話すとき必ず「楽しい?」って聞くんですよ。
ーーそんな福西さんが日頃、業務する上で大事にしていることはありますか?
人を楽しませるには、まずは自分が楽しまなきゃできないんですよ。自分が満足できないものは人も満足させられない。
自分がいいなって思うものにしようとしているので、誰よりも楽しんでやってますね。
感動課として一番何を頑張っているかというと、「自分も楽しむこと」だと思います。
“見てくれない通知”の中身を工夫するのではなく、別の手段を考える
ーーこのイベントを行うにあたりサイボウズ製品をどのように活用していますか?具体的な工夫やポイントがあれば教えてください。
「通知見てくれない問題」皆さまの会社にもありませんか?サイボウズにもあります。全員に通知しても見てくれないんですよ。たまに「通知を開いたところに出る文章や概要をわかりやすくしたら読んでもらえるよ」と言われるんですけど、見てくれない通知の中身を工夫してもあまり意味がないと思うんです。
なので、僕は通知という方法を諦めて、別の方法で周知しています。
たとえば、社員みんなが一日のスケジュールを確認する際に必ず見るGaroon のトップページに出したり、アイコンを追加したりしています。
また、社員みんなが興味のあるところから攻めることもあります。
例えば社長の青野さんのピープルでつぶやいてもらうとか、わかりやすいメリット(例:参加すると○○もらえます)を出すこともしています。
ここでポイントになるのが、必ず投票アプリを開いてもらう仕掛けにすること。
例えば、このイベントに参加する社員向けにグッズをつくったのですが、そのグッズ配布希望を出すアプリと投票アプリが一緒になっています。こうすることで、グッズが欲しい人は必然的に投票アプリを開く仕組みになります。
ポジティブな言葉から生まれる幸せの連鎖
ーーいろいろなきっかけをつくって投票アプリに誘導しているのですね。そこまでして投票を促す理由は何ですか?
「ありがとう」を起点に1年を振り返ったり、周りのことを思い浮かべながら感謝の気持ちを書き出していると不思議と自分もすごい幸せな気分になるんですよ。受け取った方も嬉しいし。いいことばかりなんです。笑
人は、感謝を伝えられる以上に伝えている時間に幸福を感じるらしいんですよ。なので、投票する時間がこのイベントでは何よりも大事だと思っています。
ーー“相手を思い浮かべて感謝を伝える時間”がこのイベントの醍醐味なんですね。最後に一言お願いします!
サイボウズいい会社ですねって言われても、そうですかーって思うときもあるのですが
「ありがとう」を送るイベントにたくさんの登録があるのは、間違いないです。おそらくいい会社です!と自信を持って言えます。
でも、これは“サイボウズだから出来る” ことではないです。
「相手を思い浮かべて感謝を伝える」ということで生まれる幸せの連鎖だと思うんです。直接会って伝えなくても良いし、長文でなくても良い。ほんの些細なことへの「ありがとう」でもいいです。
もうそろそろ2022年も終わります。今年一年お世話になった人に感謝を伝えてみてはいかがでしょうか?
――ありがとうございました!