1926年3月22日 宮沢賢治 農民芸術概論を講義

1926年3月22日29歳の宮沢賢治は花巻農学校で国民高等学校第十回講義を行いました。
「農民(地人)芸術概論」のうち「農民芸術の主義」「農民芸術の制作」について話しました。

hamagaki様の 賢治日めくり より
https://ihatov.cc/today/3_22.htm

宮沢賢治/農民芸術概論綱要 より

農民芸術の(諸)主義

……それらのなかにどんな主張が可能であるか……

芸術のための芸術は少年期に現はれ青年期後に潜在する
人生のための芸術は青年期にあり 成年以後に潜在する
芸術としての人生は老年期中に完成する
その遷移にはその深さと個性が関係する
リアリズムとロマンティシズムは個性に関して併存する
形式主義は正態により標題主義は続感度による
四次感覚は静芸術に流動を容る
神秘主義は絶えず新たに起るであらう
表現法のいかなる主張も個性の限り可能である

農民芸術の製作

……いかに着手しいかに進んで行ったらいいか……

世界に対する大なる希願をまづ起せ
強く正しく生活せよ 苦難を避けず直進せよ
感受の後に模倣理想化冷く鋭き解析と熱あり力ある綜合と
諸作無意識中に潜入するほど美的の深と創造力はかはる
機により興会し胚胎すれば製作心象中にあり
練意了って表現し 定案成れば完成せらる
無意識即から溢れるものでなければ多く無力か詐偽である
髪を長くしコーヒーを呑み空虚に待てる顔つきを見よ
なべての悩みをたきぎと燃やし なべての心を心とせよ
風とゆききし 雲からエネルギーをとれ

全文はこちらから。
青空文庫 農民芸術概論綱要

https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/2386_13825.html

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