「無断 生成AI・基盤モデル」の推進メンバーまとめ ① 代表的な推進組織メンバー 編 【推進母体は,大学教員など「アカデミア」エリート勢】
1. はじめに
この記事では,2022年後半以降にブーム化した生成AIを,「AI戦略会議に追従する形で,無断学習の生成AIを推進してきた代表的な組織とその役員メンバー」の一覧をまとめます🍊.
より具体的には,2節にて,生成AI推進の中心組織である,AI戦略会議(およびAI知的財産検討会)や,JDLA(日本ディープラーニング協会)・LLM勉強会(LLM.jp)について,それらの委員・リーダー役をリストアップすることで,生成AI推進派のメンバーの,所属組織・経歴を知ってもらいたいです. [※ 2024年11月2日(土)時点での情報] .
2節の「生成AI推進組織 とそれに追従する大学や企業・マスコミなど」は全て,『著作権法 第30条の4』の存在で「無断生成AIが無規制状態」であるのを良いことに,「生成AIの基盤モデルの事前学習(①)と,LoraチューニングやGPTsなどの追加学習(②)」の双方で「他人のデータを無断で勝手に学習して使用・販売するモラルの無さ」を無視したまま,無断学習生成AI&基盤モデルの研究開発・商用化を推進し,不当な利益を得てきたと思います.彼らは自分達さえ儲かれば,不都合な面や将来的リスクに,被害者の声や経済的損失は全て無視するor 気づいてもいない「今だけ金だけ自分だけ」の人・組織であると,ここ2年の彼らを見ていて感じます.
またAI研究者・AI開発者勢にいたっては,経産省GENIACなどに代表される「国からの研究開発資金」や,生成AIを元に申請した「ビジネス補助金」などで税金での補助金→それを元にした給与・利益を得てきました.これまでの令和の「物価高で生活に苦しんでる人も多いスタグフレーション」の中で,我々の大事な血税で,無断学習で東洋的な生成AI・LLM・ChatGPTで,お金や利益を沢山手にしてきた企業や大学研究室や人であるわけです.
以降では,まず1.1節で「アカデミアが,ゴリ推し無断生成AI推進の元凶である」という,私の主張を展開し,2節の動機付けをします.次の1.2節では,現時点でリスト化しておきたい背景となった,最近の批判的生成AIへの話題2つ(①声優陣の#NOMORE無断生成AI動画公開 と ②元OpenAIの告発の話題)に触れます.それを元に2節では,生成AI推進組織と,そこに委員・役員として関わる人達を,列挙してまとめます.1.3節では,2節でのリストアップへの準備として,2022年末からの「批判があったのに,ブーム追従して自分たちだけ得してきた」という流れを短くまとめて,その悪質さを(抽象的・俯瞰的にだけ)論じておきます.
1.1 元凶は「アカデミア」 .なかでも「作る配る×無規制をリードする『大学研究者×法律家』」が元凶.
(以前からXでも話している通り)私としては,これまで無断生成AIの被害をうけている皆様は,個々人の責任よりは,私AI戦略会議周辺の責任者メンバー達の「組織全体でのゴリ推しによる経済的損失・精神的損失の責任」を問うべきである考えています.そして,(2節でまとめる)日本での生成AIのトップ推進組織を構成するのは「アカデミア(大学教員・企業研究者,大学の教員)」や,AIテック企業の研究開発者や,弁護士・法律家 ばかりです.つまり,生成AIゴリ推しの母体のメンバー「アカデミア勢=大学,研究者・学会」なのです.まるで大企業が主に推進しているように勘違いしていませんでしたか? (※この記事では「構成員のリスト化(2節)」までに留め,個々人や各企業・各研究者へのより具体的な個別批判までは行ないませんが).
そこで,この記事では,2節の「生成AI推進の各組織の責任者」である,大学教員・企業研究者や,開発企業とその開発者に,法律家勢やコンサルタントにフォーカスし,推進責任者として彼らをリスト化し記録・周知します.それにより,「彼らの生成AI推進 組織のメンバーであった責任」を問う人々が「#NOMORE無断生成AI」を掲げる方々などを中心に増えたり,「問題の出元がアカデミアである」事を,一般人や,AI業界内でも周知・認知されやすくもしたいのです.
逆に,この記事では「宣伝やPRして推進してきた人達」である,書籍著者・出版社・ライター・驚き屋・AIコンサルなどについては,批判対象のフォーカスからは一旦除外します.なぜなら,生成AIのソフトウェアをつくったり売っている火元・出元は,「つくって配っている開発者・企業や,それを無規制のまま放置してきた大学・法律家・弁護士勢」に他ならず,そのトップ層の出元に,批判や改善の促す矛先をフォーカスする必要があると思うからです.当然ながら,(アカデミアやテック企業勢と一緒に,宣伝・推進を行なってきた)マスコミ・出版や,PR役を担った研究者・驚き屋勢も最低だと思います.しかし,この記事では「2次の出元(もらったモデルを受け流す側)」として一旦除外し,「1次の出元は『つくって配る』研究開発者勢や,アカデミア(大学・学会)側にある」ことを,まずはよく理解してほしいのです.
自身で生成AIを作っていない or 創れない(研究開発で進歩させらない)ような,メディア・宣伝屋・AI驚き屋に,Chat API使用開発者やLLM開発者・AI絵師・AI対話師などは,所詮は他人からもらった生成AI・LLMを売っているだけで自分ではつくる実力はありませんから,大元の原因とはなっていないないのです.その意味では,オープンソースで無断LLM・基盤モデルをばらまいている日本語LLM界隈も,無断生成AIを推進してきた責任が非常に重いと思います.Stable Diffusion/Midjourneyや,GAFAの各LLM(Llama3など)も同じで,「無料でHuggingface/Githubでソースコードまで公開・配布されてしまっている」からこそ,素人でもエンジニアでもKagglerでも「研究者レベルじゃない人が誰でも使えて」厄介なことになっています.「つくる側・配る側」である,AI研究・AI開発者が一番の大元です.
また無断学習生成AIは,もし適法が存在したり立法されれば,カオス化を防げたり,早めに収束できたという意味で,それを許さず無規制での推進を後押し・サポートし続けてきた,法律家・弁護士勢の責任も非常に重いと思います.「研究者・開発者勢だけが無法地帯化する」ことは不可能であり法律が緩くて許されてしまっているからこそ,AI戦略会議(2.1節)の法律家・弁護士勢の「合法だ」「規制は要らない,大丈夫だ」という助けがあって,無断生成AI 商売が成り立ってきたはずです.特に「著作権法 第30条の4」をつくったり,擁護してきた当人達 (AI戦略会議参加の法律家勢)がもたらした,日本での生成AI・学習データ無断使用の被害は責任は甚大ではないでしょうか?
つまり,「作る配る(研究者がリード)」×「無規制(法律家や官僚がリード)」という,腐敗した「AI研究者×法律の2分野アカデミアの魔合体」の先導により,AI戦略会議および,無断生成AIの被害者無視・除外でのゴリ推し推進がこれまで続いてきたと言えます.
著作権侵害の相手である無断学習相手のクリエイター勢の(元データ)や,それによりダメージを被ってきた各業界の声を無視し,AI戦略会議・JDLAや,国に国プロ研究(NEDO,CRESTなど)やマスコミ・生成AI驚きやたちの「お祭りイケイケ方針」に,ずっと批判をせず追従してきた「無断生成AI推進派の皆さん」は,功利主義・資本主義(特に真自由主義)やデジタル・AI原理主義の行き過ぎに陥っているのではないでしょうか?
無断生成AIを通じて「勝手に他人のデータをつかって商売している,グローバル植民側・破壊者になって平民・貧しい人や,データ作者のクリエイターを搾取していた」ことを,生成AI推進派として活動してきた研究開発者や企業の人達は,自覚しているのでしょうか?未だに気づいていないとしたら,野獣化・マッドサイエンティスト化しすぎであり,技術倫理があまりに無さ過ぎて,罪深いです.これも,各個人の責任というより,2節の各組織の責任・およびアカデミック・産業界・学会全体の「誰もお上に物を言わなかった連帯責任」であると私としては考えます.本当にうちのAI系各業界が,みなさんに迷惑かけてばかりで,申し訳ない限りです.
1.2 最近の批判的話題
この1.2で取りあげる2つの話題が「批判の声が一般報道・地上波等にもよく出始める切り替わりのタイミングになる」と,私的に感じたので,よい機会ですので,この記事で,代表的な推進組織とそのメンバーを,あらためてリスト化してまとめることにしました.
まず1つ目の話題は,先日,声優の方々による以下の「『 #NOMORE無断生成AI 』 」の動画 がyoutubeに公開された件です.ここでの訴えがテレビ地上波でも珍しく放送されたため,「無断なデータ学習による生成AI」への批判や懸念の声が,ここ最近更に強くなっています.
次に,2つ目の話題です.今週,元OpenAI研究開発者であった人が「OpenAIは著作権法を破りまくっている」と告発したことが,海外で大きな話題になっています(※ 日本では,地上波等であまり話題にならず).
この記事でも書かれている通り,OpenAI・ChatGPT以外でもマルチモーダル基盤モデルの開発 or 使用企業の大手AIテックの,
Microsoft
Google (Geminiなど)
Anthropic (Claude)
Meta (Llama3)
Stablity AI (Stable Diffusion , LAION-5Bで学習されたCLIP )
などは,それぞれ各国で,著作権・権利侵害訴訟を受けている真っただ中です.しかし,日本のテレビやWebメディア等では海外の生成AI情報の統制が激しく,「生成AIについてのポジティブな情報」しか出さないで来たため,これら海外での権利侵害訴訟や,批判的なニュースはほぼ流れませんでした(※流れたのは,2023年夏のハリウッドストくらい).そもそも,この「OpenAI元研究者による著作権侵害だ発言」自体も,AI戦略会議と同様にグローバル経済派の日経/テレ東や日テレ・Abemaにグロービスなどが嫌う,「生成AI・DX推進の日本の財界が損をする」話題ですので,大々的には取りあげてくれていませんよね.
そうした「生成AIのポジティブな話題だけ地上波や大手経済誌・テック雑誌に載って,ネガティブな話題は無視やスルーされる状況」が,これまでずっと続いており,批判派のクリエイターの皆様は,X上などで情報周知や批判を繰り広げている「閉じこめられ状態」でした.それが,どうも上記の 『#NOMORE無断生成AI の声優動画公開』を皮切りに,生成AIへのネガティブな論調や批判的な話題も,テレビ地上波・新聞や,大手Webメディアに少しずつ載り始めるように,変化が出ていく気がしています.特に,有名・ベテラン声優勢が,この問題をしっかり発信・周知して下さったことは,これまでネガティブな話題に無知・無関心だった層にも知られ始めるはずで,マスコミとしても批判的な話題も取りあげていく分岐点となった気がします.
1.3節 批判を無視 or 気づかず,無断学習生成AIで「自分たちだけ,被害者を無視して儲けてきた」ことの悪質さ.
2022年末ごろから,X上やネット上を中心に「Stable Diffusion / Midjourneyなどの,著作権侵害性・クリエイター業界への機会損失制」への批判や「CommonCrawl および LAION5B など,無断学習に使用されている元データの(著作権侵害性・盗用製に加えて)内容の倫理的まずさ」への批判が,イラスト系のクリエイター勢を中心に始まっていました.私も,CVMLエキスパートガイドの旧Xアカウント(現在は削除)に,漫画・イラスト系の方々からのフォロワーが一気に増えた「2023年の3月」以降に,批判の声出しを本格的に始め,彼らと連携した批判態度をX上で続けてきました.また2023年春以降に,AI戦略会議(2.1節)やAI知的財産検討会(2.2節)が開始されても,その中に批判姿勢のクリエイター勢は一切よばれず,AI業界やJDLAまわりだけで委員が固められていた「反対派の徹底締め出し態度」も批判されていました.
しかし,推進派の大学研究者や開発企業勢は,2022年末以降のこの2年,自己批判・自浄作用を効かせることはできず,「無断生成AI・基盤モデル」で自分たちだけ大きな利益を得てきました.
「無断学習であるゆ著作権侵害」なのに,権威から「30条4のおかげで合法だ」と言われており,負けた判例も無いからといって,「グレーゾーンを越えた無断生成AIの商売・開発」をずっと続けてきた彼らには,「技術倫理および社会倫理の欠落」を感じます.無断学習での著作権侵害・資産盗用による経済的損失や,(画像や音声などの)ディープフェイクの被害に,対話AIの負の側面などを無視して黙り込んだまま,ここ2年の「無断生成AIブーム」を謳歌し,大きな経済的利益や国税を得てきた事は,非常に罪深いと思います
2節で取りあげる各組織の役員・委員勢は「生成AI推進の日本での責任者」であったので,ここ2年でのクリエイター勢などからの批判にきちんと耳を傾けて,「許諾済みの事前学習になるまでは,盗用的な無断学習の生成AIの商用使用は辞めよう」,「問題性が解消されるまでは,生成AIの研究開発には一切手を出さないようにしよう」などと,批判や反論の声を上げて,一旦商売や研究はやめるという「道義的に正しい振舞い」をすれば良かったはずです.
2. 生成AI推進派のトップ組織と,その委員・役員一覧.
2節では,現在まで日本での生成AI推進の中心を成す,AI戦略会議をはじめとした,アカデミア系中心の組織と,その役員・委員メンバーまとめていきます.(※ 一部それ以外の,企業の役員や,コンサルタント系・天下りしてきたDX推進系の人なども,各委員には含まれています)
これ以降,人名をリストで列挙する際には,敬称を略します.また登場した人の所属等は,本日[2024年11月2日時点での情報]であることに,ご注意ください.
1.1節でも述べた通り,組織メンバー個人の責任ではなく「推進組織全体としてのグループ責任」を私としては問いたいです.そして,それは各組織の主要メンバーである「大学教員勢・研究者・学会アのカデミア全体の堕落」にも見えると思うのですが,皆さんは大元は「腐ったアカデミア」だと感じられているでしょうか?
1節で抽象度高めに批判をしたので,それ以上の具体化は行なわず,2.1節以降は,あくまで各組織のメンバーのリスト化までに留めます(=1節の話以上の警鐘や,具体的な個人への批判は,ここで行ないません).
2.0 岸田首相との車座対話 および JDLAの緊急企画
(※ コメントへの返信内容に伴い,後から追加した節.2024/11/5に追加)
AI戦略会議(=国から指示・依頼を受けた形での,内閣府の生成AI推進母体)は,以下の「AIに関する次世代リーダーとの車座対話(令和5年5月9日)」が,実質的にGOサインでした.
「AIに関する次世代リーダー」として,昨年のこの車座対話に招かれていたのは,以下の「以前からAI業界で目立っていた」メンバーです:
岡崎直観 (JDLA 理事,AI知財検討会,LLM-jp WGリーダー) : 東京科学大学 教授.日本の「自然言語処理(NLP)」の研究分野での中心人物. 無断学習LLMであるSwallowもつくっている人.
深津貴之 note社 CXO :THE GUILD代表取締役,一般社団法人UXインテリジェンス協会理事,Stability AI Japan アドバイザー ,(※ 最近はGEMNIを推すのも手伝っている)
安野貴博 :松尾研卒で,当時Gunosyの関氏に誘われ未踏へ .ボスコン→ChatボットのBEDORE(現PKSHA Communication)のCEO→ MNTSQ創業 .彼の Wikipediaには,生成aiで声まねを行なった車座対話の写真付もある.
工藤 郁子 (元 JDLA有識者会員):大阪大学 社会技術共創研究センター 特任准教授.元PHP総研.世界経済フォーラム(WEF) 第四次産業革命日本センター プロジェクト戦略責任者.3次AIブーム時代から人工知能学会などでAIと法の研究発表をしてきた人(例:AI戦略会議の江間有沙 東大准教授との共著発表).
そして,以下の報道記事であるように,上記動画の5/9の車座対話を受けて「AI戦略会議(次の2.1節)」が設置されることになりました.
本来であれば,上記の車座対話参加者のAI専門家・AI研究者勢が,「ディープフェイクなどがあるので危険です」「LLM/ChatGPTや画像生成AIは,基盤モデルからして大量無断学習であり,好ましくありません」などと,負の側面や将来的なリスクも,(真の専門家であるならば)岸田首相(当時)や政府に提言すべきでした.また,その上で「AI戦略会議の発足」そのものや,「AI戦略会議・JDLA周囲の生成AI推進派の企業・大学研究者だけ独占的に儲けたり,GENIAC補助金や国プロ研究などの国税からの支援をジャブジャブと貰う」という,その後の「今だけ金だけ自分だけ」の状況を,彼ら車座対話メンバーは,制止(あるいは自制)すべきでした.
皆さんも車座対話を「AI戦略会議GOサインの起点・開始点」とみなして,生成AI推進派の人や企業たちのこれまでの行動を論じることをオススメしておきます.
2.1 AI戦略会議
日本の生成AI推進の母体である,内閣府の「AI 戦略会議」の委員を,以下に列挙します.
江間 有沙 東京大学未来ビジョン研究センター 准教授
川原 圭博 東京大学大学院工学系研究科 教授 ,メルカリ R4D 所長
北野 宏明 ㈱ ソニー副社長 CTO,株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長,株式会社ソニーリサーチ 代表取締役
田中邦裕 さくらインターネット㈱ 代表取締役社長
岡田 淳 森・濱田松本法律事務所 弁護士
山口 真一 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授(GLOCOM)
【座長】松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科 教授,ソフトバンクグループ社外取締役,JDLA 理事長
2.2. AI時代の知的財産検討会
AI戦略会議の,下部組織として運営されていた,AI時代の知的財産検討会 (以下「AI知財検討会」)のメンバーを以下に列挙します.
(※ AI戦略会議の委員でもある,佐渡島庸平 氏・岡田淳 弁護士・江間有沙 東大 准教授 の3名に注目すべし)
法律家系 =「著作権法30条の4」を制定・推進してきたメンバー
上野 達弘 早稲田大学法学学術大学院法務研究科教授
福井 健策 弁護士、骨董通り法律事務所
竹中 俊子 ワシントン大学ロースクール教授、慶應義塾大学大学院法務研究科教授
岡田 淳 弁護士、森・濱田松本法律事務所
クリエイター系
佐渡島庸平 ㈱ コルク 代表取締役社長 (元 週刊モーニング編集部)
新 清士 デジタルハリウッド大学大学院教授、㈱ AI Frog Interactive 代表取締役
JDLA会員企業からの代表(= 3次AIブームの代表企業2社):
福田 昌昭 Preferred Networks コンシューマープロダクト担当 VP
JDLA 理事勢:
【座長】渡部 俊也 東京大学執行役・副学長、未来ビジョン研究センター教授
2.3 JDLA (日本ディープラーニング協会) と理事・顧問
AI戦略会議の座長である松尾豊 教授は,日本ディープラーニング協会の代表も務めており,つまりは「JDLA自体も,生成AI推進派でここまで来た(無断生成AIなどの反対や中止を求めなかった)」と言えると思います
そこで,JDLAの理事と,有識者会員を列挙しておきます.彼らは産業界とアカデミア(学会や論文)の両方で,無断生成AIを研究開発し続けてきた責任が大きいはずです.
Aboutページ(協会について)には,以下の代表・理事・顧問が掲載されています.(※ 2024年 10月31日時点)
【理事長】
松尾 豊 東京大学大学院工学系研究科 教授
【理事】
井﨑 武士 エヌビディア合同会社 エンタープライズ事業本部長
江間 有沙 (AI 戦略会議&AI知財検討会メンバー) 東京大学国際高等研究所東京カレッジ 准教授
岡崎 直観 (AI知財検討会メンバー) 東京科学大学 情報理工学院 教授
岡田 陽介 株式会社ABEJA 代表取締役社長CEO
岡田 隆太朗 一般社団法人日本ディープラーニング協会 専務理事 (※ ABEJA共同創業者) .インタビュー記事:「AIを使わないことこそがリスク。生成AIの企業導入におけるガイドラインの重要性」
尾形 哲也 早稲田大学基幹理工学部表現工学科 教授
柿沼 太一 弁護士法人STORIA法律事務所代表パートナー弁護士,G検定問題集などで知られるスキルアップAI では 知財・契約系講師.(※ 現在スキルアップAIの会社は社名をスキルアップNeXt に変更)
西山 圭太 東京大学未来ビジョン研究センター客員教授,「DXの思考法」の著者.2023年6月よりパナソニックHD社外取締役
川上 登福 株式会社IGPI Digital Intelligence 代表取締役CEO
竹川 隆司 株式会社zero to one 代表取締役CEO
南野 充則 株式会社GROWTH VERSE 代表取締役CTO
藤吉 弘亘 中部大学 理工学部AIロボティクス学科 教授
八木 聡之 富士ソフト株式会社 常務執行役員
【特別顧問】
【顧問】
森 正弥 博報堂DYホールディングス 執行役員 Chief AI Officer,「mercari R4D」研究開発アドバイザリーボード (元 楽天役員,楽天技術研究所→デロイトトーマツ)
𠮷本 豊 JSR株式会社 執行役員
2.4 JDLA 有識者会員
また「協会会員」のページには,企業一覧と同時に,以下の「JDLA有識者会員」も書かれています.彼らJDLA有識者会員勢も,JDLA理事の人達と同様に,AI戦略会議&AI知的財産検討会の「ゴリ押しの生成AI推進」に,何も批判や意見をしなかった人達ですので,以下にリストアップします:
北野 宏明 (AI戦略会議メンバー) ソニーCTO ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長兼所長
顧 世翔 Shixiang Shane Gu (シェイン・グウ) Google DeepMind 研究員 (元OpenAI)
馬渕 邦美 一般社団法人Metaverse Japan代表理事,デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 Customer AI Hub Unit Leader
丸山 宏 Preferred Networks PFNシニアアドバイザー,東京大学 松尾・岩澤研究室 特任教授 (※ 3次AIブームでのAIビジネス宣伝隊長であった人物)
法律家勢:
柿沼太一 弁護士法人STORIA法律事務所代表パートナー弁護士
羽深 宏樹 弁護士,京都大学 法政策共同研究センター 特任教授 ,こども家庭庁 こども・子育て分野における生成 AI 利用等に係る調査研究における有識者検討委員会 座長
柴山 吉報 阿部・井窪・片山法律事務所弁護士・機械学習エンジニア
巣籠 悠輔 東京大学大学院 工学系研究科 招聘講師.
画像・ロボット系の研究者勢(内閣府ムーンショット研究にも参加中)
牛久 祥孝 オムロン サイニックエックス株式会社 ,株式会社NexaScience(※ ムーンショット目標の実用化企業) CEO
岡谷 貴之 東北大学大学院 情報科学研究科 教授
山下 隆義 中部大学 工学部情報工学科 教授.※ G検定教科書の常連.
尾形 哲也 早稲田大学 基幹理工学部表現工学科 教授 avatarin社 アドバイザー.
清田 純 理化学研究所 情報統合本部/先端データサイエンスプロジェクト・医療データ深層学習チーム・チームリーダー.avatarin社 アドバイザー.
AI系学会の大御所勢:
2.5 LLM勉強会 (LLM.jp)と WGリーダー勢.
2023年春から国立情報学研究所(NII)が主催してきた「LLM勉強会(LLM.jp)」 と,その開発母体であるNII内の組織の「LLMC (LLM研究開発センター)」も,生成AI研究開発者が大集合している溜まり場であり,この記事でトップ推進組織の1つとして紹介します.
生成AI推進の企業の多くも,自社の生成AI・LLMの開発チームの社員を,このLLM勉強会に参加させています .参加者一覧は,以下「メンバー」ページを参照.また,実際に販売・ビジネスしている企業だけでなく,東大を始めとした旧帝大や早慶のNLP系研究室も,このLLM勉強会のメンバーに加わっています.
NII自体や,参加メンバー自体は,誰もLLM勉強会が「ゴリ押しの無断学習生成AI推進に加担する,道義的に悪いこと」だとは,(他の多くの推進派の人達同様に)全くもって,わかっていないようです.
その証拠として,以下のようにNIIの機関誌では「LLM勉強会の特集記事」が組まれており,さも大きく社会貢献しているかのようにPRしています.実際は「無断学習なLLM」や,「(最近主流の)無断学習なマルチモーダル基盤モデル」は,知財タダでのバラマキや,ChatGPTなどの著作権侵害ビジネスに繋がっている,海賊行為や弱者搾取なのですが... (たとえ許諾済みでも,無料で学習データ取られているSNS (XやInstagram/Metaなど)が殆どであり,大規模基盤モデルが,「庶民搾取」や「データ売国」である事には大差ありません)
と,このインタビュー記事であるように,黒橋所長と上記インタビューを受けている3名が,NII内での筆頭メンバーのようです.
LLM勉強会は,サブテーマに分かれた「ワーキンググループ(WG)」が個別に並列して運営されおり,「資料」 のページに,各WGの進捗報告の資料が公開されています.各WGは,LLMCで客員教授として働いている以下リンク先の「科学主幹」「研究者」のメンバーが主導メンバー(=WG幹事)となっています:
以下,各WGの幹事をまとめます.
マルチモーダルWG:
岡崎 直観 (JDLA理事) 東京科学大学 教授
モデル構築WG:
鈴木 潤 東北大学乾・鈴木研究室 教授
コーパス構築WG:
評価・チューニングWG :
安全性WG :
関根 聡 NII特任教授
実環境インタラクションWG :
尾形哲也 教授 (※ JDLA有識者)
mdx(さくらクラスタ) WG幹事:
空閑洋平 東京大学情報基盤センター 准教授
これだけ自然言語処理(NLP)の有名どころの研究者がずらりと並んでいるのに,誰一人として「大規模な無断学習だ.この技術には,商用化に手を出してはいけない」と気付けないし言い出さない状態は,あまりにも衆愚すぎなのでは? 2022年からずっと批判の声だしを続けている,倫理観・EQの非常にクリエーターの皆さん達と,大学教授職や研究職を取り換えてほしいと,感じます.あまりにも,各組織や個々人の倫理レベルが低すぎです.
各WGのリーダーは,以下のように,NII機関誌でもインタビューが組まれています.これらの記事でも,無断学習LLMや基盤モデルの開発を,さも武勇伝のように語っていて,各研究者が腕組みのパワーポーズまでしているのは,ホントに気が狂っていますね… エゴを最優先して視野があまりに狭くなっており,無断生成AI・LLMによって,経済的にも精神的にも大きな犠牲や被害が出ていることを気づけていない証拠だと思います.
また,毎回の勉強会の開催では,WGごとの発表に加えて,生成AI推進の企業が無断学習LLMの開発成果を披露していたりもして,これもLLM-jpに参加する全企業が技術倫理がないことを表しています.
(例:第13回の PLaMo100Bの事前及び事後学習(三上裕明、中郷孝祐/株式会社Preferred Elements) .
2.6 初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議
(2.6節は2024年12月1日追加)
文部科学省の以下会議で「未成年教育向けの,生成AIの利活用」という,これまた「推進・活用一辺倒のスタンス」のおかしな会議体が動いています(※12月1日現時点で,第6回まで開催).
詳しい経緯までは割愛しますが,もう一つ上のレイヤーに,「ギがスクール構想」の延長の会議体も動いており,こちらの生成AI会議は,それの生成AI版という感じの(デジタル)教育利権系のメンバーが選ばれています.
以下が,委員名簿のぺージにある,以下の方たち委員メンバー(令和6年7月25時点)です:
[座長] 石川正俊 東京理科大学 学長 ※ 以前はずっと東大教授であった人.
相澤彰子 (LLM.jp(2.4)のNII) NIコンテンツ科学研究系 教授・副所長
今井むつみ 慶応義塾大学 環境情報学部 教授 (※ 反対姿勢・慎重姿勢を強く出している方.応援すべし!)
江間有沙 (AI 戦略会議&AI知財検討会メンバー ) 東京大学 国際高等研究所東京カレッジ 准教授
佐藤和紀 信州大学 学術研究院教育学系 准教授
鈴木秀樹 東京学芸大学附属小金井小学校 教諭
藤村裕一 鳴門教育大学大学院学校教育研究科教授,教員養成DX推進機構長
細田真由美 兵庫教育大学 客員教授、前さいたま市教育長
吉田塁 東京大学大学院 工学系研究科 准教授、東京財団政策研究所 主席研究員
他委員の「DX・生成AI推進一辺倒な雰囲気」を,唯一,今井むつみ委員だけは,第3回以降に強く牽制してくださっています.彼女は認知科学(特に記号接地)が専門であり,なおかつそれを応用した初等中等向けの学習の現場や,具体的に改善案に長けている方です(著書も多数).
第3回会議では,その今井みつみ委員が,記号接地の観点で,「小中〜からの生成AI使用は,認知能力(特に記号接地)の成長を阻害する[資料2-1]」という話を展開したうえに,第2回会議で (1) みんなのコード利根川委員と,(2)今井翔太氏(=えるえる)の発表内容を,負の側面を考えない推進一辺倒のワクワクしすぎだと断罪している資料も,それぞれ提出しています[資料2-2,2-3].第4回会議でも,NIIの新井紀子教授が招かれ,教育むけの生成AI推進に対して,否定的な観点を述べてくださっています.最新の第6回会議でも,彼らが策定しようとしている,更新された「教育向け生成AIガイドラインの新案」に対して,忖度無しに批判的な意見を出しています.
このように,今井むつみ委員のおかげで,正常化しそうな兆しはあるのですが,他のメンバーは「教育DX脳・教育生成AI脳」というかんじの,権威に弱くて従うだけの発想の委員が多い印象です.以前のギガスクール推進でも,極端なタブレット・教育DX化に加担してしている経歴の委員が多いです.なかでも,鈴木秀樹 委員(東京学芸大附属小金井小学校)の,以下のCopilot 動画出演などは典型です.
この方は,こうして「グローバルテックの使徒化・宣伝マン化ぶり」がひどく ,MicrosoftやGoogle の学校教育向けデバイス・アプリの(無料)営業と化してしまっている感じです (※ 後述するに,2.5節までの各組織の委員も全て,グローバル権威やWEFの奴隷なムーブしかできないのは同じですが…)
まともな製品ならさておき,無断学習の生成AIを,国の会議や,こうしたCM出演で推薦することで,「 ①グローバル海外企業の肩を持って,国益を失っている(工作員外人タレントと等価) 」「② 本人はグローバル教育・メディアに深く洗脳されているので,自身が植民ビジネスに,リーダー格として加担している自覚が皆無」という2点が,見ていて厳しいです.
彼のnoteの各記事も辿るとわかりますが,無断学習生成AIの小中高向け推進や,その結果Microsoft/OpenAIやNVIDIAなどのビッグテックの製品を布教することを,むしろカッコいいことと思っているはずです.でも,これは,別に鈴木氏個人だけに当てはまる訳でなく,生成AI推進派でGoogle/AWS/Microsoft/NVIDIAなどの宣伝役を担っている人たちにみんな共通している「無自覚のグローバル植民加担」だと思います.国産(無断)LLM/生成AIなんて最悪なものを,国やマスコミやグローバル企業勢に言われるがままに散々プッシュしてきた2.1~2.5の委員達や,そういうリーダー格ではないけど各社や各大学の無断生成AI研究者・開発者も同類です.宣教師や海賊に,昭和のバブル期からの日本グローバル企業の,海外勤務の人などとも同じで,やっている事が「グローバルビジネス侵略・空いての国益を棄損」であります.
例えば,AI戦略会議の母体でもあるメルカリから,グローバル部門として英国メルカリ担当として派遣されていた伊藤錬氏が,その後 Stability AI COO→ Sanaka AI 創業と展開しており,典型的なグローバル経済侵略者であることが,浮き彫りになっています.そもそも,AI戦略会議(2.1)/AI知財検討会(2.2)は,メルカリ以外にも東大・東京科学大・GLOCOMや,ソニー・ソフトバンクなど,日本のグローバル派の頂点の各企業の役員級からメンバーが集められています.つまり「AI戦略会議/AI知財検討会/JDLAは,グローバル派の産官連合の生成AI 推進母体である」と認識できると俯瞰しやすくなると思います.
実際,以下の動画のように,WEF・ダボス会議的なグロービスのG1サミットにも,生成AI推進派の彼らは頻繁に登場していることはご存知でしょうか? これに関連して,ローカル派・地方派の石破首相が出てきて,グローバル派を蹴散らそうとしている日本の現状・構造も意識されると,生成AI問題も,(国や社会に,教育・メディアについて)どこが問題でどう改善すべきかを考える大きな地図となると思います.
3. まとめ
以上この記事では,生成AI推進組織の各中心組織の,委員・ボードメンバーをまとめました.
しかし,JDLAの理事や顧問・特別顧問のメンバーも,これまで批判の声出しをしないまま「AI戦略会議・JDLAや,リーダーの松尾教授の,無断生成AI推進方針に追従してきただけの面々」であるわけですが,その中には,「メインを占める大学教員勢」だけでなく,Wikipediaの記事があるような大ベテランの元官僚・元大経営者的なエリートも結構いるので,虚しい気持ちになりますよね… たとえ学問・研究やビジネスに秀でても,人の心を失い「今だけ金だけ自分だけ」に成り下がってしまうようでは,親も(子も)泣くと思います.
この記事をたまたま閲覧して,(非常に遅いながらも)ハッと気づいた,NLP研究者・開発者の方々は,今からでも我々やクリエイター勢と一緒に,ぜひ声出しを始めましょう.
そして,この記事で言ってる事の意味がわかった方の中で「未だに無断学習の生成AIツールを使ったり,研究開発している人」は,いますぐ全ての無断学習生成AI・無断学習基盤モデルとは縁を切りましょう.また,自組織が既に無断生成AIや無断マルチモーダル基盤モデルの研究開発をしてしまっていた場合は,これまで使用や研究・開発してきたことを素直に公的に謝罪し,相応の金銭的補償・精神的補償を,被害者側へ申し出るべきです(特に生成AIへの批判が強い,クリエイター勢へ).辞めることも謝ることもできない場合は,あなたのEQ・倫理観は,AI絵師やAI対話師と同レベルに低いと思います.
※ 繰り返しますが,個人批判を行なうと,エスカレートしてしまった際に,誹謗中傷にも発展しやすいのもあり,2節で紹介した生成AI推進派の各トップ組織の「組織全体のこれまでの結果・振舞いへの批判」を行なうことをオススメしておきます.また,2節でリストアップしている各委員や,その所属組織・企業にむけて,正当な批判や直接個人的に言って,改善を促すのもGoodです.
3.1 主要メンバーは,3次AIブームから4次生成AIブームに引き継がれている
最後にもう1点重要な視点とて「現在のAI企業・大学研究者の多くも,始まりは3次AIブームであり,今回の(4次)生成AIブームの主要メンバー(人工知能学会もJDLA)も,当時の延長」であるという話をしておきます.
AI研究者の事は詳しく知らなかったという方は,ここで登場した,「この2年間のゴリ押し生成AI推進に加担してきた主要メンバー」の経歴や人となりを探ってみてください.特に,JDLAの理事&有識者会員のメンバー(2.3節,2.4節)は「前回の3次AIブームでの成功者勢」ですから,前回ブームからの流れで,彼ら3次ブーム中心勢が,引き続き今回のAI戦略会議とAI知財検討会などを先導している事をよく認知して欲しいです.
つまり,今回のゴリ押しの生成AI推進も,前回ブームの2018,2019年当時から,連綿と続いているのです.当時からJDLAの各企業や人工知能学会に,松尾研派閥・PFN・Abejaなどが,3次AIブームを主導していたのです.火のない所に煙は立ちません.
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