Big Dick Dystopia 4th Album 『Let's Tell Them How Good Fellatio Feels』曲解説
個人ブログにアップした記事を流用しています。
01 - Diabetic Vaginal Discharge
これまでにやってきたシンプル&変態なゴアグラインド/グラインドコアから脱却しデスグラインド寄りかつハードコアテイストもあるモダンなデスメタルを改めて志して作った曲だ。ノリの良いリフ、リズムで疾走感を演出しつつメタルコア的なブレイクダウンも挿入。テンション高めのグロウル/スクリームもお気に入りだね。曲名『Diabetic Vaginal Discharge』とは糖尿の腟分泌液という意味だ。甘い愛液って事さ。
02 - Zicosucker(SM Trainer)
岩のような勢いある3連符のリフにグラインドコアらしいグロウル、ガテラル、喚き声、ホイッスルシャウトが交錯し変態的なアプローチを見せるナンバーだ。中盤の怪しげなリードギターは多少のポリリズム要素を交えているけど、基本的には繰り返しの多いシンプルな構成の曲だね。
曲名はそのまま読めば意味が分かるだろう。スーファミのクソゲー『ジーコサッカー』ソフトの内部ROMデータを海賊版ソフトメーカーが書き換え、違法残虐ポルノゲー『SM調教師瞳』として密かに流通させていたという実話だ。都市伝説でも何でもない、俺と同世代のボンクラなら皆が知ってる常識さ。ちなみに俺は中坊の頃パッケージがそのまま堂々と『SM調教師瞳』に改変されていたソフトをゲーム屋で見た事があるぜ。
03 - Gräfenberg Spot
かなり前に作った曲だ。ヨコノリのリズムで禍々しくも突進力あるリフを叩き付ける軽快なエクストリームメタルだ。グロウル、ガテラルもリズムに合わせたノリの良さを感じさせ実にグルーヴィーでファンキーだ。ロックしているぜ!
曲名はGスポット及び子宮内避妊具(グレーフェンベルク・リング)を発明したドイツの産婦人科医エルンスト・グレーフェンベルク(Ernst Gräfenberg)だ。GスポットのGはGräfenbergから来ているってわけさ。元気のGはGスポットのGだ。始まりのGじゃないって事さ。
04 - Shotgun Self Pleasure
この曲も昔に作った曲で、まだ今のようなスタイルが確立する前に手当たり次第エクストリームメタルを作っていた頃の名頃が残っている。不協和音を取り入れたパワーコードがパワフルなファストチューンだね。
曲名は「ショットガンのようにオナニーする」って事だけど、Shotgunというワードはスラングで「助手席に乗る」「できちゃった婚」という意味がある。つまり「助手席でオナニーする奴」あるいは「オナニーなのにできちゃった婚」という意味にもなるのさ。まぁ意味らしい意味なんて無いって事さ。
05 - Feminist Sex Wars
突進力あるリフにゴアグラインド直系のピッチシフター加工ガテラル、そして不穏なリードギターを取り入れたナンバーだ。ブレイクダウンもメタルコアマナーに則ったものだがそこに乗る不協和音ツインリードからはアヴァンギャルドメタルの香りが漂ってくる。実にクールだ。
曲名はフェミニスト・セックス戦争…つまりセックスを肯定するフェミニストとセックスを否定するフェミニスト同士の争いだ。セックスやポルノを肯定するセックス・ポジティブ・フェミニストは今で言う表現の自由を侵害しない比較的マトモなフェミニストだ。逆にそれ等を性搾取として全否定する反ポルノグラフィ・フェミニストは邪悪なラディカル・フェミニストだ。右翼も左翼も一枚岩ではなく常に内ゲバ争いを続けているように、フェミニストも常に対立し戦争を続けている。人間は闘い無くしては生きていけない獣なのさ。
06 - Let's Tell Them How Good Fellatio Feels
テクニカルなスウィープのキメで幕を開けるファストチューンだ。倦怠感あるパワーコードのリフも印象的で中盤のピッチシフター使用ガテラルにピッグスクィール、ホイッスル交じりのピッグスクィールがグラインドコア的な変態性を醸し出しておりお気に入りだ。
曲名は「フェラチオの気持ち良さを伝えよう」という意味だ。当たり前の事に聞こえるだろうが、これは有名アニメ『聖戦士ダンバイン』のナレーションを捩ったものだ。「ミ・フェラリオの語る次の物語を伝えよう」ってやつだ。バイストン・ウェルの物語を覚えている者は幸せであるように、セックスの気持ち良さを覚えている者は幸せであるって事さ。
07 - Sexual Dysfunction
パワーコード主体の力強いリフが印象的なストロング・ナンバーだ。不穏なハモリギターに加えVoもグロウルメインでエグさを演出する。曲名は性機能障害を意味している。
08 - Snowballing Cum Swapping
禍々しいトレモロギターに豪快なパワーコードリフが聴ける無骨な曲だ。メタルコア的なブレイクダウンを取り入れつつ後半で曲調が変わり、ハードコアリフにブラスト、不穏なコードに続いてノリの良いリフ、リズムで幕を下ろす変則的な展開を見せている。
曲名は性行為の一種だ。「Snowballing」はザーメンを口に含んだ者が他者にディープキスで口移しする行為で、主に女性が口に含んだ精液を口移しで射精した男本人に飲ませるプレイを指していたが、次第にゲイカップルの間でも行われるようになり今ではそっちが主流らしい。「Cum Swapping」は3P以上のシチュエーションで女性が別の女性にそれをやる行為だ。
09 - Syphilis Also Kills People's Grudges
ダーティーさを意識した低音リフがデスメタルのムードを感じさせるファストチューンだ。細かく複雑なミュートリフにタムが主張するドラムがテクニカルさを演出しており実にクールだ。ピッチシフターによる下水道ガテラルも良いね。
曲名は「梅毒は人の怨念も殺す」という意味だ。今流行りの梅毒を題材としつつ「人の怨念を殺す」という部分はアニメ『聖戦士ダンバイン』の最終話で主人公ショウ・ザマが宿敵バーン・バニングスと刺し違えた時の台詞「俺は人は殺さない!その怨念を殺す!」から拝借した。またダンバインネタかよと自分でも思っちまうが、どうやら俺は自分でも思っている以上にダンバインに喰らったみたいだ。
10 - Pearl Necklace is Equal
ジャンル問わず海外の様々な楽曲で使用されているアラビア風フレーズ、通称「アラビアンリフ」をメインに変奏形式で組み立てられたナンバーだ。とある動画で知ったリフで、似たようなフリー素材的フレーズに通称「チャイナ・リフ」というのもある。こっちはコメディー映画や昔の海外アニメで中華系のキャラクターが登場したりチャイナタウン等に場面が移った時に流れるあの定番フレーズだ。有名レトロゲー『イー・アル・カンフー』のBGMと言えば判るだろう。そんなチャイナ・リフも例によって例の如く中華系への差別に当たるという事で今は使用禁止となった。ポリコレの悪い部分が凝縮されているエピソードだ。アラビアンリフも将来的にそうなっちまうかも知れないね。
曲名「Pearl Necklace」はセックスにおけるスラングの一つで、男性がパートナーの首や胸、乳房の上やその周辺にブッカケする行為だ。ZZ TopがそのままPearl Necklaceというタイトルの曲をプレイしているが、「女性をモノ扱いする性搾取」だと叩かれた経歴がある。しかしこの行為自体はゲイカップルでも可能であり、実際の所は平等である…という意味を曲名に込めているのさ。
従来の1曲1分程度のシンプルなグラインドコアをやるのに飽きてしまい、ネタがなかなか見つからずリリースが遅れる事になっちまったんだが趣味でやってる個人プロジェクトなんでリリースがいつになろうと自由って事で勘弁してくれ。ある時ふとしたタイミングで近年のNapalm Deathを聴いた事でインスピレーションが降って来て、それからは早いペースで曲が仕上がって行ったぜ。
デスメタルに寄せたデスグラインドにハードコア少々、オールドスクールデスメタルを基本としつつデスラッシュやメタルコア等の要素も取り入れたモダンデスメタルという路線を意識している。俺が昔1曲ずつ配信していた頃にやっていたような楽曲を今一度改めて振り返りたかったってのもあるね。昔は感性だけで曲作っていたんで(今もだけどな!)その頃のフィーリングを取り戻したかったのも大きい。
今回までは歌詞の無い造語Voだったけど次作からは歌詞もちゃんと用意したいと思っている。テーマは下ネタ、露悪エログロになるだろうね。ジャケは引き続き昔利用していたフリー素材サイトから拾って来た画像を加工した(AIによるものを注意深く避けている!)。AIアートは今や犯罪扱いだからもう使う事は無いだろうし使ってはいけない禁忌だ。AIは人類には合わなかったってわけさ。
今俺がやっているプロジェクトの中で最も伸びているのはブルータルデスメタルのDeath Zombie From Hellなんだけど、あのコアでマニアックなサウンドを名刺代わりにするのもどうかと思いBig Dick Dystopiaをフラッグシップ的なプロジェクトにしたいと考えている。自分が最もやりたい要素を全部詰め込んだ音楽性と言えるからね。果たして伸びてくれるだろうか。