セカイはまだ始まってすらいない/木村夏樹の覚え書き/2024.09
今月の木村夏樹に関する動き、というか先月の覚書を書いた後、8月末から動きがあった。
デレステの9周年を前にしたカウントダウンにおいて、木村夏樹がカウントダウンイラストと、カウントダウン演出で登場した。演出に至っては禁断の二度打ち。つくづく昨年から今年にかけて木村夏樹にとって望外の喜びに満ちた期間だったと改めて思う。
9周年イベントは、登場アイドルたちの個性が存分に発揮されており、またモバマスの公演を彷彿させる大胆さも見られた。加えて、デレステのみならず、デレマスというコンテンツそのものをメタ的に、その盛衰を感じさせる現在地を描くようでもあり、大いに見どころがあった。
そして今月は9周年を記念するライブ『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT FANTASY』もあった。それに併せてそして様々な発表もあった。
しかし、その内容はボイス未実装組にとって前向きになれるような発表は皆無だった。結局、今年は総選挙も開催されない見込みで、確実なボイス実装のチャンスはない。各種コラボもほぼボイス実装組が担当しているばかりか、コラボのコンセプトに最適と思われるボイス未実装のアイドルが外された形だった。
どうも最近のデレマスからは余裕がないと言うか、切羽詰った様子を感じる。(この感じを先ごろ開催された『アイマス』20周年企画の巡回イベント“GO ON the VOY@GE”の第一弾がイオンモール熱田店で開催されたが、不手際が目立ったことからも感じた。)
さらに、次回開催のライブ『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT STAGE 10th ANNIIVERSARY TOUR』も発表された。デレステ10周年を記念したコンセプトから察するに、少なくともデレステがあと1年は続くことが予想されている。逆に言えば、その後の展開は不透明で、デレステのサービス終了のカウントダウンが始まったようにも感じる。
そうこう思っていたら、久々に公式からの真っ当な供給があった。
これが実に期待通りのものだった。炎陣がアルバムを制作して、その裏話をインタビュー形式で明かすという内容。メンバーそれぞれの個性と関係性が掘り下げられており「そ・・それだよ視聴者が求めているモノは!!」の顔になってしまった。
さらに木村夏樹が例えに語る「積み木」も印象的だった。これは炎陣だけではない、なにかと矛盾だらけで積み重ねられたデレマス全体を揶揄してプロデューサーが例えに使う「違法建築」を指しているようにも聞こえて、デレマスの運営はプロデューサーたちのことを見ているのだなと「きさま!見ているなッ!」と自意識過剰になってしまった。
そして、コミュの内容が楽曲制作という期待させる内容だけに、これで楽曲が聴けないのは嘘やろと渇望感に襲われた。
そうだ、公式からお出しされることで、渇望が生まれる感覚を久々に味わった。そうか、そうだった。この感覚こそが自分がデレマスというコンテンツを追う根源に、木村夏樹という存在に感じていた思いだったんだと、再確認できた。素直に感動したいよ、ずっとそうだった。もう終わりのカウントダウンは始まっているが、それでも「セカイはまだ始まってすらいないぜ」と思わせる何かがまだデレマスにはあると信じたい。