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世界難民の日に寄せて-仲間としての難民たち-

こんにちは!CWS Japanです。
6月に入り、梅雨が近づいてきている気配を感じますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?☔️

さて、毎年6月20日は国連が制定した「世界難民の日」ということから、今月は難民支援に関するイベントが各地で開催されます。そこで、今回は私たちが大切にしている価値観のひとつ「難民との協働」の経験についてお話します。


積み重ねてきた難民たちとの協働

5月18日、私たちは難民の仲間たちと共に大久保地域センターが主催する五月まつりにコミュニティ・カフェ@大久保として出店しました。これまでにもワールド・バザールを主催したり、大久保まつりに出店したりと、難民申請者、外国ルーツの在日外国人との協働という経験を積み重ねてきました。

五月まつりチラシ

私たちがこのような地域行事に積極的に参加するのは、一つには難民の尊厳を守るという目的があります。難民申請者の多くはその不安定な身分により就労できず、地域社会とのつながりも持てないまま見えない存在となり、孤立し、困窮した生活状況にあるため、常に支援を求めざるを得ない立場にいます。

そこで、支援する立場にいる私たちとの間には支援する者とされる者という上下関係が自ずと作られていってしまいます。難民は様々な制限下で不安定な身分ではあっても才能やスキルを持っていたり、若さや体力などの強みもあります。ただ、それらを発揮できる機会や場がないだけです。

ところが、このようなイベント行事には多くの共同作業が発生し、お互いの強みを生かし、協力しあわなければ無事に出店ができません。そこには同じ目的で集まって協働する「仲間」という対等な関係性が成立します。その点を私たちは大事に思っており、その想いを共感してくれる仲間たちと「また一緒に活動できて嬉しいよ」「また次も一緒にやろうね」という想いを伝えながらも集まれる機会や場づくりがやみつきになっている今日このごろです。

そこで、そのような輪に新たに加わったCWS Japanの新人スタッフ(五十嵐望美)から、初めて参加した五月まつりについてレポートしてもらいます🖌️

五月まつりで「多文化コミュニティカフェ」出店

この度、大久保地域センターで開催された五月まつりに出店いたしました🎉

当日は大久保地域周辺のさまざまな団体が出店している中、コミュニティ・カフェ@大久保は「多文化コミュニティカフェ」と題して、私たちと関わりのある、外国人の方によるさまざまな出し物を提供しました。

地域センター3階会議室スペースでの出店 ©CWS Japan
出店ブース ©CWS Japan

ドリンクではコーヒーのほかに、ラッシーとチャイ、フードではその日に手作りしたスリランカのパンケーキやチュニジアのブリック(卵の包み揚げ料理)を提供しました。

会場に来て下さった方は普段見慣れない食べ物に対して興味津々になり、料理を作った本人に質問しながらコミュニケーションを取りつつ、それぞれのフード・ドリンクを味わっていただきました。

スリランカパンケーキ ©CWS Japan
チュニジアのブリック ©CWS Japan

ほかにも、エジプトのアクセサリーや雑貨、当事者の方が描いた絵のポストカードも販売しました。なかなか目にしないものも多くあり、それぞれ気になるものを手に取りながらお気に入りのものを買ってくださる方もいました。

エジプト雑貨と手作りのビーズ細工 ©CWS Japan
難民当事者による絵画のポストカード ©CWS Japan

また、今回の五月祭りでは、普段CWS Japanが一緒に事業をしている現地パートナー団体の方が以前持ってきてくだったアフガニスタンの民族衣装を持参し、会場に来られた方に試着してもらえるようにしました!🥻

この民族衣装はいただいて以来、事務所の片隅にしばらく置きっぱなしだったのですが、こうして日の目を浴びて、子どもからご年配の方まで衣装の試着を楽しんでいただきました。

みなさんそれぞれお似合いでした😊 ©CWS Japan
ポストカード作者のAさんと📸✌️ ©CWS Japan

そして、これから。私たちが目指す多文化共生

これからもこのような地域行事には参加していきたいと考えていますが、こうした大きなイベントはそう頻繫にあるわけではありません。祭りで盛り上がった後には、それぞれの日常がまた続いていき、再び不安感・孤立感が難民たちを襲います。

そんな中、就労許可がまだおりず、支援者以外の日本人と交流する機会がない難民の中でほかの活動にも興味を示す若者が出始めています。私たちはその気持ちを受け止め、難民による地域貢献の機会と場を創り出すことを目指します。支援されるばかりの存在から支援する側に回ること、難民が地域の中で「人財」として認知されること、それが私たちが目指す多文化共生であり、共助です。

(文:ディレクター 牧由希子・五十嵐望美)

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