心臓の囚人/木村夏樹の覚え書き/2024.04

なんだかんだで、ここ最近は毎月なにかしらの動きのあった木村夏樹だが、2024年4月は特にこれといってなかった。

まったくなかったわけではない。先月から続いたデレステと星街すいせいコラボ関連で、木村夏樹の声を担う安野希世乃さんがデレラジに出演して、『ソワレ』をカバーした歌唱の裏話を語ってくれた。

『ソワレ』は木村夏樹にとって大きな意義ある活躍だったと思っていた自分からすると、どれだけ安野希世乃さんが原曲と木村夏樹に向き合い、どれだけ想いの丈を込めて歌っていたか伝わってくるようで、ありがたく嬉しく、その誠実で熱心な姿勢には敬服の念すら抱いた。

同じく星街すいせいのカバー楽曲を担った松田颯、佐倉薫の両名にも、リスペクトとチャレンジ精神で楽曲とアイドルに向かい合う姿勢に好感を抱いた。その他の裏話も面白い。初期のデレマスのアイドルの歌唱はビブラートが禁止だったなんて驚いた。

そして昨年に開催されて木村夏樹が座長を担った『Shout out Live!!!』を収録したBlu-ray BOXの予約販売が開始されて、特典として木村夏樹もいる描き下ろしイラストのグッズも公開された。指ハートの木村夏樹もいいものだった。

こうして整理すると、なくはないが新しい動きはなかった、ということになる。まぁそれでも、これからに期待、というわけにもいかないのが現状だ。

まさか先月のデレステの『シンデレラガールズ劇場わいど』に続いて、『デレぽ』まで更新終了するとは思わなかった。昨年末に発表されたデレステのサービス調整が、ここまで事実上のサービス縮小になるとは思わなかった。

アイドルの活動の機会に、著しい格差があるデレマスにおいては、全アイドルに活躍の機会がある『シンデレラガールズ劇場わいど』も『デレぽ』も貴重なコンテンツだった。いよいよデレステに行き詰まりを感じる。

かと思えば、かねて宣言されていたように、モバマスの『アイプロ』が、デレステでリバイバルされて実装された。それがまさかの、ひたすらに画面をタップするだけのポチポチゲーそのままで、懐かしい表示すらあった。

そして『アイプロ』らしくアイドル一人に向き合い、テキストとイベントが一体となり、アイドルの情報量としては他のイベントと比してずば抜けている。

公平なアイドルの活躍の機会のリソースを削る一方で、特定のアイドルにとっては濃密な活躍の機会を実装する方針には、これからのデレステが、デレマスというコンテンツそのものが、どうなることやらと考えずにはいられない。

そうしてて考えを深めていくと、先月の『ソワレ』カバー以来、木村夏樹がデレマスというコンテンツにおいて、どう位置づけられるか、そして自分自身がデレマスというコンテンツにどう向き合っていくか、考えずにはいられない。

デレマスというコンテンツにおいて、どのアイドルよりもロックであること、カッコいいことにこだわりのある木村夏樹は、どのアイドルよりも運営によって贔屓もされ毀損もされてきた、ある意味では誰よりもダサい。そんな木村夏樹に心惹かれている自分は、木村夏樹に何を見ているのか、何を求めているのか。

思うに、アイドルという存在に心惹かれているのは、そのアイドルのこれから何かをしてくれるという可能性を感じるかどうか、そのアイドルに自分が何かを投影してしまうかどうか、アイドルがどれだけ幻想を見せて、その幻想に心酔できるかどうか、ではないか。

これからのデレステで、これからのデレマスで、その応えがあるのか、そして、いまだにデレマスに、木村夏樹に、囚われていることが喜ばしいことなのかどうか、考えずにはいられない。


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