天井裏から愛を込めて/木村夏樹の覚え書き/2023.10
今月は木村夏樹に直接関わる公式展開はほぼなかった。しかし先月の供給が凄まじかっただけに、一息つく思いだ。
とは言えども、今月は木村夏樹の担当声優である安野希世乃さんが、アイマスシリーズ全般のラジオ番組『THE IDOLM@STER MUSIC ON THE RADIO』と、デレマスのラジオ番組『デレラジ☆』に出演。そして『 Shout out Live!!! 』と木村夏樹についても語ってくれた。今月はその話を中心に思うことを書いてみる。
『アイマスMOR』マスターソングから感じる、その想い
まずは『アイマスMOR』この番組はエムマスの榊夏来の担当声優である渡辺紘さんがラジオパーソナリティだったことから、デレマスの木村夏樹と合わせてWなつき、そしてバンド系アドイドル繋がりもあり、意外な巡り合わせだった。
そしてこの番組のコンセプトがアイマスシリーズ全体の楽曲であり、招かれたゲストは自らが楽曲を選んで紹介する『私のM@STER SONG』という企画がある。そのマスターソングで安野希世乃さんが選んだのは『Bullet Ride』『純情Midnight伝説』『ハーモニクス』『Drastic Melody』『Twilight Sky』いずれも安野希世乃さんと木村夏樹に縁のある楽曲で、それをこの機会に紹介したいという心づかいが嬉しい。以下つらつらと思うところを書いてみる。
やはり安野希世乃さんからロック・ザ・ビートについて強く思い入れが感じられるようだった。ミリマスとデレマスのコラボ楽曲、D/Zealとのコラボ『ハーモニクス』で、ロック・ザ・ビートの絆が試されているようだったと話しながらも、高いハードルを超えてリスアニで歌ったことも取り上げ、さらにはいつかはライブでロック・ザ・ビートとD/Zealの四人で歌いたいと抱負まで語ってくれた。
そして先月の『SoL』でオリメンである松永涼に代わって歌った『Drastic Melody』についても、ライブに向けた練習から苦労した話や、歌ったからこそ分かる男性ソングの趣があるなど、安野希世乃さんだからこその話も聞けて興味深かった。
さらにまた『SoL』で生バンドと出演することで感じる音圧の凄さや掛け合いの楽しさ、声出しライブだからこそ観客とのコール・アンド・レスポンスで出演者も楽しくなるなど、ライブの裏側を見るようでこれもまた興味深かった。『SoL』本編のトリを飾るトワスカ後の「センキュー」のセリフは安野希世乃さんの提案だったというのも望外の驚きだった。
楽曲を聞いたりライブを見るだけでは知り得ない、演じながら歌うからこその、安野希世乃さんだからこその楽曲やライブや木村夏樹への想いなどを聞けるようで、本当に得難く興味深く、ありがたくって頭が下がる思いすらした。
『デレラジ☆』で『SoL』出演メンバーと大いに盛り上がる
そして『デレラジ☆』では出演者が青木志貴さん、木村珠莉さん、梅澤めぐさん、そして安野希世乃さんと全員『SoL』に出演したメンバーだけに、もう一ヶ月前のライブながら大いに『SoL』の話で盛り上がっていた。これもまたつらつらと思うことを書いてみる。
今更ながら『SoL』の8周年衣装は網タイツや露出が多くてギャルぽい衣装だったと気がついたり、楽しい楽曲の『無限L∞PだLOVE♡』も歌うとなると開始から最後まで気が抜けないなど、ライブを観るだけでは分からない意外な気づきもあった。
さらには『SoL』ライブで安野希世乃さんが木村夏樹らしくジャケットを腕まくりしていたり、青木志貴さんの腹筋を魅せる努力や、舞台裏だからこそ見える光景など裏話を聞いて、ソフト化されたライブを見返すのが楽しみになった。安野希世乃さんも『SoL』は生バンドとコーレスもあって、一番激しいライブで盛り上がったと言うほどだったのだから、なおのことだ。
限界を感じて、改めて思う距離感
今月は『アイマスMOR』と『デレラジ☆』に安野希世乃さんが出演したことで、その素直で暖かい人柄に改めて向き合い、より好感が高まった。
さらには安野希世乃さんの楽曲やライブへの想いを聞くことで、デレマスのみならずアイマスシリーズ全体へ、そして木村夏樹へ、さらにはプロデューサーへ、安野希世乃さんは愛と情熱に溢れており、もはや木村夏樹はこの人なしには存在し得ないと思う。木村夏樹は本当に担当声優に恵まれた。
その一方で限界を感じることもある。
安野希世乃さんはあくまでも安野希世乃さんであり、木村夏樹ではない。
安野希世乃さんには安野希世乃さんなりの考え方もある。木村夏樹にとって尊厳を破壊されるような7th大阪公演についても、安野希世乃さんは悔しい思いがありつつ憎からず思っているようだ。
安野希世乃さんはIMAJOのことも木村夏樹のギター担当として、なつきちの右手として信頼している。そもデレマスの運営やキャスティングにも全幅の信頼を寄せているようで、そこにはやはり不信を抱いている自分とは相容れぬものがあった。
そしてまた安野希世乃さんはロック・ザ・ビートに強く想いを込めているが、ロック・ザ・ビートのもう一人である多田李衣菜の担当声優である青木瑠璃子さんからは、もう長らくロック・ザ・ビートについて愛や情熱を感じることはない。
安野希世乃さんに先立って『SoL』開催前に『アイマスMOR』に青木瑠璃子さんが出演した際も、楽曲紹介もどこか余所余所しいもので『ハーモニクス』を取り上げながらも、多田李衣菜はそんな歌唱力で売ってないからと及び腰の始末。さらに言えば、青木瑠璃子さんはトワスカで見るライブの光景を初めておすそ分けしたのは、3rdライブでのロキエモとトワスカの連続で一緒に居た安野希世乃さんだったことも完全に失念しているようだ。
つくづく自分はプロデューサーを辞めてよかった。
プロデューサーだったならば、担当アイドルとその担当声優の埋めがたい溝を感じて、どうすることもできない限界感、やるせなさに身悶えしていただろう、プロデューサーではないからこそ、適切な距離を保っていられる。
ああ、違うんだな、この人はこの人で、アイドルはアイドルなんだと受け止めることが出来る。
自分にはアイドルマスターシンデレラガールズというコンテンツと、そのアイドルたちに向き合うには、プロデューサーという距離ではない、この何者でもない距離感がちょうどいいようだ。