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【シャドバ/アンリミ】ラスワネクロで遊ぼう【ORS/構築記事】

 こんにちは、牡蠣食えば(@Cw3Vn)です。

 今回は私がアンリミでこよなく愛するデッキの一つである【ラスワネクロ】の構築を紹介する記事になります。

 「このバトル中、破壊されたときラストワードを持っていた自分のカードの数」(以下「ラスワカウント」)を軸に戦う【ラスワネクロ】は《トート》・《人外魔境・クリストフ》等の強力なフィニッシャーや《ナイトメアイーター》・《セレストマグナ》といった歴代のパワカなど関係カードが豊富で構築の練りがいがあり、広いカードプールの中から最高の40枚を選び出すというアンリミならではの面白さを体験することができるという点で私のお気に入りのテーマの一つです。

 しかし、【ラスワネクロ】は現在絶望的な状況に置かれています。

 まず、ローテで【進化ネクロ】が暴れたために【ラスワネクロ】のアイデンティティであった《忌まわしき再誕》にナーフが入り一度はデッキとしての存在価値を失いました。
 その後、EAAにて稀代のパワカである《勅令の咎人・イステンデッド》が実装されたことで復活の兆しが見えたのも束の間、最強の自壊札である《骸の王》と打点の生命線であった《深淵の大佐》が相次いで弱体化されてしまいました。
 加えて、ローテのネクロマンサーの戦略が葬送軸やネクロマンス軸に移ってしまったためにAOA、HOR、ORSと3弾連続でラストワード軸はロクな追加カードがもらえず(ラスワカウントを参照するカードはなんと0枚)、数々のキーカードへのナーフによるデッキの弱体化に対して新カードによる戦力の補強が間に合っていないという状態が続いています。

 アンリミのネクロは葬送軸骸軸という強力なアーキタイプを2つも持っているため、わざわざ弱小テーマであるラスワ軸に意識を向ける人はそう多くありません。
 さはさりながら、今の【ラスワネクロ】もテーマデッキとして戦える(≒フリーマッチでちゃんと試合ができ、勝てる)だけのポテンシャルは十分にあると感じています。

 今回はそんな【ラスワネクロ】の現状をすこしでもお伝えできればと思い簡単にですが記事にまとめました。
 新弾のカード0枚ですがよろしくお願いします。

※ダラダラ書いていたら結構な文量になってしまったので適宜読み飛ばしたり目次から気になる項目に飛んだりしながらお楽しみください。


⒈構築紹介

今回の構築

①デッキコンセプト

 さて、【ラスワネクロ】をどのように組むべきかという問題については(1)何をフィニッシャーに据えるか(2)いかにしてラスワカウント10を達成するかの2つが大きな論点になります。

(1)何をフィニッシャーに据えるか

 【ラスワネクロ】のフィニッシュ手段は大きく分けて3つ存在します。

(ⅰ)《トート》によるバーンでの削り切り
(ⅱ)《人外魔境・クリストフ》による盤面制圧
(ⅲ)《鎖杖のネクロマンサー》+《インモラルディザイア》でのOTK

 今回私は《トート》によるバーンでの削り切りをフィニッシュ手段として採用しました。

 フィニッシャーとしての《トート》について、”ラスワカウント10達成までの動き”と”ラスワカウント10達成後の動き”の連続性を私は高く評価しました。すなわち、場のカードをどんどん破壊してラスワカウントを稼ぐという序中盤の動きがそのまま《トート》のリーダー付与能力により生まれた爆弾を炸裂させて相手の顔を詰めるという終盤の役割も担うことができ、デッキが一つの軸に貫かれた美しい構築になるということです。
 加えて、《トート》本体が「2c/1/2 ラスワ:1ドロー」という軽いコストで手札を回しつつラスワカウントを稼ぎたい序盤にも手札を減らさずに攻め続けたい終盤にも十分に役割を持てるスペックをしていることも高く評価できるポイントです。

 《人外魔境・クリストフ》による盤面制圧は正直なところもはやアンリミでは通用しないと感じています。4コストも払って《人外魔境・クリストフ》を設置する隙があまりに大きすぎる上、《人外魔境・クリストフ》のリーダー付与能力によって作られる盤面もアンリミでは大抵のデッキに簡単に返されてしまいます。《人外魔境・クリストフ》本体がラスワを持っていないことも非常に厳しく、サブプランとしても割くべきデッキスロットはないと考えています。

 《鎖杖のネクロマンサー》を絡めたワンショットプランはチビチビとしかバーンを飛ばせない《トート》に比べて勝ち切る性能としては非常に優れていると思います。しかし、《鎖杖のネクロマンサー》本体が「3c/3/3 ラスワ:1ドロー」とややコストが重く、《インモラルディザイア》についても《常闇の花嫁・セレス》をプレイして進化権を切るという大きな隙を晒さなければなりません。
 したがって、こちらはラスワカウント10達成後の火力には目を見張るところがあるもののラスワカウントを進める上でテンポロスとなるコンボパーツにデッキスロットが圧迫され肝心のラスワカウント10達成までが遠のいてしまうという弱点があり、個人的にはあまり評価していません。

 以上の検討を踏まえ、デッキの軸に《トート》を据えて構築を考えました。

 《トート》軸の【ラスワネクロ】には1ターンに出せる火力が低い、バーンの発動が受動的であるという弱点を抱えています。そのため今回の構築ではバーンの弾となるカードを効率よく場に展開できるカードバーンの弾を効率的に射出できるカードを採用することで上記の弱点の克服に取り組みました。

(2)いかにしてラスワカウント10を達成するか

 次にラスワカウント10を達成する手段を考えます。

 《ソウルコンバージョン》や《忌まわしき再誕》を使ってチビチビフォロワーを破壊しながらラスワカウントを稼いでも良いのですが、今回は1コストでラスワカウントを最大で4進められる最強の自壊カードである《骸の王》を活用することにしました。

 《骸の王》を採用することで《ソウルコンバージョン》系列では破壊できなかったアミュレットを用いたラスワカウント稼ぎが可能となりました。このことは”自分の場のカードを破壊してラスワカウントを進めているにもかかわらず、アミュレットから飛び出る中身がボードを維持(強化)してくれる”という恩恵をもたらしてくれました。

 以上を踏まえ、今回紹介する【ラスワネクロ】の主張点は以下のようになります。

・自分の場のカードをどんどん破壊するという動きでデッキの方向性が統一されている。
・中身が出るアミュレットを割ってラスワを稼ぐことで盤面圧を維持しながらラスワカウントを進めることができる。
・《トート》がデッキ全体を火力札できるため継戦能力が高く、またリーサルルートもアドリブによる要素が多く、アンリミのデッキ特有の作業感を軽減できる。
・《トート》が《安息の領域》を貫通してバーンダメージを与えられる、《セレストマグナ》本体のファンファーレ能力や《よろめく不死者》のラストワード能力が特定のデッキタイプに刺さる等見るべき特色を持つ。

 それでは以下構築に採用されている各カードを見ていきます。

②採用カード紹介

[確定枠]

 以下の8種類のカードは【ラスワネクロ】の成立に欠かせないカードであると考えます。

〇《空想する死神・ミーノ》ー3枚

 1コストのラスワ持ちカードはラスワカウントを効率的に進める上でなるべく採用したい一方で個々のカードパワー自体はそれほど高くないため採用しすぎるとデッキ自体の出力が大きく下がってしまうというジレンマを抱えています。

 しかしこのカードはラスワカウント5というゆるい条件を達成していればであれば「1c/5/5 突進,ラスワ持ち」と相当にオーバースペックなパワカに化けるので採用しない理由がありません。加えて、変なエンハンス能力もないので本当に取り回しが良いです。

 その他の1コスラスワ持ちカードの比較については⒈-③の項目にて。

〇《トート》ー3枚

 【ラスワネクロ】の存在理由。

 もう4年以上前に登場したカードであるものの、本体スペック・リーダー付与能力ともにいまだに文句なしの水準を維持しています。《死期を視る者・グレモリー》と異なりリアニメイト等の能力によって場に出た場合にはリーダー付与能力が発動しない点が玉に瑕ですが(グレモリーがおかしいだけ)。

 序盤に引いた場合は適当に投げてラスワカウントを進めながら山札を掘るという役割を、ラスワカウント10貯まったらリーダー付与能力を起動するという役割をそれぞれ担うことができ、リーダー付与能力を起動した後の2枚目以降も手札を減らさない爆弾としての運用が可能であり、いつ引いても・何枚引いても嫌な顔をせずに済むという点でリーダーに能力を付与するシステムカードとして他のカードとは一線を画す強みがあると感じています。

〇《冥焔の獄犬・ケルベロス》ー3枚

 《トート》の爆弾として最高峰の性能をしているカード。

 疾走により2+2+1=5点、《番犬の右腕・ミミ》のラスワでの2点、《トート》の能力が乗ってそれぞれ2点×3枚=6点ということでわずか2コストで5+2+6=13点を出すことができます。

 《番犬の左腕・ココ》のラスワでの2回復が貴重な回復ソースだとか色々細かい役割はありますが、やはりこのカードの一番の主張点は《トート》と合わせた時の爆発的な火力にあります。

〇《勅令の咎人・イステンデッド》ー3枚

 書いてあること全部強いスーパーカード。

 ラスワカウント10達成時のバハムート効果に目を奪われがちですが、進化時能力こそがこのカードのキモです。

 まず、後4にこのカードに進化権を切れば4/4突進と3/2突進が立つため、相手の盤面への切り返しという上で同コスト帯の他のラスワ関連カードにはない強みがあります。
 また、《トート》下で進化をすれば《スカルフィッシュ》がラスワで合計4点飛ばす超高性能爆弾になります。下手に疾走打点に進化権を切るよりもこのカードに進化権を切って《スカルフィッシュ》を自壊カードで割った方が打点が伸びる場面もあります。

 そして言わずもがなラスワカウント10達成時のファンファーレでの盤面一掃能力もやはり強力です。
 相手の盤面を盤面をわずか2コストで返す処理能力だけでなく、《トート》下で爆弾になった横の自分のカードたちを射出できるという点で今回の構築との相性は格別です。

 さらに、EAA期のローテの【ラスワネクロ】は割って嬉しいアミュレットが《深淵の大佐》の結晶ぐらいしかありませんでしたが、今回の構築では自壊カードとして《骸の王》を採用している関係で割って嬉しいアミュレットが豊富に用意されており、存分にその実力を発揮できる環境となっています。

 このカードの登場により《骸の王》を実質6枚積むことができるようになったことで《トート》という受動的なフィニッシャーを【ラスワネクロ】の太い勝ち筋として据えることが可能になりました。
 【ラスワネクロ】の歴史は”イステン以前”と”イステン以後”に分けられると言っても過言ではないと思います。

〇《忌まわしき再誕》ー3枚

 ナーフにより2コストになったため他のカードとのくっつきが最悪になり、以前のように気軽に自壊札として使えるカードではなくなってしまいました。ゲーム中のあらゆる場面で「ここで再誕が1コストだったら全部が上手く回るのになぁ」と頭を抱えています。

 一方、盤面展開と手札補充の両方を狙ってここぞという場面で打ち込めればそのバリューはやはり破格であり、自壊札によってラスワカウントを調整したい【ラスワネクロ】としては相当の弱体化を受けてもなお採用しうるパワーを持っていることは間違いないと感じています。

 どうかナーフ解除をお願いします……

〇《セレストマグナ》ー3枚

 特定のデッキ相手に実質EXターンをもらえる本体能力に加え、ラスワ稼ぎの効率がイカれている結晶能力もめちゃくちゃに強力であり、【ラスワネクロ】の核だと考えています。

 まず結晶能力について、ラスワで《セレストマグナ》本体を出し、出てきた《セレストマグナ》本体のラスワのリアニメイト2でさらにラスワ持ちのフォロワーを出すことができ、2コストでラスワカウントを3進めることができます。ラスワ持ちのアミュレットとして《骸の王》との相性が良い上、カウントダウンが2と短く《骸の王》に頼らずとも十分に活躍できます。

 また、2コストで「結晶→本体→リアニ先」と3枚のカードを展開できるため《トート》下での火力効率にも目を見張るものがあります。

 見逃されがちなファンファーレでの回復抑制も分割リーサルになりがちな《トート》軸において相手をリーサル圏内から安易に逃さないという重要な役割を果たすことができ、構築と見事な噛み合いを見せています。

 次に本体能力について、スペルとアミュレットの使用を止めることで【超越ウィッチ】や【回復ビショ】等のデッキのリーサルターンを1ターンずらすことができます。しかし、【超越ウィッチ】や【回復ビショ】相手に1ターンもらったからといって次のターンに勝ち切れる手段がこちらにあるわけではないのでこの本体能力をもってそれらのデッキに対して有利とは言い切れず、慢心はできません。

 総じてテキストのどこをとっても無駄のない【ラスワネクロ】にとって完璧なカードだと感じています。

〇《骸の王》ー3枚

 ネクロマンサーのカードプールの中で最強の”自壊カード”。
 面ロックを解除することから結晶を割って大型フォロワーを展開して盤面圧をかけることまでなんでもできます。

 《骸の王》を開けたら最強になれるんですが、《骸の王》に構築を寄せた瞬間にラスワギミックが全て不純物になるのでデッキの焦点をどこに置くか明確にすることが大事です(特に《スピリットイーター》を採用した【ラスワ骸ネクロ】なる不埒な構築には注意せよ)。

 今回の構築はあくまで【ラスワネクロ】であり、《骸の王》への依存度100%の【骸ネクロ】ではありません。骸盤面を返されたとしても”ラスワカウントを進めてくれてむしろありがとう”という話になり、《骸の王》への依存度はさほど高くはありません。

 今回の構築においては4・5ターン目に一度《骸の王》を着地させ、こちらのラスワカウントを加速させながら対面には骸盤面に付き合わせてテンポロスを狙うことが理想的な動きです。ラスワカウント10という激烈に重たいミッションの中でも可能な限りアンリミ環境の速度に追いつこうと試行錯誤した結果、このカードに辿り着きました。

 また、今回の構築における《骸の王》はラスワカウントを爆発的に稼ぐだけでなく、《トート》下で爆弾になった盤面のカードを射出する役割も担っています。特に自陣を割ることに関しては《勅令の咎人・イステンデッド》の2コストよりも軽い1コストで運用できるため打点効率はかなり良いです。

 

〇《深淵の大佐》ー3枚

 ただの《骸の王》のお供ではありません。

 このカード1枚で、結晶と本体で合わせてラスワカウントを実質2コストで2進めることができ、その上で《トート》のバーンでは不足しがちな火力を疾走打点で補い、また回復力が低い【ラスワネクロ】におけるアグロ耐性を高めるといったように構築とちゃんと強力なシナジーを形成しています。

 また、4骸で大佐結晶を割ってそのまま盤面で圧殺するという上振れプランにも大きく貢献しています。やはり少しくらいの暴れ要素がなければアンリミではやっていけないのです、、、


[自由枠]

 以下は構築の方針や使用者の選好によって採用の是非が分かれるかもしれないカードです。

〇《記憶の軌跡》ー2枚

 手札を減らさずに1コスで2〜4回復できるというのは回復力に乏しい【ラスワネクロ】にとってそこそこ魅力的なカードです。
 《骸の王》や《友魂の少女・ルナ》につけてラスワカウントを加速させる役割も持たせることができるという要素も踏まえると自分の場にフォロワーが2体存在しなければ使えないという制約を加味してもアンリミ級で実用に足る性能をしています。

 しかし回復札としてはやはり回復量という点で少々心許なく、スペルという葬送の弾にもできない性質が邪魔になる場面もあり得るため他のカードとの比較の中で採用するかどうか、また何枚入れるか等を判断するのが良いと思います(特に《黒き死の騎士》との比較)。

〇《友魂の少女・ルナ》ー3枚

 本体はラスワを持っていないものの、トークンとして加わる《ルナの人形》がラスワを持っているので実質的にラスワカウントを稼げるカードとして運用できます。

 このカードの強みとしては手札1枚から2コストで2面展開できる点にあります。
 《骸の王》の贄として4面埋めなければならない時や《トート》下で爆弾を用意したい時にこの特性が活躍します。

 また、《勅令の咎人・イステンデッド》のラスワをはじめとして今回の構築ははちゃめちゃに墓地が貯まるのでネクロマンス6でのEP回復もかなり起動しやすいです。

〇《導く鐘・ベルエンジェル》ー3枚

 いくらアンリミがインフレしようと守護による妨害性能はいまだ一定の評価ができ、したがって(特にアグロ耐性のないテーマデッキにしてみれば)守護はあるに越したことはないというのが通説です。

 そのため「ラスワ持ちの守護」という条件で最も強いカードを探し、今回はこのカードを採用しました。

 ナーフの影響で《忌まわしき再誕》から出なくなりましたが、今の【ラスワネクロ】が《忌まわしき再誕》に依存する構築ではなくなったのでさほど影響はありません。《セレストマグナ》のラスワのリアニメイト2から出て一番強いフォロワーなので採用した方がいいです。

〇《フギン&ムニン》ー3枚

 最強リソース回復札。

 このカードの強みは3点あります。

 まず、手札が1枚から2枚に増える点です。
 【ラスワネクロ】は基本的にラスワで1ドローできるカードを多く採用することで手札を”減らさず”にラスワカウントを進めることを狙います。しかしながら、中盤以降は1ターンに複数枚手札を消費してラスワカウントを進める等の動きをしなければならない都合、どうしても手札が減っていくことは避けられません。
 しかし【ラスワネクロ】、特に多くの手札を費やして爆弾を投げつける必要のある《トート》軸では手札を”増やす”ことも必要になります。そのた単なるキャントリラスワ持ちフォロワーではないリソース補充性能を持っているこのカードは非常に重要な役割を持っています。

 さらにラスワカウント5以降は突進を持ち、自主的に退場することができる点です。
 (当たり先がある場合ではあるが、)自壊札に依存せずに自己完結してラスワカウントを調整できるのは非常に使い勝手が良いです。

 最後に手札1枚から盤面にカードを2枚並べることができる点です。
 こちらは言わずもがな《トート》との相性の良さを示します。《トート》下では「3コス/2点突進×2/顔4点/2ドロー」とリソースを確保しながらその隙を最低限にできるところが嬉しいポイントです。

〇《オミナスタイラント》ー2枚

 大概の盤面は《勅令の咎人・イステンデッド》で返せてしまうため本体で使うことはほとんどありませんが、結晶能力は未だ色褪せない強さがあります。

 結晶能力の強いところは3点あります。

 まず「結晶→不死者+解放者」で2コストからラスワカウントを3進めることができる点です。また、結晶から出てくる《よろめく不死者》が普通にクソ強く、《金色の威信・リュミオール》にリーサルを依存している【ディスカドラ】等特定のデッキを詰ませる性能をしている点も評価できます。

 さらにカウントダウンで結晶が割れるとターン開始時に2面に広がるので《骸の王》の贄として非常に優秀です。特に後4で割れると3ppで2面埋めることができれば《骸の王》の着地ができるため、ラスワカウント稼ぎを加速させながら盤面アドバンテージを広げることができます。

 加えて結晶置きした場合、「結晶→不死者+解放者→リッチ」と2コストから最終的に4枚のカードが場に出るため《トート》下での火力の高さが光ります。

〇《イグジストソード・ギルト》ー3枚

 同じ自壊札として《忌まわしき再誕》、《クランプス》、《ソウルコンバージョン》(または《枕元の不吉》)と比較し、盤面を開けられる、山札を掘れる、葬送の弾になれるという3点を評価して採用しました。

③採用候補カード紹介

※オススメ度:★☆☆☆☆〜★★★★★の5段階で評価

[1コスラスワ関連カードの比較]

〇《ボーンフリーク》ー★★☆☆☆

 除去されても場にカードが残るという点で《骸の王》の贄としての相性が良かったり手札1枚から1コストで場にカードが2枚出るという点で《トート》下での爆弾性能が高かったりしますが、所詮出てくるのが《スケルトン》というところでどこまで行っても”1コストのフォロワー”の性能を出ない点がイマイチ評価ピンとこない要素となります。
 また、エンハンス6が結構邪魔です。

〇《忠犬のゴースト》ー★☆☆☆☆

 ラスワで出てくる《ゴースト》が《トート》と噛み合わないのが苦しいです。
 また、このカードのラスワが1ターンに複数回起動してしまった場合、次のターンに《ゴースト》が盤面を圧迫してしまうのもかなり雑魚です。

〇《ファイトコープスドッグ》ー★★★☆☆

 置いておくだけで【ディスカドラゴン】や【回復ビショ】等への牽制ができる点が非常に強力です。しかし、同様の役割は《オミナスタイラント》の結晶から出てくる《よろめく不死者》でも担えることが多く、このカード固有の強みが生きる場面はあまりないです。

 加えて、このカードにできることは言ってしまえば所詮相手フォロワーをランダムに変身させるだけであり、他の環境デッキに比べ全体的なカードパワーで劣る【ラスワネクロ】においてそのようなピンポイントメタを採用している余裕があるかはよく検討する必要があります。

〇《カオティックドゥーム》ー★☆☆☆☆

 1コストで即時にラスワカウントを1貯められる点は非常に強力。5つのランダム能力を自在に使い分けられる強運があれば是非使いたい。

〇《荒天の雷神》ー★★☆☆☆

 キャントリラスワ持ちの1コス結晶は悪くないですが、【骸ネクロ】と異なりアクセラ3でのアミュレット破壊や疾走打点となる本体を十分に活かすことができないので無条件に採用とはいきませんでした。

〇《天界への階段》ー★★★★★

 枠があったら是非入れたいカードの1枚。

 このカードの強みは3点あります。
 まず、長いカウントダウンで場持ちが良いため《骸の王》の贄として非常に高性能です。加えて《骸の王》を早期に着地するためにやや強引にリソースを割いた場合も展開において失ったリソースを補充して確実にゲームを繋いでくれる点も見逃せません。
 さらに【ラスワネクロ】として不可欠な動きである自分の場のフォロワーを破壊してラスワカウントを貯めるという行為について《天界への階段》のカウントダウンを進めるという意味を付加し、その上で【ラスワネクロ】の課題である継続的な展開を支えるリソース補充をこれ一枚で解決してくれます。
 最後にこのカード自体が1コストでラスワカウントを1進められるカードの中で屈指のカードパワーを有しており、1コスラスワ持ちを多く採用してラスワカウントを素早く進めたいが1コスばかりだと個々のカードパワーが心許なくデッキの出力が下がってしまうという【ラスワネクロ】の構築上のジレンマを解消してくれます。

 ではなぜ今回の構築で不採用としているかといえばドローが即時ではない点、エンハンスがそこそこ邪魔な点、《フギン&ムニン》を採用して手札リソースの問題が解決しつつある点などを総合的に考慮した結果です。

[結晶ラスワ関連カードの比較]

〇《スピリットイーター》ー☆☆☆☆☆

 ただただ《骸の王》との相性だけで思考停止でこのカード入れてる【ラスワネクロ】を見かけるたびブチギレてます。

 《深淵の大佐》は結晶と本体それぞれがラスワを持っており、ラスワ稼ぎという観点の優秀さも踏まえて採用されていますが、コイツの能力はラスワ軸と何のシナジーもありません。さらに、《勅令の咎人・イステンデッド》のファンファーレで盤面を更地にした場合、コイツの出た時効果は完全に腐ってしまいます
 本当に序盤に運良く《骸の王》とセットで引けた時だけイキれる欠陥カードなので絶対に入れないようにしましょう。

 《スピリットイーター》を入れた【ラスワネクロ】はただただ事故りやすくなった【骸ネクロ】です。この世から早く絶滅することを願ってやみません。

〇《デスブリンガー》ー★☆☆☆☆

 変身させられるのは強いけどランダムなのがいただけない。中身が出てくるタイプの結晶ではないため《骸の王》で割る旨みに乏しいです。

〇《双魂の久遠・ケリドウェン》ー★☆☆☆☆

 キャントリ持ち・ランダム2点で盤面除去・ラスワでリアニメイト4という効果てんこ盛りな1コス結晶ですが、デッキとして葬送ギミックをほとんど採用しない都合、呑気にカウントダウン8を待たなければならないのが厳しいです。加えて「リアニメイト4」もほぼ腐るのでよく考えて採用を検討すべきです。

〇《幽魂の棺》ー☆☆☆☆☆

 《骸の王》への依存度を高めれば採用候補に入るかと思いますが、そうなるとラスワギミックがどんどん不純物となっていくためデッキの焦点をしっかりと定める必要があります。

[その他ラスワ関連カードの検討]

〇《コープスエリミネイター》ー★★☆☆☆

 アクセラが0コストでラスワ持ちのフォロワーを錬成できる点が強力に見えます。が、見えるだけです。

 このカードについて、0コストでラスワカウントを1進めることができるメリットよりも手札消費が激しくなり後続が続かなくなるデメリットの方が大きいと個人的には評価しています。

 現状の【ラスワネクロ】ではラスワカウント10の達成さえすれば1枚でゲームを畳める、いわば【セッカエルフ】における《宿命の狐火・セッカ》のような蓋カードが存在せず、ラスワカウント10を達成した後にも手札を複数枚組み合わせながら顔を詰めていくという戦い方が求められています。そのためリソース補充能力に優れた継戦能力の高いカードの方が優先度が高く、「あとのことは知らないけどとりあえず今あるリソースを投げ打ってでもラスワカウント10を目指すぜ!」というこのカードは向いている方向が若干ズレている気がしています。

 また《忌まわしき再誕》や《セレストマグナ》のリアニメイトの抽選に《ゾンビ》という不純物が混じるリスクも考慮しなければなりません。

 さらに早期に《骸の王》を着地させたい場面においては0コストでフォロワーを錬成することが期待されるにも関わらず、《骸の王》が着地するまでは墓場が足りずにネクロマンス4ができないという致命的な欠陥をこのカードは抱えています。

 テキストで見る以上に使ってみると案外使いにくいので0コストにしてはちゃんと調整されたんだなというカード開発陣の努力を感じ取ることができます。

〇《ナイトメアイーター》ー★★☆☆☆

 5コストで相手の盤面返して強い!というのはもはや通用しません。守護を持たないため返しのターンに頭越しに顔をどつかれて負けます。

 《勅令の咎人・イステンデッド》を投げれば相手の盤面の処理くらいわけない話であり、《骸の王》を用いれば圧力のある盤面を形成することも可能です。つまりこのカードの強みは今回の構築においては他のカードでも十分に代用可能というわけです。
 手札消費を抑えながら展開ができる点がこのカードの主張点でありますが、リソース面を工夫すれば手札消費の課題は解消できてしまいます。

 《骸の王》に依存しない純粋な【ラスワネクロ】を組むのであれば真っ先に採用が検討されますが、《骸の王》を解禁したのでこのカードの居場所は無くなりました。

〇《スカルドリーマー》ー★★☆☆☆

 アグロ性能を高めるという点では強力であるものの、ラスワで出てくる乗り物アミュレットは消滅するため《トート》との噛み合いがよくないという欠点があります。

〇《デスキャットリーパー》ー★★★☆☆

 2コストの確定除去が強力。自壊カードとしての役割も担える。ラスワでバーンも回復もそこそこやれる。弱くはないがなんだか中途半端、そんなカードです。

〇《一刀の幽鬼・カゲロウ》ー★☆☆☆☆

 墓場はじゃぶじゃぶだからラスワのネクロマンス消費はさほど問題ではないです。しかし、対象がないと打てない《魂の一刀》と盤面を一掃してしまう《勅令の咎人・イステンデッド》の相性が致命的に最悪なため絶命しました。致し方なし、退路なし。

〇《カースドソーサラー・リーズ》ー★☆☆☆☆

 葬送しなければならないものの、ファンファーレで盤面にランダム3点を飛ばしラスワで1ドローするというスペックは意外と【ラスワネクロ】に向いているかもしれないですね。

〇《黒き死の騎士》ー★★★★☆

 【ラスワネクロ】にとっての貴重な回復手段ではあるものの、相方の《忌まわしき再誕》がナーフにより致命的な打撃を受けてしまったため《忌まわしき再誕》とのシナジー込みでの評価だったこのカードのバリューは著しく低下してしまいました。

 環境やデッキの回しやすさなどを考慮して《記憶の軌跡》と入れ替えながら使いたいカードです。

〇《死門を繋ぐ者》ー★★☆☆☆

 《トート》のリーダー付与能力の発動がファンファーレではなく「場に出た時」であれば山札からリクルートできるこのカードの価値は大きく変わっていたはず。

〇《王墓の骸》ー★☆☆☆☆

 インフレの波に飲まれてしまったカード。
 墓場もリソースももう間に合っています。

〇《常闇の花嫁・セレス》ー★★☆☆☆

 《インモラルディザイア》を《骸の王》に付ける時だけ面白い。あとはコストの重さにイライラするだけ。

〇《鎖杖のネクロマンサー》ー★★☆☆☆

 「3コス5点疾走1ドロー」というスペック自体は悪くないですが、リソース問題さえ解決できれば《冥焔の獄犬・ケルベロス》の方が火力が出る(かつ《トート》との相性が良い)のでデッキを選びます。

〇《人外魔境・クリストフ》ー★☆☆☆☆

 4コストという本体の重さ、本体がラスワを持っておらずラスワカウントを進める上での事故要因、盤面制圧というアンリミで最も通用しない勝ち筋を追い求める存在、全てが弱いです。

 かつては《トート》下で爆弾にした場のカードが無視されないようにするという目的で守護の付与に一定の意味を見出すことはできました。しかし、《勅令の咎人・イステンデッド》が登場してからは《トート》下で作られた爆弾を自発的に射出することが可能となり、上記の役割が評価されることも少なくなりました。

〇《ネクロインパルス》ー★☆☆☆☆

 ラスワ軸とまるで関係のないカードですが、墓場自体はめちゃくちゃ貯まる上、単体でめちゃくちゃに強いから採用しうるかもしれません。下品ですが。

⒉おわりに

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 【葬送ネクロ】と【骸ネクロ】という二つの強力なアーキタイプがすでに存在しているアンリミのネクロにおいて、実力で劣る【ラスワネクロ】はどうしても注目を集めにくい状況にあります。

 しかし、【ラスワネクロ】にはラスワ軸にしかできない動きがちゃんとあり、独自の面白さや強みは確かに存在します

 今回の記事は【ラスワネクロ】というデッキタイプにおける構築の幅広さやちゃんと組めば独自の強みを活かしながらちゃんと面白くかつしっかりと戦えるという魅力をできる限り伝えられるように意識しました。

 ともあれ、この記事をきっかけに【ラスワネクロ】で遊んでみようと少しでも思ってもらえたら幸いです。

 当ブログでは【ラスワネクロ】をはじめとしたアンリミのテーマデッキについての構築記事を書いておりますので今後とも何卒よろしくお願いします。

 また、今回の記事について何か質問・ご意見等がありましたらコメント欄か私のTwitterアカウントまでお寄せください。なんでも良いので反応をいただけると嬉しいです。


 ではまた。

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