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個人的に多大な影響を受けた/強烈な印象を残したバンド紹介 #2 Marilyn Manson

※個人ブログに掲載した記事を一部加筆修正して転載。

Marilyn Mansonの名で知られるシンガー、ブライアン・ワーナーによって1989年、フロリダ州のフォートローダーデールで結成される。当初はMarilyn Manson & the Spooky Kidsとして活動していたが、その後Marilyn Mansonとバンド名を変更、トレント・レズナー(Nine Inch Nails)のレーベルであるナッシング・レコードと契約し1994年に1stアルバム 『Portrait of an American Family』を、1995年にEP『Smells Like Children』をリリースする。

そして1996年、名盤である2ndアルバム『Antichrist Superstar』をリリースしその悪名を世界的なものにする。実は俺が初めて聴いたMarilyn Mansonのアルバムは次作『Mechanical Animals』からで、その怪しさ満点の世界観に大学時代の俺は激しく触発され自伝も読み、その強烈な半生は音楽性と共に脳裏に深く焼き付く事になる。

マリリン・マンソンを始め他のメンバーのステージネームはそれぞれ有名セレブとシリアルキラーの名前を混ぜ合わせたもの…というアンモラルさ、そして反キリストな姿勢を始め世のタブーに土足でズカズカと踏み込み徹底的に抗うその姿は音楽性と共に俺に多大な影響を与えている。今で言う露悪サブカルのようなもので、お上品でお利口さんな現代的価値観とは決して相容れないがコロンバイン銃乱射事件で槍玉に挙げられた際の対応を見て判る通り、当時のマンソンは常に権威に抗い弱者の側に立っていた。

ラフでノイジーな荒々しさを見せるギターにインダストリアルなデジタルサウンドを乗せた『Antichrist Superstar』、ラウドロックとしてのバンド感を増強した『Holy Wood : In the Shadow of the Valley of Death』が個人的に最も気に入っている。前述した怪しさ満点のグラムロックな『Mechanical Animals』やリズミカルな印象の強い『The Golden Age of Grotesque』も素晴らしい。それ以降はどうにも煮え切らない作風が続く。

俺は一応グロウル/スクリームやってる人間なんでマリリン・マンソンのVoに言及するが、ディストーションによるエフェクト込みながらもあの強烈な切れを見せるスクリームはブラックメタルやデスコアのそれとはまた異なる魅力があり何気に多大な影響を受けている。独特のヌメッとした爬虫類風のクリーンVoも魅力的でマンソンらしさを存分に発揮している。キモい(誉め言葉)ファルセットも味があって良い。キャリアを重ねる毎に衰えたのかスクリームを全然やらなくなってしまったのが残念だ。

そんなマリリン・マンソンだが、2021年に性的虐待告発によって暫くの間そのキャリアを絶たれる事となってしまった。実際の所は当事者にしか判らない部分だろうが(勿論DVは最悪の犯罪だ!)。現代的な分断と同調圧力により今もなお議論を呼んでいる。

そして2024年、ついにマリリン・マンソンが復活を果たす。一部の左翼系リスナー/ジャーナリストが怒りを露わにしたものの(特にこのブログ(https://noobheavy.com/op-ed-marilyn-manson/)がブチ切れまくっている)、大多数のリスナーは歓迎の姿勢を見せている。俺としては今のマンソンに音楽的な期待は出来ないってのが正直な意見だ。新曲もイマイチ刺さらなかった…。

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