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防災グローバルフォーラム(UR24)に出席してきました

UR24ホームページから

こんにちは、事務局長の小美野です。6月17日から20日まで、姫路で開催された防災グローバルフォーラム(Understanding Risk Global Forum)に出席してきました。

このフォーラムは、災害へのレジリエンスをめぐる実践者や研究者の世界的なコミュニティで、世界銀行が2年ごとに開催しています。 今回は1,000人以上が国内外から出席しました。私は2つのセッションに登壇させていただきましたので、その報告と、そのほかのハイライトもお伝えします!


安全な都市計画に向けて

まず最初に登壇したセッションは「Acting Today to Reduce Risk Tomorrow: innovative tools to reveal risk and co-create future cities」(明日のリスクを減らすために:リスクを明らかにし、未来の都市を共同創造する革新的なツール)というセッションでADRRNでも協働しているネパールのNSETや学術界の方々と共に、「安全な都市計画」に向けた議論を行いました。

日本の昨今の教訓をもとに、このセッションでは以下の3点を強調させていただきました:

1.災害リスクに関する科学的な情報が自治体の都市計画と直接結びついていないことも多いので、より安全な都市づくりという大きなビジョンを提示した上で、さまざまな部局が協働する体制が重要。

2.都市では人口動態が常に変化しているので、伝統的にそこで暮らしているコミュニティと新しく入ってきた人々は、その地域で過去に起きた災害に関する経験的な情報を共有しておらず、教訓が平等に伝わらない。

3.日本でも、特別養護老人ホームの約3割が洪水浸水地域にあるので、地域福祉と防災は一体のものとして考え、地域レベルの災害リスクのガバナンス(例えば町内会などの取り組み)を、より公的な災害リスクのガバナンス(市や県などの取り組み)につなげることが重要。

日本はどのようにして予防行動と早期警報に貢献できるか?

また、CWS Japanが共同事務局を務めている防災・減災日本CSOネットワーク(JCC-DRR)として「How Can Japan Contribute to Anticipatory Action and Early Warning for All? Introducing Cross-Sector Initiatives」(すべての人のための早期警報や早期警戒アクションに日本はどう貢献できるか?セクターを超えたイニシアティブの紹介)というセッションも実施しました。

このセッションではJCC-DRRとして掲げている早期警戒システムに関する提言を紹介し、環境省が主導する早期警戒システムの官民プラットフォームからの事例紹介、神戸看護大学の神原先生からは地域の保健システムを内包した早期警戒や早期アクションのあり方などの示唆をいただきました。

私からは「危険な時」に「危険な場所」にいないようにするための早期警戒アクションのあり方や、一人ひとりの早期アクションに向けた意識や意思決定の重要性を強調しました。

JCC-DRRのセッション登壇中 ©JCC-DRR

フォーラム全体を通して

このフォーラム全体を通してハイライトしたい点も以下3点共有いたします。

  • 仙台市と東北大学による、仙台市の仙台防災枠組実施状況の中間評価に関するプレゼンテーションがありました。 国だけではなく、市独自の取り組みとしてこのような中間評価を行うのは世界的に見ても非常に珍しく、日本が誇れる事例だと感じました。

  • 自然に根ざした社会課題の解決策(NBS: Nature Based Solutions)が大きな焦点を当てられています。世界銀行も、NBS opportunity scanと呼ばれる、都市計画におけるNBSの潜在的な利益(例えば緑化を進めると何度温度が下がることが期待されるなど)を可視化するツールを積極的に紹介していました。このツールの背景にある考え方は、我々NGOがコミュニティと行う活動のインパクト評価にも活用できると思っています。

  • 都市部のヒートアイランド対策、河川の堤防の保護、地滑りのリスクの軽減など、NBSを利用したさまざまな事例紹介もありました。これらを広めていくことで、環境に優しく減災効果のある取り組みが実現できるのではと感じます。

日本の伝統工法のソダを活用した河岸浸食対策の事例
国際建設技術協会のブースにて ©️CWS Japan)

このようなフォーラムは、仲間づくりやパートナーシップ強化において重要だと考えています。さまざまな事例から学び、協働の可能性を考え、今後の取り組みに活かしていきたいと思います。

(文:事務局長 小美野剛)


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