1927(昭和2)年8月20日に書かれた、水稲倒伏、道迷い、農家副業、に関係する作品群を、晩年に文語詩としたものです。
時間をおいて、表現形式をかえて、当初の作品より冷静になっているようです。
それでも、副業収入では、農家所得の減少を十分補うことができなかった無念さは、晩年まで賢治の心に残っていたようです。
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副業
雨降りしぶくひるすぎを
青きさゝげの籠とりて
巨利を獲るてふ副業の
銀毛兎に餌すなり
兎はついにまにあはね
ひとは頬あかく美しければ
べっ甲ゴムの長靴や
緑のシャツも着たるなり
(本文終了)
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