造花が笑う/木村夏樹の覚え書き/2024.05

今月の木村夏樹にまつわる話となると、5月15日に発売されたデレマス✕星街すいせいのコラボ楽曲『ジュビリー』のCDに、木村夏樹がカバーした星街すいせいの『ソワレ』も収録されていた件。そして木村夏樹が座長を務めた『Shout out Live!!!』のBlu-ray BOXの予約が5月12日までだった件。これに合わせて5月15日には『CINDERELLA PARTY!』に木村夏樹の声を担う、安野希世乃さんが出演していた。

今回はデレパの感想をメモ書きしておきたい。

そも今回のデレパは、パーソナリティである原紗友里さんがお休みだったことから、青木瑠璃子さんと安野希世乃さんのサシで、図らずもロック・ザ・ビートのラジオになったことが望外であった。そして冒頭の演出でロック・ザ・ビートの二人として、木村夏樹として演じながら『ソワレ』の収録の苦労を語ってくれたように、安野希世乃さん自身も『ソワレ』の収録がいかに大変だったか、それだけに挑戦だったかを語ってくれたことが印象深い。

木村夏樹のオリ曲であれば、成長や変化もあわせて表現できるが、カバー曲となると原曲へのリスペクトと、アレンジ版としての木村夏樹らしさの兼ね合いで相当に難しかったらしく、安野希世乃さんをして、これまでの木村夏樹としても一番妥協が許されなかったとまで言わしめる。

原曲からブレない、木村夏樹らしい余裕を失わない、それでいて、ここ最近の木村夏樹らしさで、しっとりとしたセクシー感まで追求したと、落ちサビの「一晩じゃ…」の箇所が聞き所だと語ってくれた。

こうして安野希世乃さんから、どれほど原曲と木村夏樹を大事にしてくれたかを聞けるのはやっぱり嬉しい。自分としても『ソワレ』を聞き直して感慨深い思いに浸り、また聞き所を見つけたようで、改めてCDで聴き直す時にも気づきを得られて、本当に嬉しい。

『SoL』についてもデレパ用の編集PVが用意されており、こうして見ても生バンドの迫力、ピンクでハートで網タイツで衣装の強さ、出演メンバーの絵面の強さを感じた。

そして座長を務めた安野希世乃さんが、これほど早く自分にお鉢が回ってくるとは思わなかったと、心の準備もないがライブコンセプトに合わせて、そして多田李衣菜が、青木瑠璃子が、るーりぃがいなくとも、ロック・ザ・ビートとして相棒として座長を務めてくれた思いも語ってくれた。

そしてやはりバンドは特別感があるようで、シンデレラバンドとのシナジー、アイドル曲の幅を広げてくれるようで、ドラメロの熱量や気迫も見所だと語ってくれた。『SoL』の両日でバンド紹介を全力で楽しんで、イメトレまでして頑張ってくれたそうで、改めて見る時に注目したい。

トワスカについても、安野希世乃さんがデレマスに参加する前から存在する楽曲であることから、安野希世乃さんにとっての原始の曲とまで神聖視して捉えていたことにちょっと驚いた。そのトワスカを全体曲として『SoL』でロックと言えば外せないだろうと歌ってライブ会場で再現された夕焼けの景色まで楽しんだ思いも語ってくれた。それに対して、青木瑠璃子としてのお気持ち芸もあって嘘っぽく聞こえたのは、仕方ないことなのだろうか。

今月の木村夏樹は、8ヶ月前に開催された『SoL』2ヶ月前に公開された『ソワレ』についてなど、過去を振り返るような、思い出を掘り起こすようでもあった。デレパのおまけ放送ではないが、担当の成長を感じるようでもあった。

こうして過去に思いを馳せるのも悪くはないが、自分としては木村夏樹の物語として新展開を望む気持ちが強い。

それに過去を振り返るにしても、過去からの繋がりや積み重ねをどう捉えるのかクリティカルな視点も必要だと思う。デレマスというコンテンツが、デレアニや各種メディアミックスをどう繋がりや積み重ねてきたのか、木に竹を接ぐような矛盾の上に矛盾を重ねてきたのかを考えてもみてほしい。

こうした語りきれない悲劇も、語り明かすことで喜劇に変えていけると歌う『ソワレ』は木村夏樹にとって特別な一曲になったとつくづく思う。


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